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1、キャラメイクは慎重に

見切り発車一話目。

読んでくださりありがとうございます。

いよいよ、BMOのサービスが開始される。


βテストは見事落選したが、朝3時から都内のゲーム店に並び、行列を経て寒い中文字通り命を懸けたので初回生産分の予約はでき、手元に製品が届いた。


さて、正式なサービス開始までにキャラメイクだけはできるようだし、やっとこうかな。


脳に接続する特殊なヘルメットを装着し、いざ行かん。


「ゲーム起動、管理者権限でBMO展開。フルダイブ機能オン、脳との接続開始。」


「__準備完了、仮想現実脳波操作システムまで、3、2、1、、フルダイブ!!」


視界が一瞬暗くなり、静寂ののち浮遊感を感じる。


目をゆっくりと開き、いつものスタート画面ではなく、既にゲーム内に入っている事を確認する。


うん、完璧。


直接ダイブする機能、最近のアプデで実装されたんだよね。


脳との接続と同時にゲームを立ち上げておくことで、待ち時間の短縮に繋がるんだっけ。


最新のアプデ機能としては断トツでいい。


お客様の声で評価入れとかないとなー。


私は月に200時間以上お世話になっているヘビーユーザーなので、エンジニアさんたちにはできるだけ恩返しをしている。つもり。


だからアプデの評価にゲームの宣伝、要望や意見などは欠かさずやっている。


もはや一種の親孝行みたいなもんだよね。


と、私の会社愛なんてどうでもいいんだよ。


大事なのはキャラメイク!


性癖を詰め込む作業だ。


とは言え、VRMMOは無意識的にキャラを操作するので現実(リアル)とかけ離れた身長、体重、その他もろもろにしてしまうと大変なことになる。


まあ、有名な話で行くと、


「ロリ巨乳最高!」なんて変態おやじがいて、キャラメイクをそんな感じにした。


ゲームでは胸が邪魔で剣なんてまともに振れないし、弓を使ったら胸が削れた。


現実(リアル)の方でも、視界の高さがおかしくなって、重心のかけ方もわからなくなって、結局精神を病んで立てなくなって精神病棟で寝たきり生活。


こんなことがおこっちゃうわけ。


まあこれは滅茶苦茶ひどい例だし、ここまでのはほぼ無いから怖がらなくてもいいんだけど。


でも、やっぱり現実(リアル)準拠がいいよね、ってこと。


だからこそ、VRMMOには身体読み取り機能がある。


さっきの例とかあってからは、大きな身体改変も禁止されたし、要は心配いらないってことだ。


風の噂によると、どこかの運営がご病気を患ってらっしゃるVRMMOではとある契約を結ぶことで物凄いキャラメイクが出来るらしいけど。


あはは、どこだろーなー。


まあ、茶番は置いといて、キャラメイクだ。


『こーんにーちはっ!バビロニアの神の世界へいらっしゃいませ!!わたくしサポートAIのアイちゃんです!よろしくお願いしまーっす!』


キャラメイクの項目を指ではじくと、ラボのような場所になった。


そして目の前に飛び出してくるピンク髪の魔法少女。


え、運営の趣味?


