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ロボ子と呼ばないで

作者: 火津井 峻

初投稿です。

戯れ言的言葉遊びをメタメタ感バリバリな感じで書いてます。

楽しんで頂けると幸いです。

 私の夢を聞いて下さい。



 毎朝教室に入ると出迎えてくれる友人の笑顔。そしてかけられる「おはよう」の声。

 窓から吹き込む風が、『青春』の二文字を私に運んでくれる。

 席に着き机に教科書をしまっていると、前の席から声をかけられた。

「おはよう、のぞむ!」

 声の主はみんなの憧れ、風羽矢君だ。

「ぉ、おはよう、風羽矢君」

 少しどぎまぎして応える私。

「何キンチョーしてるんだよ。俺たちの仲でそういうのはいらないだろ。あ、それとももしかしてちょうし悪いのか?大丈夫か?!」

 そう言って私の額に額を近づけてきて―

「か、風はひゃ君?!」

 だっ、駄目だよ風羽矢君。そんなことされたら、私っ…




 そんな感じの学校生活が、たわいもない、誰かに届けと言わんばかりの青春物語が、私の夢なのです。





 しかし現実はそんなに甘くないどころか、激辛激渋激厳しいの3Gであって…。ファイナルフュージョンするための勇気はなく、憤りをもって承認ボタンを叩き割りたい現状なのです。

 そんな自嘲を自重しない私の事を、貴方にだけは知っていただきたいと思います。

 私の名前は山路望夢(やまじのぞむ)と言います。周りの人からは、不本意ながら、ロボ子と言う名で囁かれています…。名前の真ん中二文字からもじられているみたいです。呼ばれてはいません…。このニュアンスの違い、察して下さい。

 どうせもじるならジムとかにして欲しい、などと思ってしまう所からも私の性質が伝わるのではないでしょうか?

 雑魚扱いされようがモブ扱いされようが、()の機体が連邦を支えたのは間違いない事実。

 私はそんな立ち位置にさえ憧れを抱く立場の人間なのです。

 夢物語は、恋の華を美しく咲かせる、のが定番です。ツッキー&たばさも言ってました。でも夢は夢でしかないことを毎日の暮らしが物語っています。

 私の夢、叶えてくれる人はどこかにいないのでしょうか?

 そんな世界はどこかにないのでしょうか?


『アルヨ』


!?

 どこからか聞こえた声の出所を探す私。

『ここだよ~』

 上っ!?

『上、いや、正面だ!』

 なんでそんな富野語が聞こえるのよ!?私の目の前には誰もいないじゃん?!やばい、わけわかんない??壊れた私?

『今に始まったことじゃないでしょ』

 もう!ツッコむくらいなら出てきてよぉ。私の考えが筒抜けなら出てきてよぉ。


「全くもぉ、しょうがないんだからぁ」

 貴様はどこの猫型ロボットだ。

「誰がのぶ代だ」

 水田(すいでん)は論外なんだ…。

「水田でワサビとか、宮城出身かって~の」

 え~、そろそろ止めようよ、色々問題発言だよ?

「この会話をモルモットに限界を測る!」

 それはノルモットにかけてる?

「やるじゃないか、のび太くん」

 誰が、目ぇ逆3だ!

「なかなかのツッコミだ、だが高低差ありすぎて?」

 耳キーンなるわ!

「君とは趣味が合いそうだ!来た甲斐があったよ」


 何なの、ほんとどこまで話を飛ばせば気が済むの?本題に入ろうよ~(泣)

 てゆうか早く姿現せ!

「喚ばれて飛び出て~」

 モノマネはもうしなくていいから…

 ―そう、実はここまでの会話、なぜかのぶ代を始めとしてネタに合った数々の声を使い分けて喋りかけられていたのである―

 その為か少し愉しくて乗ってしまった…穴があったら入りたいわ…。

「それじゃあ改めて、初めまして望夢。僕は小山のぷ代。未来の世界から来たんだよ」

「、、、、カワイイーーーーー」

 不覚にも年相応の女の子らしい反応をしてしまいましたが、それも致し方ありません。

 だって、だってかわいいんだもん。

 手のひらサイズで天使みたいな輪っかや白い翼。なのに小悪魔チックな八重歯にしっぽ。デフォルメされた手乗りアイドルが急に目の前に現れたら乙女モードに入るのが女の子でしょう?

 でもさっきの言葉を聞き逃した訳じゃない。

「カワイイーー、何?あなたのぷ代って言うんだ!?…っって、何?その紛らわしい名前。しかも設定だとしたらややこしい事この上ない内容が聞き取れたんだけど?」

「初めまして望夢。僕は小山のぷ代。未来の世界から来たんだよ」

「お前はロープレの村人か?!いやいや、正直な話ギャグなの?真面目な話なの?」

「初めまして望夢。僕は小山のぷ」

「天丼はもぅえぇっちゅ~とんのじゃ~い!!」

 DOGYAAAN

 ―ギャラクティカ・マグナムよろしくなエフェクトと同時に、激しいツッコミが大気を震わせた―

「はっ、しまった。つい手が。かわいいものには手をあげない主義なのに…」

「落ち込むことないよ、それだけ僕たち相性が良いって事じゃん」

「なんでこのやりとりで相性が良いなんて言葉がでてくるのよぉ?」

 自称のぷ代の意図が全く読めない。こっちの質問に何一つ答えて貰ってない気もするし、なんかもう考えるのがめんどくさくなってきた。

「それだよ。今の望夢はさ、普段と違って肩肘張らずにしゃべってるじゃない。相手は初対面だよ?得体の知れない存在だよ?僕の知る限りじゃそんな友達、現実じゃあもちろんだけど、ネットの世界にもいないじゃん」

 ラブリーな見た目とは裏腹になかなかきついこと言うのね、のぷ代。

「いや、でも、確かにそうだけど、でも」

「ほら、突っ込むところが見当たらないでしょ?」

 その通りだった。こんな得体の知れない者に言いくるめられる私って…

「まぁまぁ、気を落とさないで。僕は君のこと、ある意味君以上に理解しちゃってるからさ」

「え、どゆ事?」

 意味深な発言だ。私の事を、私以上?

