第5話 十六夜
3月16日 22時15分
〜架院学園、グラウンド〜
「よっしゃー!!能力使うぜぇ!!!ヒャッハー!!!!」
「…キャラ変わってない?」
「えっ?えっと……こんな感じかな?」
「うん、いつもの感じ」
夜の学園、グラウンドにはやたらとテンションの高い秋夜と瑠奈はいた。(ちなみに2人は、乃空から特別に許可を貰ってグラウンドにいる。)
「全く…君のお守りとか……」
「何か言ったぁ〜??」
「いや何も」
瑠奈は、乃空からどうせ秋夜は暴れるから見張って置いてとのお願い。もとい、命令を受けていた。
正直言ってやりたくない。放置して寮に帰りたい。
「おっしゃー!早速使うぞぉー!!!」
そもそもなんで僕が見張らなきゃ行けないのか、生徒会長自らが見張ればいいんじゃないか……なんて事を考え、ふと空を見上げたら、大小様々な鉄の塊が浮いていたり、急に爆発したり、非現実的な光景が見えた。
……だからお守りとかしたくないんだよ…
「ところで、君の能力って何か代償とかないの?そんなに沢山使ってたら、普通はすぐ使えなくなるのに」
「僕の能力に代償はないよ〜なんてったって最強だからね!!」
「あと、君の能力って結局なんなの?」
「えっとねぇ、自分の間合いにあるあらゆるものに干渉する能力だね。具体的に言うと、間合いの時間を止めたり、銃弾とか全部弾き返したり、間合いに入ったもの全部バラバラにしたり色々できるよ!!」
それ強くない?しかも代償無しとか……ただのチートじゃん。絶対何か代償があるはずなんだけど
………今度生徒会長辺りに聞いてみようかな
「ところでいつまであの上の爆破とかやってるの……?」
「あれは……今実験中だからいいの」
「ふーん……実験かぁ」
「うん。でももう終わるから……終わったよ。帰ろ〜」
「君……なぜくっついてきたのかな?」
寮へ向かって歩き出した瑠奈の上にもたれ掛かるようにくっつく。
「うーん……なんか疲れた。というか能力使って初めて疲れたぁ……」
「ふーん…とりあえず降りてくれない?」
「やだ、運べ。あっ、運んでください」
「……やだ」
嫌だ。面倒臭いし重いし……早く離れて欲しい。
「じゃあいいや……能力で浮いて帰ることにする」
言うや否や、秋夜は瞬間移動しながら寮の方へ消えて行った。おかしい、浮いて行くと行ってた割に消えた……幻覚かな?
瑠奈は目を擦りながら寮に帰った。寮に着いた瑠奈が中を除くと、秋夜は一足先に部屋の真ん中で寝ていた。