若干引きつつ、挨拶を返す。


「おけ、アイちゃんね。よろしく。」


『ハイハーイ!ではまず、あなたのお名前を教えてください!」


【名前を入力してください】


目の前の薄い青のコマンドに、システムメッセージが表示される。


私は、キーボードを開き、慣れた手つきで入力する。


【“ひよこ”でよろしいですか?】


はい、をタップする。


『重複確認中……はい、大丈夫ですね!!』


では、早速身体読み取りシステムを使用します!そう言ってアイちゃんは瞳を閉じた。


レーザーのようなものが私の体を這う。


暫くして、アイちゃんの隣にもう一人の私が現れた。


『種族からいきましょうか!』


目の前にズラリと種族名、簡易的な説明が並ぶ。


人間族(ヒューマン) 初期地点:始まりの町キングズリー

通称ヒト族。一般的な世界の住人。集団戦に長けている。ジョブが豊富。バランサー向き。


獣人族(ビースト) 初期地点:獣人都市アヌール

高い気配察知能力や優れた身体能力を持つ。様々な耳やしっぽを持つ者がおり、それぞれの種ごとで呼ばれることが多い。魔力がない。アタッカー向き。


森霊族(エルフ) 初期地点:神秘の森

長い耳が特徴。ほかの種族とは仲が悪く、身内意識が強い。魔法との親和性が高く、唯一妖精族(フェアリー)とは仲が良い。武闘は苦手。サポートや魔法職向き。


妖精族(フェアリー) 初期地点:ランダム

何処にでも存在すると言われている。体が小さく、魔法との親和性が低いものには光に見える。魔粒子を食べる。物理攻撃に弱い。サポート向き。


精霊族(スピリット) 初期地点:ランダム

実体を持たず、他人とも関わりを持たない種族。個人主義。物理攻撃が効かない代わりに、自身も物理的影響を及ぼす事ができない。魔法職向き。


巨人族(ジャイアント) 初期地点:荒れ果てた平原

巨躯の種族。平均身長は8m~10m。魔法が苦手。タンク職や大きな獲物を扱うアタッカー向き。


岩霊種(ドワーフ) 初期地点:始まりの町キングズリー

低身長種族。主に生産で生計を立てている。手先が器用。生産職向き。


ランダムガチャ

迷ったときにおすすめ!レア種族が出ることも?!】


一通り読んでも、ピンとくるものがない。


そりゃ、種族数は多い方だと思うけどさ。


何て言うか…テンプレすぎる!


ということで、ガチャ引きます。


『ランダムガチャでよろしいですか?引き直しはできませんけど!』


そう言うアイちゃんに微笑んで、いいよ、と答える。


目の前にガチャガチャが現れた。


回す部分を思いっきり()()()()回す。


アイちゃんの驚いた顔を横目に強い光を発しているガチャガチャを見つめる。


中からコロコロと丸いカプセルが出てきて、ひとりでに開いた。


一瞬反射的に目をつむる。


そして目を開くと、私のアバターにはカラスのような黒い羽根が生え、白目の部分が黒く染まり、そして後頭部辺りに黒い魔方陣が浮き出た。


『__やってくれましたね!!見つかってしまうなんて!』


興奮したように叫ぶアイちゃん。彼女はこう続けた。


『おひとり様限定種族、機械種(エクスマキナ)タイプZEROの魔族モデルです!!』


脳が追い付かない。ただ一つ分かった。


確実にヤバイ事をしてしまった。


どうやら逆方向に回したのがいけなかったらしい。


普通に回せばよかった。


時すでに遅し。


後悔先に立たずとはよく言ったものだ。


ここまできたら気にしたら負けの領域だと思う。


リアクション無しで先に進めた。


『じゃあ、次はカラーリングとヘアスタイルですね!』


えーっと、髪、瞳、肌が変えれるのね。


肌は白い方が合ってるから一番明るくして、髪は黒でいいや。


瞳はかっこいいから赤で!


髪型はストレートで、お尻くらいまでのロングにしよ。


前髪をぱっつんにして、完了。


『ここで決定した容姿は有料アイテムでしか変更できません!大丈夫ですか?』


「はーい」


ということで、お待ちかねのジョブ選択。


【戦士(バランサー、アタッカー/使用可能武器:片手剣、双剣、大剣、斧、槍)

狩人(アタッカー/使用可能武器:弓、短剣)

武闘家(アタッカー/使用可能武器:メリケンサック)

黒魔導士(魔法職/使用可能武器:杖、魔導書)

白魔導士(サポーター/使用可能武器:杖、短剣)

薬師(生産職/使用可能武器:無し)

鍛冶師(生産職/使用可能武器:無し)

調理師(生産職/使用可能武器:無し)

服飾師(生産職/使用可能武器:無し)】


ここは黒魔導士一択かな。


私実は、色んなゲームで魔法系のジョブだけをやりまくっているのだ。


もう黒魔導士やるしかない。


私は黒魔導士をタップする。


次はスキルかな?


『えーっと、次のスキルなんですけど、ひよこ様の種族の関係ですべてこちらで決めさせていただいてます!』


……まじ?


『ジョブも考慮してますので!!』


まあ、引いちゃった私が悪いか。


『いいよ』


というわけで、キャラメイク終了!!


私の冒険はまだ、始まってさえない!!!


次回までチュートリアルです。

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