第十四話.覚醒
本当に久しぶりの更新です。
次回あた桜下天王部と少年七人隊とユエとの連携が始まります。
「…あ…兄貴?冗談だろ?冗談だよな……。」
ユエはヨロヨロと立ち上がった。
「………、まさか本当に第三限界まで解除できてしまうとはな…。」
いつになく冷たい目で見下ろすジュラ。
「……ジュ…ジュラさんが…裏切り者…!?」
レオンがユエを支える。
「ああ…そうだ。今、フォール(こいつ)を幹部から失うのは痛いものがある。
しかたないが…潮時だろう。」
「あ…に………き。」
「くっっそぉっぉぉぉぉx!!!」
ユエをおいて駆け出したのはレオンだった。
しかしジュラの指一本でレオンは弾き飛ばされてしまった。
「くっ…さすが『神帝』だな。いや……我らのリーダーよ…。」
フォールはジュラの横で切り刻まれた体を癒していた。
「!あいつも治癒ができるのか!」
「ま…さか……『治癒』ってのはメイル…ってやつ…だけじゃ…。」
「ああ、メイルはな。自分の魔力を限界まで使って死者を生き返らせてるんだ。
だから余分な魔力をメイルに使わせない為に、俺が基本的に治癒を行ってる。」
フォールは自分を黒マントで包むと、呪文を詠唱しだした。
「レオン…ここを離れてくれ。」
ユエが立ち上がった。
「ユエ…?」
「第五限界に挑戦する。」
「……なっ……。」
「これしかねーんだ!!!!……頼む。」
「………死ぬんだぞ、使ったら最期。」
「全滅よりマシだ。オトハを…頼む。そいつとはたった一回の縁だったのに……」
「……」
「何でか…何十年もの親友を殺されたような感覚なんだよ…!!」
レオンは黙ってオトハを抱えると、急いで砦を出た。
「……そろそろじゃないか、『黒風』。」
「ああ、そいじゃ行きますか!!」
黒マントをとったフォールの傷は、完全に消えていた。
「第五…限界……。」
「いくぞリーダー!」
「さらばだ…ユエ。」
『解除』
ドバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!
毒霧の海が消し飛んだ。
「くっ、何が起こったんだ!」
「………。」
「な…あれは!?」
そこに立っていた者は……。
自分の片手を『大刀カルバトロス』と同化させた、ユエだった。
久しぶりです。ホント。