第十二話.進行開始
久しぶりの投稿です。
そろそろSHONENも終わりかな・・・。
とりあえず最後までは見てやってください。
いよいよ進行の日がやってきた。
ユエはレオンにぶん殴られた傷がまだ癒えておらず、
それでも進行には参加する事を表明した。
「お前ら……若いけど程々にしとけよ…?
今日は俺らの命運を決める大切な日なんだからな。」
ジュラは昨日の事件を知らないようだ。
当然ながら、ジュラは昨日、日頃の仕事の疲れが出て、熟睡してしまったようだ。
「……クロさん!今日は…行けますよね?」
廊下を通りがかったクロに、ジュラが声をかけた。
「…え?………あ、ああ……。行けると……思いますよ?」
クロはジュラの声に少し驚いて答えた。
そのクロの反応を、オトハは見逃さなかった。
「……いい加減にしたらどうですか?クロさん……。
いや……。」
『黒風フォール!!!!』
オトハが叫ぶと同時に、クロは竜巻のような物に包まれていた。
竜巻が晴れ、姿を現したのは…黒装束の男だった。
ボサボサの髪、鷹のような鋭い目つき、目の下の古傷、
それらの全てが、四人を威嚇していた。
「!!!クロさんが……黒風フォール!!!??」
レオンが息をのんだ。
「考えたもんだな……。上姓が『クギャ』。
言い換えれば『ギャク』、つまり逆だ。
名前と下姓を逆から読めば………『ゼカ・ロク』…『クロカゼ』!!」
ジュラは一歩退いた。
ユエはいまいち状況を理解していないようだった。
かろうじて理解できたのは「ああ、だじゃれか」ということだけだった。
「どうやら俺の正体に最初から気付いていたのは…そこの医療部から配属された
お嬢ちゃん一人らしいな。」
フォールは腰に差してあった細刀の柄に手を置いた。
「あなたに会う前から、私はあなたがフォールだって気付いてたわ。」
「…?」
「…まず、最初におかしいと思ったのは……、私たちを襲ったときよ。」
「あの魔法(幻術生殺)は、近距離でかけないとうまく制御できない。
ならあなたは最初からレイオル山脈を超えてあの場所にいた事になる。
レイオル山脈を超えたという事は、レイオル山脈を落としたという事。」
「え!?でも、それなら山脈を越えずに、回り込んでも行けるんじゃないのか?」
レオンがオトハを横目で見ながら聞いた。
「その可能性もまだ十分あったわ。でもこの「頂の柱」に着いて分かった。
この砦には少年団の「開拓部」の連中が100人はいて、守ってる。
それなのに、私たちを迎えたのはあなた一人。
しかもあなた以外に誰もいない。これで確証したわ。
大方、ここを守ってた連中は全員あんたに殺されて、
証拠隠滅の為に毒霧の海で溶かされたって寸法ね。」
「なるほど、溶かされた残骸を見せない為にも、
俺たちを寄せ付けたくなかったんだな。」
ジュラがコクリと頷いた。
「………お見事だ。お嬢ちゃん。」
フォールはニヤニヤしながら手を叩いた。
「さ、どうする?そこのヤツ以外なら俺一人で十分殺せるが……。」
フォールは、ジュラを指差した。
「言いやがったな。俺を甘く見るなよ?」
ユエがずいっと一歩前に出た。
「俺『達』だろ?」
レオンがユエに負けじと前に出た。
「後方援護は任せてね。」
オトハはにっこりと笑った。
「お手並み拝見と行きますか……。」
ジュラはオトハの隣で腕組みをした。
ダッ!と前に勢い良く出たのはユエ。
大刀カルバトロスを振りかざしてフォールめがけて突き落とす。
その瞬間、フォールは黒風と共に消え去る。
その行動を先読みしていたレオンが双刃ギヴァセスでフォールの腕を切り落とす。
「うわー。グロいw!」
ユエが転がった腕を見つめてそう呟いた。
「さぁて・・・進行開始だ!」
レオンがそう叫んだ。
フォールの切り落とされていたはずの腕は再び生えてきていた。
(レオン)なっ!グロい!
(ユエ)ああ!確かにな!
(レオン)あのイモムシ!紫色だ!
(ユエ)そっちかよ!!