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第四話.切り札

とりあえず、初戦は書き終わりました。

今回も後書きは省かせてもらってます。申し訳ない(-言-;)

あと一つ注意をさせてもらいます。

ややこしいんで別に注意して読んでいただかなくても全然大丈夫なんですが、

例えば今回の目玉となった『顎龍』です。

このように漢字で表されているので『がくりゅう』と読んでいただけても良いのですが、

この世界では、漢字で『顎龍』と書いて『バラモルーズ』と読む事になっています。

あとは、『巨大な力の塊』などですね。

これも『巨大な力の塊』とかいて『ラ・バラモ』と読みます。

非常にどうでも良い事のですが、ここまできっちり理解していただけると幸いですね。

「しっかし、すげーデカさだな。」

ユエは顎龍をまじまじと見つめた。


『剣魔法!!桜龍華斬=カルバトロス!!!!』


金色の斬撃が顎龍を切り刻んだ。

レオンの時と同じく、顎龍にダメージはなかったものの、

跳ね返った斬撃でユエが傷つく事はなかった。

「なるほど、普通の斬撃じゃ太刀打ちできねーだろうな。

 でもま、所詮、俺の敵じゃない。」

「…!!」

レオンとエルメスはこの言葉に驚愕した。

ってやるぜ?」

ユエはそういうと、『大刀カルバトロス』の魔力を解放し始めた。

「……!あれは『大刀カルバトロス』!?伝説の桜龍の剣を持ってるのか…!」

エルメスはレオンの治療をしながらも、

ユエからは目を離す事なく、ずっと見守っていた。



場面変わって、こちらは森林内。

多くのベリモンが殺されていた。それはレオンやエルメスが殺した残骸だった。

ギンタとジュラは、ユエの応戦すべく、森林を一直線で突っ切っていた。

「…でもジュラさん。ユエの『切り札』って何なんですか?」

ギンタは邪魔な木々を『月刀=三日月』で切り刻みながら走っていた。

「んー、そうさなぁ。

 あいつの『大刀カルバトロス』は、『魔力貯め』できる武器って知ってるか?」

「『魔力保持』に加えて、『魔力貯め』もできるんですか?」

『魔力貯め』とは、読んで字の如く、魔力を貯めておける特性の事だ。

対する『魔力保持』は、それ自体に魔力があることを指す。

「そうだ。だから魔力を蓄積していけば、どんどん強くなっていく武器なんだ。」

「それが『切り札』ですか?」

「いや。あいつの本当の『切り札』はそんなんじゃない。」



レイオル山脈に戻って、ユエの攻撃。

「おい、エルメス。この剣に魔力をぶち込んでくれないか?」

「…!!」

(たしか『大刀カルバトロス』は、『魔力貯め』できる武器だったな…。)

「分かった。その魔方陣に入れ!」

ユエは魔方陣に剣を刺した。

「おい。お前は入らないのか?」

「あ、俺は魔法とかてんでダメなんだよ。」

ユエは笑って手を右、左とふった。その笑顔に思わずエルメスも笑ってしまった。

「いくぜ!魔力解放!!!」


ドカァァァァァァァ!!!!!!


激しい土煙が巻き起こった。

エルメスが魔方陣を見ると、もう剣はなかった。

急いで顎龍の方を見ると、ユエが『大刀カルバトロス』を振りかざしていた。


『くらえェェェ!化けもの!飛ぶ魔法の斬撃を!!!』


ユエはそう叫ぶと、空中をスカッと切り裂いた。

「ばっ…ばか!何スカぶってんだよ!!!」

しかし、ユエは笑っていた。



「ジュラさん!見えました!レイオル山脈です!!」

「……あいつの『切り札』は……。」


魔飛斬撃まひざんげきだよ。』


空中を切り裂いた『大刀カルバトロス』から、虹色の光が飛び出した。

カマイタチのようなその斬撃はその勢いを絶やす事なく一直線状に飛んでいった。

「なっ!斬撃が…飛んだ!!?」

レオンの傷はもうほとんど治っていた。

斬撃は顎龍に直撃し、顎龍の胴体と頭がまっ二つに外れてしまった。

そのとき、ちょうどジュラとギンタが到着した。

「お…終わってる…。」

「な?言ったろ?」

あっけにとられているギンタの頭を、ジュラはポンッと叩いた。

「…あいつに斬撃は効かなかったはずだぞ…?どうして…?

