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25 逃走中


リアル逃走中のエリカです。

森の中って、でこぼこしてるし、木の根はあるしで、結構、走りづらい。



肩に乗った、琥珀が低く唸った。

( エリカ! 左後方から、モンスター接近! )


「アルベルト様、左後方から、モンスター接近! 」

「全員、左後方に注意。 B班と2年生は、戦闘準備。 A班の者は先に進め!」

「B班も、魔法で足止めしたら、前に進む。詠唱準備」


A班の姿が見えなくなった後、茂みから、オルトロスと土蜘蛛の十数匹の群れが現れた。

オルトロスは、蛇の尾をもつ双頭の黒犬、土蜘蛛は、人の大きさくらいの蜘蛛である。

なんで、犬と蜘蛛がダッグ組むのよう。


エンバー先輩が、水魔法の上級、氷の魔法を放った。

白い冷気が走り、モンスターの群れに真っ白な霜が降りる。キラキラと白い霜が輝く。

ピシピシと地面から氷が上ってゆき、モンスターの足を凍らせた。


「よし! 騎士たち行け! オルトロスの尾の蛇には、気をつけろよ!」

凍って動けないモンスター達を、騎士達がトドメを刺していく。

ポンポンと、モンスターが消えて魔石になっていく。拾いたい。


「よし! A班の後を追うぞ!」


騎士達が戻ろうとしたそのとき、木の上から、土蜘蛛が糸を吐いた。

「くっ! 木の上にも、土蜘蛛がいたのか!」

エンバー先輩が蜘蛛の糸に巻き取られていく。身動き出来ない。


騎士が急いで糸を切りつけるが、切れない。

木の上の蜘蛛を狙うが、剣では届かない。矢を射かけるが、シューッと糸で落とされる。


前世のTVで、ベンチャー企業が人工蜘蛛の糸をつくったというニュースがあったけど、

クモ糸の強度は、同じ太さの鋼鉄の5倍、伸縮率はナイロンの2倍もある。

鉛筆程度の太さの糸で作られた巣を用いれば、理論上は飛行機を受け止めることができるっていってた。

そりゃ、剣じゃ切れないわ。

でもね、糸の主成分はタンパク質。切れないけど、燃えるんですよ。


「まずは、蜘蛛本体を叩きます! 火の魔法の許可を。水魔法も使えるので、消火もできます! 」

「まあ、やってみろ。 騎士は巻き込まれないよう、下がれ!」


アルベルト様が、お前のファイヤーボールが効くのか?って顔してる。

前にアルベルト様、私のひょろひょろファイヤーボール見てるもんね。


ふふん、つえを得た私のファイヤーボールを見て驚け!

土蜘蛛めがけて、ファイヤーボールの連打を打ち込む。

命中! 蜘蛛は黒焦げになって、シュッと縮んで消えた。

そこにウォーターボールを打ち込んで、消火終了。森は、火気厳禁っと。


蜘蛛の糸でグルグル巻きになったエンバー先輩が残った。

ファイヤーボールを使うとクモの糸ごと先輩を焼いちゃうので、つえを使わず、指先に火をともし、糸を焼き切っていく。


「ファイヤーボールから、小さな火まで子細な魔術コントロールができるとは!」と感心された。

いやいやいや、つえを使わないと、しょぼい火しか出ないだけですから……

あ、カインと、アルベルト様の肩が震えている。



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