19 つえをつくりましょう2
今回も、切りが良いところで短めです。
次は、長めの予定です。
つえの素材を捜索中のエリカです。
正確には、小枝拾いです。
森に来ています。
今回は、遭難しないように、カインを雇ってきました。ナビ兼、護衛です。
弁当1こで、話がつきました。
本を片手に、落ちている枝を探す。
「ゴブリンでもわかるつえの作り方」によると、
よく使われるつえの木は、ナナカマド・西洋トネリコ・ハンノキ・柳・サンザシ・カシノキ(オーク)・ヒイラギ・ハシバミ・ブドウ・ニワトコ、イチイ樫(赤樫)、イスの木、椿、ブナ、白樫、本赤樫など。
初級者の場合、重量や強度、価格などを総合的に見て「イチイ樫(赤樫)」がお勧め。
子供や女性は軽い木材の「イスの木」「椿」「ブナ」が、男性には「白樫」「本赤樫」がお勧め。
正直に言おう。どれがどの木かわからん!
上の中で分かるのは、カシノキ、ヒイラギ、ブナ、椿くらいだ。
落ちてる枝に至っては、元がなんの木の枝か不明だ。
堅い木なら何でも良いって書いてあったし、ちょうど良い枝なら何の枝でも良いだろう。
落ちてる枝を拾っては、長さや太さ、強度を確かめる。
探すとなかなか良い感じの枝が落ちてない。
カインも時々「これどう?」って枝を持ってくるが、枝じゃない。
いやいや、丸太とか、バットサイズを持ってくる。
そんなの振ってると筋肉痛になるからね。
断わると「そうかあ?」と素振りしてる。
さっきまで、蝶々を追っかけていた琥珀が、
( これは、どう? )
と、落ちてる枝を前脚でつつく。
白くて滑らかな枝だ。大きさもちょうど良い。
握るとしっくりくる。
何の枝だろう?
横を見ると、他の木より白っぽい樹皮、まるい照り葉、椿の木だ。
ああ、これは、椿の枝だ。
祖母の庭にあった椿。
好きだった花。椿油の香りも好きだ。小さい頃、祖母が洗い髪につけてくれた。
椿の木は、堅く緻密、かつ均質で粘りがあり、摩擦にも強くて磨り減りにくい。
木肌の細かさと美しい質感から、印鑑や将棋の駒などの材料としても使われる。
堅い椿の枝なら、つえにもちょうど良いだろう。
これにしよう。