風を感じろ
突然だが、俺には特殊能力がある。
それはシュークリームを食べると、自分の身体を風に変えることができるのだ。
俺はこの能力を使って、エロいことをしようと企んでいる。
計画はこうだ。
シュークリームを食べて風になった俺が、そのへんを歩いている女子高生の制服という制服を全部奪い去って、女子高生の裸を拝もうという計画だ。
下着は残しておいたほうがいいか。そのほうがエロいもんな。どんな下着を着けているかもちょっと気になるし。
そうと決まれば早速作戦決行だ。
コンビニで手に入れた5個のシュークリームをバクバクと食べ、風になった。
きっと周りからは透明に見えていることだろうが、俺からしてみれば、透明の竜巻のようなものに見える。俺がいるところだけがものすごい強風となっている。
そして一気にその場を離れると、女子校生を探して疾風の如しスピードで移動した。
『見つけた!』
早速一人可愛い女子校生を見つけた。
可愛い女子高生の元へと近寄ると、風となった俺に反応した女子高生のスカートがバサバサとはためいた。
「キャッ!」
可愛らしい声をあげてスカートを必死に抑えた。
『ほらほら! 早く諦めて俺に衣服を差し出すがいい!』
「急になんなのよぉ!」
俺の声は風となっているため聞こえないだろうが、叫んで叫んで風をドンドン強くした。
風とはいっても竜巻になれるわけではないので、女子高生が浮き上がらない程度の強い風で攻め立てる。
必死に耐えている女子高生。
口からフーっと息を吐いて、少しでも風の力を強くしようとする俺。
そんな攻防が2分は続いた。
ふと風の力が弱まってきた。
能力の時間制限が迫ってきているのだ。
シュークリーム一つにつき、一分の変身が可能だ。
残すところ、あとシュークリーム一個分といったところだろう。
しかし女子高生の制服は、もうあと一息だ。ボタンやチャックは壊れて、手を離せば落ちそうなくらいはボロボロになっている。
あと少し! あと少し!
俺は最後の力を振り絞って風の力を強めた。
「あっ」
「……君、ちょっと署まで来てもらおうか」
ふと気がつくと、後ろから例の青い制服を着た大人の男性が二人立っていた。二人の背後には、白と黒のカラーの車が止まっているのが見えた。
能力が切れてしまった俺は、ボロボロの女子高生に向かってフーフーと息を吹きかけているところだった。
涙目になって制服を押さえている女子高生が、俺のことをキッと睨みつけていた。
俺は、キチンと服を着ているものの、第三者から見ればただの不審者であることには変わりなかった。
俺は二人の男性に向かって言った。
「シュークリームはありませんか?」
「署でカツ丼を出してやるから、それで我慢しろ」
俺は二人に手を引かれるまま、車へと向かった。
おしまい
なんだこれw
現代版『北風と太陽』だと思って見ていただければ。