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ミスターとエーアイ ~異世界放浪物語~  作者: 三鷹
江戸北街区編

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21/21

020:市街地の下階

 天空パレスで休息した後、北街区へ転移した。


 今回は天空パレスと江戸国との時間の接点をずらし、調整した。

 理由はテレポートで移動したことを隠すためだ。

 東街区でサブロと話したのが、約二時間前。

 江戸国の時間軸では二日前になる。


 現在地は、複数の建物に挟まれた路地。

 広い通りからは見えない場所だ。

 黒服の店から百メートルほど離れている。

 ここから広い通りに出て、黒服の店に向かう。


◇◇◇


 黒服のいる店の前に着いた。

 前に見たときと同じ男だ。

 風景に溶け込むように立っている。


 男の近くに行くと、大きな体に圧倒される。

 だが、威圧感は全く感じない。

 暴力を振るう必要がない者だけが持つ特権か。


 私は黒服の男に訊いた。


「ここは、下階への入口か?」


 黒服は無言で店の扉を押し開ける。


 店内は壁と床のみ。

 店主がいなければ、商品もない。

 微かに金属と油のような匂いがするだけ。


 奥の隅に、下へ降りる金属の階段が見えた。


 店内に入る。

 店の扉は閉ざされた。


◇◇◇


 階段を降り、下階に着いた。


 ここから見る限り、建物の数は多くない。

 お互いが干渉しないように建てられている。

 だが、市街地のように道に沿った建物ではない。

 点在する建物同士の間が道を形成している。


 天井は市街地よりも低い。

 いくつか天井に繋がる建物が見える。

 近くに二つ。遠くに一つ。

 正確な数は不明だが、数は多くないと思われる。


 座標ビューアを確認。

 武装した人数は三十二。

 アクオ、そして偽忍者と自称自警団が数名。


 闇雲に動くのではなく、探索の順序を考えた。

 まずは、下階の範囲を確認。

 次に、全体を四分割した各エリアを探索。

 できれば、早い段階でアクオとの接触を試みる。


 下階の範囲はエーアイに依頼した。

 私は座標ビューアで動向を探りながら待機した。


◇◇◇


 五分もしないうちにエーアイが帰ってきた。


《ミスター、任務完了しました》


 エーアイの報告は数値を含み、丁寧だった。

 それをもとに、私なりに整理してみた。


・階段は黒服の店のみ。

・天井に繋がる建物は計3つ。階段ではない。

・階段を除き、下階からの出口は西側のみ。

・下階の壁に接触している建物はない。

・居住区の下の空間はすべて埋まっている。


 次は、四分割した各エリアの探索だ。

 近くにアクオがいることを確認。

 北西エリアから始めることにした。


◇◇◇


 北西エリアにて。


「奇遇だな。お前も銃を使うんだな」


 会った瞬間、アクオから話しかけてきた。

 一拍置いて、私は返答した。


「ただの観光だ」


 アクオは口元を緩ませ、軽く頷いた。


「そうか。この先に銃を扱う店がある。

話を聞いてみるといい。じゃあな」


 アクオは階段のあるほうへ歩き出した。


 私は銃器を買う予定はない。

 だが、情報としては悪くない。

 私はアクオが勧めた店へと向かった。


 店の入口の両脇には男が二人。

 腿にゆとりのある紺のダブルスーツ。


「しばらくお待ちください」


 左側の男が丁寧な口調で、入店しようとした私を制した。

 店の中には先客がいる。

 私は言われたとおり、その場に待つ。


 店内にいた客は、入口とは別の出口から出ていった。

 客同士が顔を合わせない配慮だろう。


「お待たせしました」


 入口の男が私を店へ案内する。


 まず目に入るのは、長いガラスケースだ。

 客が触れられる距離にはない。

 長いガラスケースの中に銃器が並んでいる。

 店主の脇と背後の棚には小箱が積まれている。

 すべては透明な仕切りの向こう側にある。


「いらっしゃい。何か入用か?」

「下見に来ただけだ」

「そうか。なら三分で済ませてくれ」


 私は気配を探るように店の隅々まで目を配る。


 あえて例えるなら、美術館や博物館に近い。

 購入する場合を除き、触れることは厳重に管理されていた。


 帰り際に店主が私に言う。


「待て。ひとつ言っておく。

銃はただの道具だ。

使い方次第で、価値も意味も変わる。

良いも悪いも、持つ者だけに選択がある」


 私は店を後にした。


◇◇◇


 南西エリアにて。


 座標ビューアを確認。

 アクオと自称自警団は、すでに市街地へ。

 このエリアには、偽忍者が二人いた。


 私は偽忍者がいる場所へ移動しようとした。

 しかし、二人は北東エリアへ。

 北東エリアであれば、出口から遠くなる。

 二人を追わず、そのまま泳がせることにした。


 このエリアは、住居兼店舗が多く点在していた。

 道具や骨董品、薬を扱う店が多い。

 先の銃器の店と同様、客が自由に触れないように管理されていた。

 護衛に関しては有無も含めて対応はさまざまだ。


◇◇◇


 北東エリアにて。


 座標ビューアを確認。

 先ほどの偽忍者が二人いる。


 私は偽忍者がいる場所へ移動した。

 するとそこは、住居兼作業場の建物が雑多に集まっている場所だった。


 刀剣類の手入れをする職人。

 防具の補修を請け負う職人。

 金属加工を扱う職人。


 戦闘用装備品に関する職人たちの村の様相だ。

 購入目的の客も数人いる。


「職人も武装した人数に含まれているか?」

《いいえ。職人と店員は原則、除外しています》


(ならば、偽忍者は、この裏か)


 裏側に回る。

 短剣を扱う店。

 店の中には男女の客。


 私は店の外で二人を待つ。


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