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初雪の日に舞い降りた天使

作者:菜須よつ葉
アンリ様の企画初参加させていただきました。
「キス」をモチーフに。というお題に、恋愛要素の入った作品チャレンジ中のよつ葉には最大の課題でした。
「尚哉~ 雪だよ!! 雪降ってる!!」

窓を眺めながら、純菜が嬉しそうに俺に言う。

「あっ、だな」

そっけなく言う俺に、純菜が

「もう、尚哉もう少し感動してよ! めったに雪降らないのに」

幼馴染みで俺が片想いをしている純菜が、ちょっとムキになって俺に説教してくる。

「わりぃ、わりぃ ほら、帰るぞ」

純菜に声をかける。このままここにいたらどんどん機嫌が悪くなるし、雪も積もってくる。

「はぁ~い」

こういうところは、素直なんだよなぁコイツ



「お前ら早く帰れよ。電車止まるぞ。学校に泊まってくなら良いけどな。暖房止まるから寒いぞー」

担任の高木先生が声をかけてきたが、ニヤニヤした顔が気に入らない

「もう先生、今から帰るところです」

高木先生に返事をして、純菜の手を掴んで廊下を足早に歩く。

「ちょっ、尚哉…なに?  早いよ~」

驚きの中文句を言う純菜の声を無視して下駄箱に向かった俺らの後ろから高木先生の声が追いかけてきた。

「お~、仲良く帰れよ~。喧嘩すんなよ~。ちゃんと送っていってやれよ~って家隣同士だったな。気をつけて帰ってけよ~。じゃあ~な」

わざと大きな声言う、高木先生にイラッとしたが、きっと俺の気持ちを知ってて背中を押してくれたんだと思うが、あんなデカイ声で言わなくたって良いのに。文句を言おうと思ったけど墓穴を掘りそうなので言葉を飲み込み純菜の手をひっぱって廊下を進むことで自分自身を落ち着かせていた。

「ねぇ尚哉、高木先生って面白いね」

笑顔で言う純菜に俺は、コイツ全く判ってないなと思う。まぁ、昔からだけとな。

「あっ、あれがか? からかわれただけだろ。雪酷くなってきたから ほら帰るぞ」

純菜の手をとり雪の中を駅に向かってふたりで歩く。

「尚哉、電車止まってないかな?」

「降り始めたばかりだから大丈夫だと思うけど、早く帰るぞ」

純菜と帰るいつもの帰り道だけど、雪が降って滑るからとか、急ぐからとか理由をつけて純菜と手を繋いで歩いている。いつもの帰り道が雪のせいなのか、繋いだ手の緊張なのか景色が違って見える。俺って単純なんだなと思う。

「ねぇ、尚哉?」

「どうした?」

「雪って良いね」

と言って繋ぐ手に力が入ったのが判った。

「純菜、どうした?」

俺は気づかないフリをして声をかけた。

「尚哉……何でもない」

照れた純菜が、可愛くてしかたない。

「純菜、大好き。さぁ、帰るよ」

歩き始めると、純菜が俺を追いかけてくる。

「尚哉、置いてかないでよ」

雪の中をふたりで並んで歩く。もうすぐ互いの家の前に着くという頃、純菜が俺の腕を掴んで、そして背伸びして俺の頬にそっとキスをして

「尚哉、また明日ね」

と言って振り返ることなく帰っていった。俺は、突然のことに家の中へ入る純菜の背中を見つめるのが精一杯だった。

俺の右頬は突然の純菜のキスのプレゼントで赤く染まっていたと思う。

初雪の日に俺の頬に天使が舞い降りた。

アンリ様、素敵な企画に参加させていただきありがとうございました。

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