 しかも…『飛ぶ斬撃』なんて聞いた事が…。」

レオンは傷口を押さえて立ち上がった。

「…俺は聞いた事がある…。バラモと勇敢に戦った少年団の王族…。

 『グラメディウス・ユウガ・アルフォリア』。」

「王族!?しかもその名前…伝説の戦士じゃないか!!」


50年前。

バラモがまだ『巨大な力の塊』を生み出していなかった時の頃、

エルゲリアの王様すらバラモに所属していた。

が、当時庶民的だった皇子『ユウガ』は、

少年団に所属し、エルゲリアの大人達を正気に戻す為に活躍したと言われている。

単独でバラモの本部に乗り込み、伝説の桜龍『カルバトロス』を、

自らの飛ぶ斬撃で倒し、子孫にその武器を伝えていったというのだ。


「上姓も下姓もあってる。十分にある可能性だ…。」

「……あいつが…王族!?」

レオンはいまだに信用できなかった。

ユエはレオンが気を取り戻した事に気付いて、レオンの元に駆け寄ってきた。

「よう。これでもお情け合格ヤローって言うか??」

ユエはニヤニヤしていた。レオンはフゥッとため息をつくとユエを睨みつけた。

「やるじゃねーかよ。悪かったな。」

「じゃ、これからは俺ら三人はチームだな!!」

ユエは大刀カルバトロスを振り回して言った。

「なっ…!!調子に乗るな!」

レオンがムキになる。それを見てエルメスは微笑む。

「いいんじゃない?これで俺らどうせ中級クラスだし。」

レオンは口をとんがらせていた。


「よっしゃ!

 『顎龍バラモルーズ』と『巨大な力のラ・バラモの第三拠点、

 レイオル山脈を打ち取ったりィィィィ!!!!」


その後、少年団の運送部は顎龍を解体・運送し、

戦闘・開拓部は、レイオル山脈を占領。

いずれにせよ、巨大な力の塊は甚大な被害をこうむったのである。



そして3日がたった。

ユエ達は上官から大目玉を食らったが、無事中級クラスに昇格したのだ。

初級クラスは授業が中心だが、中級クラスになると任務が中心になる。

また、初級クラスの指導や、試験の審査員にもなったりする。

ギンタは中級クラスの上の『上級クラス』だった。


「そういえば、顎龍討伐のとき、レオンが

 『俺はあいつを超えるまで、負けねえって誓ったんだ!』とか

 言ってなかった?」

エルメスが突然、思いついたように言った。

レオンはギクッと背筋を伸ばした。

「え?そんなこと言ってたのか?」

ユエは身を乗り出してまで聞いた。

「………。」

「あいつって誰だよ?レオン。」

ユエがニコニコして言った。

「…少年七人隊のナンバー4『ヴァクラ・カノン・シールド』だ。」

「…ふーむ。知らないなー。エルメスは知ってる?」

「うん。たしか通称カノン。だったね。でも女性だよ?」

「おっ!レオン、もしかしてコレか??」

ユエがいつものニヤ顔を見せる。

「ばーか。ちげーよ。幼なじみだ。」

レオンは顔を赤らめて言った。

「…どうやらレオンの想いの人ってのは間違いなさそうだね。」

エルメスもユエと一緒にニヤニヤし始めた。

「なっ…!エルメス!てめぇ!!」

レオンはエルメスに殴り掛かった。

エルメスはそれをフワリとかわした。

「わー。レオンが怒った〜。」

ユエのエルメスはわざとらしくそう呟いた。

三人のなれ合いを影から見ている男がいたのも気付かなかった。

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