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2、自由なのはいいこと(?)

二話目です。

読んでいただきありがとうございます。

さて、キャラメイクは済んだことだし、一回ログアウトしよっかなー。


『ひよこ様!チュートリアルはどうなさいますか?』


「え、チュートリアルまでいけんの?」


驚いてアイちゃんの方を向く。


彼女はにっこり笑って言った。


『ひよこ様がそう望むのなら!だってここは自由な世界ですから!!』


なるほど、という呟きがもれる。


キャッチコピーを裏切らない仕様である。


今の言葉を正しく理解できているのであれば、それはつまり“ゲームを始めなければ()()()()()()()”ということである。


チュートリアルの片手間に


「レベリングさえ出来る、ってことだね?」


『うふっ!流石ですねー!!正解です!さあ、何をなさいますか?』


私は少し思案して、ひとつの疑問を呈した。


「ねえ、もっと面白いことできないの?テンプレを逸脱した、狂ったような!!」


アイちゃんは、私の言葉に笑みを深めた。


『はあ、なんて素敵な方なんでしょう!!良いですよぉ。特別に教えてあげます!ただし、これにサインしてくださいねっ!』


差し出されたのは見慣れた契約書。


やっぱりか。


知らない人も多いのだが、この開発社には都市伝説がある。


そのゲームの裏側を旅する資格を与えられた者だけが書けるという契約書。


私がさっきぽろっと零した運営が病気ってのはここのこと。


もちろん、この都市伝説は真実である。


目の前にあるしね。


実は、この契約書を見たのは初めてではない。


私はこの会社のゲームをプレイする度にこれを書いている。


所謂常連だ。


きっと、エンジニアの中に私と同じようにヤバイやつがいるんだろうと思う。


私は慣れた手つきでサインし、彼女に返す。


ったく、誰がこんな素晴らしい隠し要素作ってんだか。


一度会ってみたい。


というか、いつの日かGMとプレイヤーとして会えると信じている。


『では、行きましょうか!特殊サーバーに一名様、ごあんなーい!!』


アイちゃんがそう叫ぶと、ガラリと景色が変わる。


森の中のようだ。


「で、何すんの?」


若干ワクワクしつつ問いかける。


アイちゃんはうふふっと笑って、言い放った。


『何ってー、ヤバイ事?』


理解できなくて黙り込む。


アイちゃんは気にせず続ける。


『まず、体内の力を意識してください!手を上にあげて、その延長線上に力が溜まるのをイメージして!』


とりあえず言われた通りにやってみる。


体の中に何か温かいものが巡っているのがわかる。


両手を上にあげ、その先、手のひらから10cmくらいのところにその力を溜める。


『おおっ、凄いです!!ではそのまま遠くに放ってください!』


思いっきりぶん投げる。


巨大な光の玉は遠くまで飛び、そして、


世界は光に包まれた。


『あっ、やっべ。情報量が多くて鯖落ちする。』


そんなアイちゃんの声が聞こえた。




どれくらいたったのだろうか。


『ひよこ様ーっ!!起きてくださいよぉ!』


アイちゃんの声で目が覚めた。


「あれ、私何してたんだっけ?」


確か、よくわかんないけど、光に包まれて…


「もしかして、リスポーンした?」


ジロッとアイちゃんの方を見ると、


『アハハー……』


乾いた声で笑っている。


私の推測は間違っていなかったらしい。


問い詰めてもしょうがないし、この場は流すとして。


「サービス開始まであとどれくらい?」


私が問うと、アイちゃんは時間を確認し、


『やばいです!あと1分しかない!!』


そう叫んだ。


これまでの行動を見ていて思ったが、どうやらアイちゃんはうっかりAIみたいだ。


運営の趣味やばすぎだろと思うけれど、つっこんでも意味はない。


『サービス開始まで、10秒前!転送を開始します!!』


ゆっくりと自分の体が光の粒子となっていく。


私が溶ける寸前、アイちゃんがニヤリと笑った気がした。




『あー、面白れぇ。魔法少女RPもそうだけど、あのプレイヤーまた隠し要素を初っ端からかっさらっていきやがった!契約システムも無事クリアしてるし、楽しませてもらったし、おまけ付けとこ!』


先ほどの明るい少女声から一転、野太いおやじ声になったアイちゃん。


彼こそが、ひよりが会いたいと熱望していたエンジニアだった。


彼女が意識せず無理ゲーに片足を突っ込んでいる事を知るものは、現時点では彼一人である。




【ステータス】

名前 ひよこ Lv.?

HP 100/100

MP ??/??

SP 100/100

STR 50

DEX 50

DEF 50

INT ?

MND ?

LUK 10

CHA 10

種族 機械種(エクスマキナ)

ジョブ 黒魔導士

スキル 魔力感知Lv.5 魔力操作Lv.5 魔力放出Lv.5 飛翔Lv.1 古代魔術Lv.1 魔族化

称号 破壊者(デストロイ) 神に愛されし者 生き残り(ラストワン) 特殊な世界の住人


※なお、このステータスはプレイヤーに対して非表示設定となっております。




次回からゲームを始める予定です。

もしかしたら掲示板になるかも。

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