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第十五話.十一幹部登場

残念ながら、今回から入ろうと思っていた「修行」編はまた次回に持ち越しになりそうです(泣)

……しんどい。

「な…あれは…。」

ジュラがその場から一歩退く。


「?どうしたリーダー。」


「…まさか本当に成功しやがった…『第五限界』…!!」


ユエの体から限りなく流れ出る力の大きさ。

ユエの右手と同化した『大刀カルバトロス』。


「なんだか知らねーが、俺はこれから本気を出すぜ。リーダーはそこで見ててくれ!」

フォールは黒い風に消えた。


「待て!『黒風』!死ぬぞ!」



「死ねぇ!!」

フォールがユエの背後に回った。


しかし、そのまた背後にユエは回り込んでいた。


「なっ…!」


ブシュッ!!


フォールの首が飛んだ。


「『黒風』!!?」

ジュラが叫ぶ。


ユエのそばには胴体と外れたフォールの生首が転がっていた。


「……速過ぎる。目でなんて追えるスピードじゃない。」

(…『黒風』を失ったのは痛いが…今回は立ち去るか……。)

ジュラはユエから目を離さないようにその場を離れようとした。


しかし、ユエは一瞬でジュラの元まで来て、ジュラの右腕を切り落とした。


「…っ痛!」

ジュラも急いで間を取る。


「仕方ない。お前を殺すしかないようだな。」

ジュラは目つきをガラリと変えると、腰元にある細刀を抜いた。


『……『細刀バシリスク』!!!』


ユエとジュラが刀を互いに組み合わせようとする…その時だった。


ドカァァァ!!


「…!?何だ?少年団の新手か!?」


「……あれぇ?『神帝』の兄貴。もうひるがえしちまったのかィ??」

長髪の男が言った。


「…!お前、リタルダン……『刹那リタルダン』か!」

ジュラが言った。


「………あの転がってる生首…フォールだな。」

マントで体を覆っていたのは、前にレオンが首を落としたはずの『謎夢シュウ』であった。


「あ…ユエ…君だっけ?この前の借りがあるからなぁ。俺が殺していい?」

この男も、ユエが殺したはずの『飛剣シルク』である。


「お前ら…。」

ジュラが目を離した。

「まさか十一幹部全員そろって援護の登場か。ありがたい。」


「…まさか『神帝』殿からそんな言葉が聞けるとは…この者…そこまでの相手か…。」

髷を結った戦国時代の武将のような姿をした男が言った。


「スダはん。あの子ジュラはんの弟やわ。噂やと相当な腕の持ち主やと聞いとりますが。」

舞妓さんのような姿をした女が言った。どうやらさっきの武将男は『魔操スダ』らしい。


「なんだ、カナシダ。やる気か?お前なんぞに譲らないぞ?」

獣のような風貌の大男が舞妓女を睨んだ。舞妓女…すなわち『死旋カナシダ』である。


そしてこの大男こそ、前にジュラが倒したと聞いている『幻獣ガウスト』であろう。


「うるせーよライオンちゃんが!ユエ君は俺の獲物だッつってんだろーが!」

シルクがガウストを睨む。


「……シルク如きじゃまたすぐやられる。」

ガウストと対象にとても小さな少年が呟いた。背丈はユエよりも小さい。


「何ィ!?チビ助が!だまってろ!」

シルクは完璧にキレている。


「…ピノー、貴様ならやれるとでも?」

ガウストもキレかけだ。


「……、俺はお前らより強いからな。」

再び、少年こと『悪童ピノー』が呟く。


『んだとォ?』

ガウストとシルクの声がかぶる。


「まぁそんなにいじめてやらないの。ピノーはまだ子供なんだから。」


「…メイル!お前まで来ていたのか!」

ジュラの顔が変わった。


「隊長!『治癒メイル』ただいま参上しましたぁ!!」


「……………。」

黒いマフラーに顔をうずめているのは、おそらく残りの一人『瞬殺ヴァキ』だろう。

この男も、先日ジュラに殺されたはずの男である。



「………。シ…ルク………!」

ユエの瞳に光が戻った。


「なっ…。正気に戻るとは……。」

ジュラはさらに驚く。


「どうする。『神帝』。帰るか?」

シュウが言う。


「ああ、そうだな。お前らが来てくれたおかげで安全に帰れそうだ。」


「えー!!せっかく来たのに帰んのかよぉ!」

シルクが叫ぶ。


「シルク、ガウスト、ピノー。あいつに今後一切危害は加えるな。」


「えー!!」

シルクはまたも叫ぶ。


「おそらく奴に太刀打ちできるのは俺だけだ。」


「じゃあ、今全員でかかればいいじゃないですか。」

ガウストも残念そうに語る。


「仮にも俺の弟だ。俺が決着をつけたい。

 でもな…もう少しコイツが強くなったくらいじゃないと面白みが無い。」



「ま…てよ……ク………ソ…兄……貴…。」


「メイル、『黒風』の生還をここでしてやれ。」

ジュラが刀を収めた。


「えー!ここでですかぁ!」


「ああ、『黒風』にはこいつを少年団まで運んでもらう。」



「そんな…敵をわざわざ送るなんて。」


「スダ。少年団なんてちっぽけなモンは…俺たちの『敵』か?」


「……いえ。」



「つまづいて転んだ所にいた虫コロを草むらまで持ってってやるだけだ。」

ジュラは幹部の中にはいって行った。



「…ふぅ。疲れましたぁ。」

メイルはその場にぐったりと腰を下ろした。


「……あれ?ここは…。そうだ、ヤツは…、リーダーの弟は?」

とれていたはずの首も繋いでフォ−ルは生き返っていた。


「フォール、黒風を使って、ユエを少年団の入り口までおいてこい。」


「はぁ?リーダー、勘弁してくれよ。おらぁごめんだぜ。」


「……。命令だ。やれ。」


「めんどくせぇなぁ。いいじゃねーか。別に。結局アレか、親戚の身は持つってか。」


その瞬間、ジュラの後ろ姿から殺気がみなぎった。


「やらないのならいい。再びお前をバラバラにしてやるだけだ。」


「…わ、分かったよ。やればいいんだろ。」

フォールが黒いマントをパッとあおると、そこに黒くて小さな竜巻が出来た。

そこにユエを乗せると、フォールは竜巻に息をフゥッと吹きかけて飛ばした。


「これでいいだろ?これで。」


「ああ。帰るぞ。」

出ましたね。十一幹部の全貌が明らかになりました。

みなさんの想像と違っていた所もあるかもしれませんね。

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