ハヤトと鳩〜小学生の頃の自分。こんなに痛い小説書いていたんですね〜
小学生の時に書いた文章を、ほんの少しだけ遂行してみました。温かく見守ってください。
僕の名前はハヤト。
エラクルス王国ヴィレスタン辺境伯領にある小さな村、オリジェン村で暮らす、11歳の子供だ。
僕は村の外れにある小さな家で暮らしていた。母さんは縫い子。お父さんは腕利きの用心棒だった。
お父さんは今は用心棒だけど、昔は冒険者をやっていたそうだ。どうやらお母さんと一緒に旅をしていたそうで、お母さんも優れた治癒魔法使いだったそうだ。
幼いながらも父から剣術を教わり、充実した日々を送っていた。
そして、まだ僕はこの平和がずっと続くものだと思っていた。その日までは。
それは、秋の終わり頃のある晩の話だ。僕は警報と悲鳴を聞いて飛び起きた。
家族と一緒に外に出ると、少し遠くに大きな黒い影が見
えた。それを何か確かめようとしたとき、お父さんははっとしたように何かに気づく。
その瞬間、僕は父にドンッ、と強く押された。慌てて立ち上がり、文句を言おうと家を見ると、その家はもうなかった。
黒い影から吹き出た、熱線のようなものが家に直撃したのである。
そのブレスに当たった家はどす黒く変色して、溶けていた。
「お父さん?お母さん?どこにいるの?」
その時、幼いながらも両親の死には気づいていた。しかし、突然の死に心が追いつかなかったのである。
そして、ここにいたら父と同じように死んでしまうことも、理解できた。
あとから知ったが、その黒い影は竜と呼ばれる魔法王朝、通称魔王軍の放った錬金生物らしい。しかし、一介の平民がそのようなことを知っているはずもなく、また、知っていてもどうにかできるはずもなく、その頃の僕には必死に逃げることしかできなかった。
どのくらい走っただろうか。体感ではもうゆうに2時間を超えている。お父さん、いや、父親に体力が鍛えられていなければ、ここまで来ることもできずに死んでいただろう。
偶然にも、たどり着いたその場所からは村が一望できた。
母親とともに行ったクレアおばさんが営むパン屋、愉快なケープさんの靴屋。
そして大勢の人がいたであろう広場。そのすべては焼き尽くされ、まるで燃え残った木炭のようになっていた。
あぁ。もうみんな死んだのか。そんな実感が胸に染み込んでゆく。いっそのこと、ここで死んでしまおうか。そんな考えがよぎる。あいつらに殺されるくらいならいっそ自分で…
その時である。気づいたら頭のうえに鳩が乗っていた。
「鳩は平和の象徴。だったっけ。」
平和。そんなものがこの世にあるのだろうか。きっと王国は魔王領に報復攻撃を仕掛けるだろう。結局、王国にも、王朝にも、少し離れたところにある帝国にも、神聖国にも、どこにも平和などないのだろう。
でも、
「温かい。」
自分の上にいる生命に、ただ温かいと、暖かいと感じた。
「もう少しだけ、生きてみるか。」
この少年が後、森の獣を束ね平和のために戦った、「ハヤト・フェストウィン」となるのはまた別の話。
平和のための戦争。武力ゆえの平和。
物資を得るために争っていたのが、争うために物資を得る。
目的と手段の反転。
そんな歪な世界で少年は抗い続けるのである。
小学生のとき、こんなの書いてたんですね。遂行しながら思ったけど重い…
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主人公、ハヤト君のイラストです。私の知人Aさん。ありがとうございます。m(_ _)m




