14 召喚獣と私
そんなこんなで、召喚獣をゲットした(ゲットされた?)エリカです。
帰り道に、カインに見せてやりました。
両手のひらに乗った、黒い毛玉の小さなにゃんこ。
至福だわ。
カインはいぶかしげに琥珀をみると、「そいつ、強いのか?」と聞く。
カインは、ものごとを強いか強くないかでしか判断できない脳筋野郎のようです。
多角的な価値判断ができぬとは、まだまだ子供ね。
「誰がなんと言おうと、かわいいは正義なのよっ!」
カインが触ろうと指先を近づけると、琥珀が「しゃー」と威嚇しました。
ナイス!琥珀! 私の敵がよく分かってる模様。
カインなんかに、触らせない!
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寮の部屋。
平民の寮の部屋は、前世の学生寮と変わらない。
6畳くらいの部屋に、机とベッドと本棚、備え付けのクローゼット。
畳で表現するところが、前世が抜けてない……
いま、もふもふちびにゃんこが、とてとてと部屋を探検中です。
ふんふんと匂いをかぎながら、あちこちすりすりする。
ねこのひたいや口元には臭線があって、人間には分からない臭いでマーキングする。
クローゼットの中も見せろと、言われましたw
どうやら、私の部屋はにゃんこの縄張りになったらしい。
飼い主さんにねこがすりすりするのも、ご飯のおねだり、愛情表現のときもあるけど、
「貴方はわたしのもの!」っていうマーキングのときもあるんだって。
もちろん、私もすりすりされました!
マーキングされなくても、私はにゃんこのものですっ!
( 次は、外へ行く )
琥珀さん、次は外に探検に行くみたいです。
しっぽピン!です。
ねこって嬉しいとき、しっぽがピン!って上がるんですよ。
とてとて歩く琥珀の後ろをついて行きます。
だって、ちびっこにゃんこ、カラスとかに襲われるかもしれないじゃないですか?
学園の敷地を草の臭いをかいだり、もそもそ動くダンゴムシをつついてみたり、楽しそうな琥珀。
癒やされます。
琥珀が何かを狙っている。おしりをふりふりして、ジャンプ!
惜しい! 琥珀の攻撃が届く前に、バッタがジャンプして逃げる。
バッタを追いかけて、琥珀がダッシュする。それを慌てて追いかける。
追いかけるうちに、またもや森の中です(泣)