2-11 デジャブ?
いつものテラスに場所を移して。。。
「師匠 私 凄いですよね? 夏休み入って2週間で 数学の宿題終わりそうですよ!」
サンドイッチを食べながら レオナが自慢げに言うが かなり ユキに助けられているから 手柄の半分はユキにある。
「そうそう、師匠ご報告があります。 土曜日から月曜まで 父の実家、 亡くなった祖母の家に行くことになりました。お墓参りもしてきます。
けっこう遠いから 朝早く出るんですけど 楽しみです。 両親も弟も楽しみにしていて…」
レオナはそこで言葉を切って 突然立ち上がり 机に両手をついて頭を下げる
「ありがとうございました 師匠! 師匠のおかげです 師匠のおかげで おばあちゃんが私に残したものが分かりました 目に映るすべての物を怖がる必要な無いって
分りました 師匠は私の命の恩人です 巡り会えてよかったです 弟子にしてくれて
ありがとうございました」
あれ?言いながら なぜか レオナは涙が浮かんできた あれ?鼻水も垂れてきたよ? みっともないなあっとレオナは慌ててポケットからティッシュを出して鼻をかんでいると あれれ? どうしたの?っとユキがいつかのように頭を撫でてくれる
「ユキさーん おねーさん泣かしているんですか? 別れ話ですかあ?」
ソラのからかうような声が聞こえた
「何言ってるの?」
「何言ってるんだ?」
二人で声をそろえて 声のした方を見ると
相変わらず深淵を連れたソラが 小さな女の子と手をつないで立っていた
少し透けるようなソラとソラ以上に透けているように見える少女 というよりは幼女。眉の上でパツンと前髪を切りそろえた長めのおかっぱ頭に白い袖なしの丈の短いワンピースを着ている。
「次から次へと、、、どうなってるんだ? ここは心霊スポットじゃないはずだけど?」
ユキが呟いてから ソラに隣のテーブルと椅子を指して言う
「ソラ、まず そこの椅子に座れ!」
この状況は 理央がソラを連れてきた時と同じだ。この女の子は深淵をつれてないけど っと冷静にレオナは思った
理央と違って 文句を言うことなくソラは素直に椅子に座り、あの時と同じように ユキがこめかみを抑えながらレオナに聞く
「レオナちゃん あの女の子 視えてるよね?」
「はい またしても と言いますか あの子も この世の人間じゃないですよね?
ちょっと 透けてますよね?」
うーん とユキがテーブルに肘をついて頭を抱えた。
それを邪魔しないために ソラと幼女 レオナは黙って そんなユキを見守る
視覚情報からの記憶力がやたら良いレオナは ここに 理央がいれば完璧に先週の再現ができるなあっと考えて可笑しくなる
「おねーさんとおにーさん わたしのことみえるの?」
活舌がしっかりしない幼い声に レオナは黙って頷いた。
ソラの時は ユキの後ろに隠れていたからソラが見えた。今回は。。。今回はユキが頭を撫でてくれていたからだろう しかも ソラに目撃されて 揶揄われたんだったっと思い出したら 顏が赤くなってきた。
チラリとユキを見ると ユキも頭を抱えながら赤くなっている気がするのは気のせいだろうか?とレオナは思った。
あの時 理央は「若干 涼しさを感じてます」と言っていた。確かにソラと居ると気温がわずかに下がる気がしていた。しかし 幼女からはさらに冷気が感じられる。 今の なんだか顏が熱いレオナには それが気持ち良いのだけれど…




