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2-1 7月第一日曜

日曜日 今日のレオナはレモン色のTシャツにデニムのジャンバースカートを着ている。

もちろん胸の大きなポケットにはリングノート スカートのポケットにはユキからもらったボトルと台所から拝借した桜塩 茶色のリュックには宿題とお弁当 そのほかいろいろ。。。


先週と同じように 図書室で宿題をやってからカフェでユキと会う。 宿題で分からないところを高校生であろうユキに教えてもらおうという狙いは半分あたり 半分外れた 答えに行きつくまでの指導が思いのほか厳しくてヘコんだ。


師匠 厳しい。。。もう少しヒント下さい。


レオナがそう思いながらユキの方を見ると、ユキがバラ園の方を見ている。その視線を追って その方角を見たレオナはギョッとした


ニコニコ笑いながらこちらに来る 長めの天然パーマに丸い眼鏡をかけた明るい雰囲気の ユキと同年代くらいの若い男性。

その彼の後をモヤモヤした深淵が付いて来る


あんなゲートはくぐりたく無い、やっぱりアレは深淵と呼ぶのが相応しい。久々に見る気味の悪い深淵を見ながら レオナは


「師匠 タスケテ!」


と声にならない声でいい レオナを隠すように体の向きを変えたユキの背中に隠れた。

隠れながらも 怖いもの見たさから そっと半分だけ顔を出し片目で深淵の方を見る。ニコニコ笑う彼と 深淵 それから少年の姿が見え、ユキが息を飲むのが分かった


「ユキ~ 元気か~」


その人はまっすぐに ユキの前に来た そして レオナに気が付くと


「おお~ 友達? よろしく~」


っと ユキを押しのけるようにしてレオナの顔を覗き込もうとする。その彼と付いて来る深淵に レオナが声にならない悲鳴をあげて後ずさる


「理央 まず座れ お座り!」


ユキが隣のテーブルの椅子を指す


「なんだよ なんで同じテーブルじゃないんだよ」


と文句を言いながらも 彼は隣のテーブルの椅子に座った。


その隣には 小学生くらいの少年と深淵 どうやら深淵の持ち主はその少年の方らしい


「理央 お前 またなんか連れてきてるぞ。あまりいいヤツじゃないから彼女 怯えてるんだよ」

「え? ガーデンに入ったら緑が多くて涼しいなあっと 思ったけど、俺、なんか悪いヤツが連れてきてるってこと? ありゃ~」


当人を前に”あんまりいいヤツじゃない”とか”悪いヤツ”と断言するのはどうなんでしょうか?と ユキの背中から少年と深淵を視ながらレオナは思う


理央と呼ばれた人は キョロキョロしているが 少年の方を見ても視線が止まることは無い。


ということは この少年は理央さんには視えてない?幽霊? 私、幽霊が視えてる?質の悪い深淵つれた幽霊?…師匠お助けください。混乱したレオナはすがるような目をユキに向ける。 

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