第1話 入学式
2021年 3月1日
〜十六夜 秋夜・住処〜
「ふふふ〜……待ちに待った入学式だぁ〜」
僕は鼻歌交じりにそう呟く。
これから僕は架院学園の入学式に行くのだ。上機嫌になるのも仕方ない。それに、新入生が入るって事は……
「今年はいるかなぁ〜運命の人……」
そう。運命の人がいるかもしれないのだ。まぁ今のところ運命の人は大っっっっ好きなくみちょーだと思っているが、もしかしたらもっといい人が来るかもしれないし……そういう意味でも入学式は最高だ。
「さてと!登校しますかぁ!!行ってきま〜す!!」
僕は住処を飛び出し、学園へ向かった。
〜入学式・架院学園〜
「これから入学式を始めます。まず、それぞれの組長からの挨拶です。朱雀、青龍、天狐、白虎、玄武の順にお願いします」
いぇ〜い!くみちょーだ、くみちょー達だぁ!!……後で愛しに行こ…
「はじめまして〜架院学園へ、こちら側へようこそ。
最初のうちは、慣れなくて色々と抵抗があるかもしれないけど、こちら側に来たからには慣れる以外、生きていけなくなるから早めに慣れることをお勧めしておくねぇ?
これからの学園生活頑張ってね」
「どうも、青龍組長の2年城々です。入学おめでとうございます。架院学園生として恥じぬよう、楽しい学園生活をお送りください。
俺からは以上です……」
「新入生の皆さんはじめまして。天狐組長、生徒会長の天翔乃空です。この学園ではこれからいくつもの大変なことがあると思います。
その際はぜひ我々組長や先輩方を頼ってくださいね……この学園に泥を塗るような行為はしないように。
以上です」
「俺が白虎組長の二ノ宮一虎だ。面倒ごとはパスなんで、そこんとこよろしく」
「3年の玄武組長、和泉蓮央だ。新入生たち、お前たちは能力を見込まれて期待されここにいる。3年間、死ぬ気で全てを吸収し、学べ。俺からはそれだけだ」
くみちょー大集合だぁ〜……らぶらぶ『死』に行こ、絶対行こ……特に和泉さん……くみちょーのとこ行かなきゃ!!
「最後に学園長からの挨拶です」
『入学おめでとう、諸君。
この学園の学園長、架院 拓麻だ。諸君の前に顔を出すのは滅多にないが、君たちの学園生活がより良いものになるよう願っている。
日々成長し学友と切磋琢磨し身を鍛えていくように
……卒業まで誰一人欠けることがないよう、幸運を祈っている』
へぇ〜、去年の学園長挨拶なんて覚えてなかったけどいいこと言うじゃん、まぁ鍛えるの面倒臭いし僕は恋人探ししなきゃね〜
……とりあえずくみちょーのとこ行かなきゃ。
「以上で入学式を終わります。生徒の皆さんはそれぞれ、指示に従って移動してください」