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2-13 トキ

今度は レオナがノートを1枚 ビリビリと破り取り ソラとトキに説明しながら

シャツの形を作る


二人とも紙には触ることが出来るらしく、レオナが作ったシャツを広げてまた折るのをくりかえす


レオナが二人に折り方を教えながら 小声でなにか話をしているようだ。





ユキはそんな3人の様子を目の端に入れながら考える。


あの子はたったの5歳で亡くなったんだ。 

多分 自分が死んだことが理解できなくて 今も母親を探し続けているのだろう


「死」を理解していないから 深淵が生まれてこないのか?

「死」を理解していないような小さい子供が亡くなった場合、どうなるのだろう?


ユキは遠くの空を見ている


トキを連れてきたソラは言った「こいつを先になんとかしてやってくれ」とはどういう意味だ? 

しかも 先に、というのはその次には誰かを”なんとか”しなくてはいけないのだろうか?


ソラに問題を丸投げされているユキが「はあ~」 っと大きなため息をついて 今度はテーブルに両腕をついて 頭を抱える


そんなユキを見て レオナは師匠の頭を撫でて差し上げれば 少しは師匠の役に立たないだろうか? 自分はそれで随分 救われているけれど… そう考えて手を握ったり開いたりしていたが その手をテーブルの上から動かす事は出来なかった。



しばらくして ユキが顏を上げた


「トキの願いはお母さんに会いたいってことだよね。僕だけでは力不足だから、理央にも相談してみる。あいつ 視る事は出来ないけど 意外と賢いんだよ。とりあえず しばらく様子を見ようか? 土曜なら理央も呼べると思うしな ソラも理央に会いたいんだろ?」


ユキはお人よし という人種なのだろう ソラの気持ちを考えて理央を呼んでくれるという


「ああ これは 深淵とはあまり関係なさそうだから レオナちゃんは来なくてもいいよ?」

「来たら ダメですか?」


仲間外れにされたようで悲しくなって、眉を寄せながら聞く


「おねーさんには来てほしいなあ ユキさん怖いし トキも女同士いた方がいいよな?」


ソラがトキに聞くと トキは無表情で頷く。それに力を得て レオナは約束を取り付けた


「次の土曜日 来ます スクールもあるので 大丈夫です!」


スクールがあるのは嘘である

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