表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

三題噺集

風を感じろ

作者: シュウ

突然だが、俺には特殊能力がある。

それはシュークリームを食べると、自分の身体を風に変えることができるのだ。

俺はこの能力を使って、エロいことをしようと企んでいる。

計画はこうだ。

シュークリームを食べて風になった俺が、そのへんを歩いている女子高生の制服という制服を全部奪い去って、女子高生の裸を拝もうという計画だ。

下着は残しておいたほうがいいか。そのほうがエロいもんな。どんな下着を着けているかもちょっと気になるし。


そうと決まれば早速作戦決行だ。


コンビニで手に入れた5個のシュークリームをバクバクと食べ、風になった。

きっと周りからは透明に見えていることだろうが、俺からしてみれば、透明の竜巻のようなものに見える。俺がいるところだけがものすごい強風となっている。

そして一気にその場を離れると、女子校生を探して疾風の如しスピードで移動した。


『見つけた!』


早速一人可愛い女子校生を見つけた。

可愛い女子高生の元へと近寄ると、風となった俺に反応した女子高生のスカートがバサバサとはためいた。


「キャッ!」


可愛らしい声をあげてスカートを必死に抑えた。


『ほらほら! 早く諦めて俺に衣服を差し出すがいい!』

「急になんなのよぉ!」


俺の声は風となっているため聞こえないだろうが、叫んで叫んで風をドンドン強くした。

風とはいっても竜巻になれるわけではないので、女子高生が浮き上がらない程度の強い風で攻め立てる。

必死に耐えている女子高生。

口からフーっと息を吐いて、少しでも風の力を強くしようとする俺。


そんな攻防が2分は続いた。


ふと風の力が弱まってきた。

能力の時間制限が迫ってきているのだ。

シュークリーム一つにつき、一分の変身が可能だ。

残すところ、あとシュークリーム一個分といったところだろう。

しかし女子高生の制服は、もうあと一息だ。ボタンやチャックは壊れて、手を離せば落ちそうなくらいはボロボロになっている。

あと少し! あと少し!

俺は最後の力を振り絞って風の力を強めた。










「あっ」

「……君、ちょっと署まで来てもらおうか」


ふと気がつくと、後ろから例の青い制服を着た大人の男性が二人立っていた。二人の背後には、白と黒のカラーの車が止まっているのが見えた。

能力が切れてしまった俺は、ボロボロの女子高生に向かってフーフーと息を吹きかけているところだった。

涙目になって制服を押さえている女子高生が、俺のことをキッと睨みつけていた。

俺は、キチンと服を着ているものの、第三者から見ればただの不審者であることには変わりなかった。

俺は二人の男性に向かって言った。


「シュークリームはありませんか?」

「署でカツ丼を出してやるから、それで我慢しろ」


俺は二人に手を引かれるまま、車へと向かった。



おしまい

なんだこれw


現代版『北風と太陽』だと思って見ていただければ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