2-17 また来ます
レオナが今も見えると言ったら どう思われるだろうか?
”視える人”って何だろう?以前 ユキにもそういわれたことがあるような?レオナがそれらを聞こうかどうしようか迷っているうちに
「お風呂あいたよ~ レオナ どうぞ~」っと呼ばれてしまった
***
「レオナ レオナ……」
眠っていたレオナはお祖母ちゃんに起こされた。
レオナが完全に目を覚ます前にお祖母ちゃんは一方的に話し出した。
「レオナは おばあちゃんとそっくりの 早とちりの慌て者に育っちゃねえ レオナが タスケテって言うから 視えるようにしてあげたのに何もかも怖がっちゃって
ごみ袋にまで怯えるなんて ごみ袋を捨てる人が悪いんだけどさ それにしてもって
おばあちゃん じれったく思ってたんだよ!」
「えええ? おばあちゃん ちゃんと説明してくれないからさあ」
「説明しようと思ったら 入口が閉じちゃったんだよ 腹立たしいねえ」
「ねえ おばあちゃん もう 死んでるよね? これって夢の中にいるの?」
「あー そうだった 死んだんだったね それなら これは夢だね」
「そっかあ ねえ おばあちゃん おばあちゃんの写真の顔怖いよね……」
「なんてこと言うんだい!」
痛い!!
目が覚めた まだ外は暗く お腹には隣に寝ていたレオンの足があった。
踵落としかあ。。。顏じゃなくてよかった レオン寝相悪いなあ!っとレオンを身体ごと向うに転がした
あれ?夢見ていたよね おばあちゃんの夢だったような?なんだっけ? 最後に怒られたような? 思い出そうと瞬きをして目を開けたら
もう 朝だった。
両親はもう一日休みを取ってあるけれど それでも あまり遅くならないうちに四つ葉市に着きたいから 今日はお昼前に帰路に就く予定だ。階段を慎重に上り下りして 荷物を運んでいると
「レオナ これ私のおさがりだけど良かったら着て ティーン向けだから」
っと 従姉が大きな紙袋を持ってきた
「ありがとう みっちゃん!」
「どういたしまして。これなんてお祖母ちゃんが作ったのよ オールドファッションなデザインだけどポケットが付いてて便利よ」
従姉は一番上にあった白い木綿のワンピースを取り出してレオナに当ててみる
「ありがとう」
袖なしの白いワンピースは 丈こそ長いが チイが着ている物とちょっと似ていた。
車に乗り込み さあ出発しよう という時に 車の窓から中をのぞいて伯父が言った
「次はいつ来るんだ? また家族連れて来いよ」
父が応える前に レオナが横から口を出す
「来年のお盆に また来ていいですか?」