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2-6 7月第二月曜日

夏休みに入ってから レオナは毎日のようにガーデンへ行っている。


その都度 母親は自分の分も作るからと嫌な顔一つせずにサンドイッチを作ってくれる。”ガーデンの友達”によってレオナが変わったことに気が付いているからだろう、レオナがガーデンに行くのを歓迎しているようだ。

今日もレオナは両親と弟を見送り 戸締りをして家を出る。


麦わら帽 子にデニムのサロペットスカート もちろん今日も胸ポケットにはいつものノート 夏はスカートが涼しいからっと言いながら 最近のレオナはスカートが多いのは「弟さん」と間違えられたからだろうか?


ガーデンまでの道のり 今まで怯えていたのがウソのように深淵に出会うことはない 深淵だと思ってもユキに貰ったボトルを握り締めて近づいてみると 動物だったり 植物だったり 虫だったり…… 

その度にレオナはふうっと大きく息を吐く、その息と共にレオナの中に居た 怖がりすぎのレオナが出て行くような気がする


ガーデンの門まで深淵に出会うことなく来たが 門の外でモヤモヤした深淵に出会う。レオナ一人なら視えないのではないか?一晩たったら居なくなっているのではないか?っとちょっぴり期待していたレオナに その深淵を連れた少年、ソラはニヤリと笑いかけ


「おねーさん おはようございます」


と 言ってついて来る。昨日 ユキや理央と一緒にワチャワチャ話していた時は普通に話せたけれど 一対一になるとレオナはどうしていいのか分からない。

ソラに小さく頭を下げて、速足でガーデンに入ろうとするレオナの後ろをソラがついて来……ようとして 立ちすくんでいた。困ったような顔をするソラに思わずレオナが小さな声で聞く


「どうしたの?来ないの?おいでよ」

「呼んでくれるんだ ありがとうございます」


ピョンと跳ねてレオナの方に来たソラは嬉しそうな顔をしている


「あの門から中って入れないんだ。理央さんにはくっついて入れたんだけど…ほら」


っと ソラがレオナの手をつかもうとする レオナは避けようとするが 避けるまでもなくソラの手はレオナを通り抜ける 


「理央さんにだけ触れられる でも 理央さんからは触れられないし 僕が見えてない おねーさんには僕が見えるし話も出来るけど お互いに触れられない どうしてなんでしょうね?」


ペラペラとソラが話しかけてくるが レオナはソラが連れている深淵が気になって仕方がない 


「あ 僕 おねーさん達以外には見えないので返事いらないです 気にしないでください おねーさんが何か言うと 変な人の独り言みたいになっちゃうと思うんで」


ポケットに入っている桜塩を使ってもいいだろうか?それとも こっちか?と ユキのボトルの存在をこっそり確認する


「あ…ここから先は ユキさんが呼んでくれないと無理だな」


テラスの近くでソラが立ち止まった。

ありがとうございました


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