「まぁぶっちゃけていうと君の意識から生まれたんだよね、僕」

 ???

「そんなフリーザ様の戦闘力みたいにならないで」

 疑問符まで正確に読み取るなよな~、すかうたー常備か?!

「「初めてですよ…ここまで私をコケにしてくれたお馬鹿さんは」」

 ハモった。被った。間までピッタリ。

「えぇそうでしょうねぇ。今まで誰からも相手にされてないですもんね」

 グサッ。

 くぅう、シェンノナイフガムネヲシャス。

「私がグレイに見えますか?やはりあなたはボケよりツッコミですね」

「う、うるさい!それよりさっきの、意識からってどういう事よ!」

「そのまんまの意味ですよ?どういう経緯でなったかは定かじゃありませんが、僕が僕と認識したときには、自分があなたの意識から生まれ出た者だと本能で識っていました。これはまぁ想像ですが、あれです。Hun×Hun(フンフン)で言うところの具現化能力ってやつじゃないですかね?」

 一気に捲し立てられて頭が追いついてこないが…。えぇ~、何か?私には特殊能力があるって?んなあほな。

「ウソじゃないよママ~」

「トンガってんじゃないわよ!?あとママって言うな!」

 そんな、アレやコレやの経験だってまだなのに…。

「グレイってみたんだよぉ、ママ~」

「ママって言うな!くびり殺すわよ?しかもそのグレイはZONEじゃない。アンタ10年後に一人減ってるわよ、それじゃあ」

「僕は一人なんだけど…」

 やっとおとなしくなった。これで頭を整理しながら話せるかな?

 改めて何から聞いていこうか…あれ?

「アンタほんとの名前はなんて言うの?とりあえず呼び名が決まらないと話しかけづらいわ」

「名前はまだない」

「猫にはこだわるのね…」

 なんだかなぁ、もう。ため息しか出ない。

「いや、今のは冗談じゃないんだ。言葉のチョイスはもちろん意図的だけど、名前がないのは嘘じゃない」

 なぜかカッコつけて言われた。くそ、言い声出すなコイツ。

「ちなみに声色は望夢の好みの声で出せるから。これも妄想の産物ってことじゃないかな?」

 ナイス!私の妄想力!グッジョブ!

「それでさ、折角(?)だから今望夢が名前をつけてくれないかな?」

「えぇ~、なんで私が?」

「望夢が生みの親だって言ったじゃん。それに望夢だってさっき心の中でナイス私!みたいなこと言ってたじゃん?深層心理で認めてたじゃん」

 まぁ、言われてみれば確かにそうか。う~ん、名前かぁ。

「急に言われてもパッと浮かばないものね…。ん~…。あ、アンタ、見た目は変わったりしないの?」

「もちろん変わらないよ?僕個人の意志では、って事だけどね」

「?どういう事?」

「想像の域は出ないんだけど、具現化能力みたいなものって説明、したでしょ?その流れに沿って考えると」

「待って、分かったわ。要は私が意識したら変わる可能性があるって事ね?私が能力で作り出したなら、それはあり得ることだもんね」

「まぁ実際はどうやって具現化させたのかも分かってないから、今のところ可能性としては低いと思うけどね」

 確かに。無意識下で作り上げたものをどうすればいいかなんて分かるわけないし、それをいじってしまうなんてどうなるのか…。

 恐ろしくて手を出せるわけない。…こんなにラブリーだし!

「うん、アンタはそのままでいいわ。そのままでいなさい。ん~、それにしても、名前ねぇ」

 意外と難しいものである。人間、他人のあだ名なんかは平気でつけてしまうものなのに…。うん、作家さんとか尊敬しちゃうな、これは。

「そんな難しく考えなくてもいいんじゃないかな?望夢が僕を見て言葉にしやすいものでさ。きっとそれが僕の名前だから」

 このこコノコこのこコノコ

「望夢…ヂョヂョみたいになってるよ」

 ヂョヂョ…スタンドか?!

「あなたはリアーナ!略して『リア』よ!」

「へぇ~、リア、ね。…その心は」

「スタンドネームって海外のアーティストじゃない?それであなたは私の分身だから女性のはず。そして私は深層心理で『リア充』を望んでいたはずなの。あなたと私を照らし合わせてみたとき浮かんだ名前はこれしかなかったわ。…よろしく、リア」

差し伸べた私の手をはにかみながら握るリア。はぁ~、やっぱ可愛いわこの娘。

いかがでしたでしょうか?

次回更新は未定です。

話が合いそうだと思って頂けると嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 作者のギャグセンスがすごい! いちいち笑えるので読むのが辛くならない! [気になる点] 作者のギャグをしゃべらせる人形達、な印象 少し理屈っぽい? [一言] 改行が必要なとこだけなので …
2013/01/17 12:25 退会済み
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