第6話 身体測定
4月4日 19時
〜架院学園、グラウンド〜
「という訳で、これから身体測定をする。まずは体力測定。その後能力判定……基、能力測定をする」
「分かった〜乃空先輩!」
「毎回言ってるけど僕は先輩じゃないからね?」
「そうだっけ?生徒会長だし先輩でいいじゃん!」
「いいけど……あっ、瑠奈。記録は頼んだ」
「はい」
50m短距離、5.23秒
3000m持久走、11分18秒
ハンドボール投げ、測定不能
以下省略
ハンドボール投げ投げの記録だけおかしいなぁ……と思いつつ、瑠奈はしっかりと記録し、記録を乃空へ渡す。乃空はパパっと確認すると、能力測定を始めた。
「えーと、十六夜秋夜。能力は干渉。昨年は最長で10m先への干渉に成功。自身への干渉は不可。まぁ、とりあえず昨年の能力測定と同じことするか。」
「は〜い!」
とりあえず〜、干渉でグラウンドの石でも浮かせてみるか〜
秋夜が地面に手をかざすと周りの石がふわふわ浮く。
「瑠奈。どこまである?」
「えーと……とりあえずグラウンド全体は浮いてるので……判定300m位はありますね」
「じゃあ、測定不能って書いとくか……次」
自身への干渉だっけ?とりあえず……身長伸ばしてみたりしてみる?……無理だった…
「自身への干渉は未だに不可能と。あっ、そうだ。別でこの封筒を触って。中身は見なくていいから」
「??……よく分からないけどおっけー」
秋夜が封筒に触る。続けて中身を見ようとした秋夜を瑠奈が取り押さえる。
「君……中身は見なくていいの!」
「だって見たくなるじゃん!!」
「封筒は返してね。身体測定も終わりだから帰っていいよ」
「お疲れ様でした」
「ばいばーい乃空先輩」
22時20分
〜架院学園、組長室〜
乃空は天狐組の能力をまとめていた。秋夜の能力結果と封筒を見てため息をつく。今年もこの封筒の中身はダメだったけど……一応こっちにはメモしとくか。
「まとめておくか……」
十六夜 秋夜
身体能力、全体的に普通。稀に高い部分がある。
「干渉」能力、干渉範囲は測定不能。自身への干渉は現在も不可能。
……能力使用の代償、秋夜の残りの寿命は1年未満。早急に寿命を伸ばす能力のある人材が必要。
「……こんなものかな。それにしても、秋夜の寿命を伸ばす能力か……そんなもの都合良く持ってるやつなんか多分いないよな…」
問題児の上に能力にも問題ばっかりだよなコイツ。まぁどうにかしなきゃな……卒業前に死んでもらっちゃ困るし。