第一話.少年団
SHONEN-少年-は、元々漫画で制作していた作品です。
結構しっかりと構成しているつもりですが、
若干つじつまが合わない事もあるかもしれません。
あと、あくまで戦記ですが、ファンタジックな表現も多少あります。
名前が色々出てくるので、覚えるのが面倒かとお思いでしょうが、
どうぞ楽しんで、お読みください。それでは、SHONEN-少年-第一話、始まり始まり〜♪
西暦4000年。
地球から遠くはなれた小さな星、『ヴェノス』。
そこは剣と魔法があふれていた…。
『ヴェノス』の大部分の土地は『魔法都市エルゲリア』のものであった。
その多くの人類は大人で、『バラモ』という新種の宗教信者団体だった。
大人は自分たちの私利私欲を満たすために、子供たちを捨てた。
子供たちは自分たちだけで、ある戦闘軍事集団を作り上げた。
それが『少年団』である。
エルゲリアで繰り広げられる、『バラモ』VS『少年団』の戦い。
少年団設立から50年が経ち、いよいよ『バラモ』との戦争も終焉になろうかという時、
第50回少年団入団試験が開催された。
「あーあ、今年でついに50周年か」
バンダナをつけている男が言った。
その男の名は『レトリミ・ギラレ・タイレル』。
通称『ギンタ』、今回の試験の担当であった。
ギンタは少年団の育成部上級クラスに所属している。
上級クラスは生徒ではなく、教師として主に仕事をする事になっていた。
ギンタは少年団の入り口へと向かった。
少年団は戦国時代の城のような作りをしており、
中央に『命令部室』、
そこから東に『特別捜索室』、
北に『軍事管理室』、
そして西に『育成部室』、
南には迎撃用の砦があった。
入り口は砦なので、ギンタは砦に向かった事になる。
砦には大量の受験者であふれていた。
ギンタの顔を見て受験者は「我こそを入団させて」とすがった。
ギンタはそれを相手にせず、砦を出た。
少年団の本部、
出た場所は天下の諸葛孔明もおどろくほどの土地の利がある。
北に山脈
東に大河
南西には草原が広がっていた。
ギンタは伸びをして一服していると、砦の横で意気込んでいる少年を見つけた。
それが『グラメディウス・ユエル・アルフォリア』、通称ユエだった。
「ここが…少年団……か。」
彼も、少年団に入ろうと決意していた。
「俺も少年団に入って、大刀の腕を磨くぞ!!」
「おいおい、少年団はそんな簡単に入れるもんじゃないぜ?」
「…誰ッスか?」
「俺は少年団の『レトリミ・ギラレ・タイレル』。通称ギンタだ。」
ギンタは、金髪を真上にあげてバンダナでくくっている。
「あ、先輩でしたか。すいません。」
「まだ、入る事も決まってねーだろ。しかも俺は今回の試験の担当だ。」
「え?少年団に入るのって試験なんかあるんですか?」
「…まさか知らなかったのか?」
「はい、俺の兄貴も、少年団の一員なんですけど、
この手紙を見せれば、少年団に入れるっていってました。」
そういうと、ユエは懐から封筒のような物を取り出してギンタに渡した。
「…お前の兄貴はどれだけ下っ端なんだ?」
ギンタはせせら笑って手紙を受け取った。
「こんな手紙なんかで合格できるはずがな………!」
その手紙を見たとたんに、ギンタの表情が変わった。
「ちょっと待ってろ!!」
ギンタはすぐさま駆け出し、
命令部室の最上階にたどり着いた。
最上階には「桜花天王部」と、
「少年七人隊」の部屋があった。
ギンタは「少年七人隊」の「ジュラ」の部屋に踏み入れた。
「少年七人隊」は少年団の第一の切り札で、
すぐれた身体能力を持つ七人の戦士達の称号だった。
『フレアディ・ジュレール・アルフォリア』通称「ジュラ」は、
そのなかでナンバー3だった。
「ジュラ様!」
ギンタはジュラの部屋にノックもしないで入り込んだ。
「お!ギンタか。どうした?」
「どうした?じゃ、ありませんよ!この手紙、ホントなんですか?」
ギンタは息を切らしていた。
ジュラは手紙を受け取るまでもなく、こう答えた。
「ああ、ユエか。あいつは俺の義弟だ。」
「ええ!?」
「もちろん、兄弟のよしみってわけじゃないぜ。
あいつの潜在能力は俺すら超えているからな。」
「…そ、そそそそそんなわけないでしょう…?」
「あいつは『大刀カルバトロス』を
片手で振り回すほどの豪腕だぜ?」
「!!!!???『大刀カルバトロス』ってあの、
総重量100kgを余裕で超えるっていう伝説の!?」
「ああ。俺が殺ったやつだ。」
「……!!」
「とにかく、コレは少年七人隊の権限だ。
あと、俺個人からのお願いで、お前がアイツの師匠として着いてほしい。」
「…分かりましたよ。やればいいでしょ?」
「おお!ありがとう!!」
ギンタはユエの場所へと戻っていった。
ジュラはそれを自分の部屋の窓から覗き込んでいた。
(いつか、俺と同じ少年七人隊に昇ってこいよ。ユエ。)
「…というわけで、これからお前と俺は師弟関係になった訳だが…。」
「どうするんですか?」
「そうだな。まずはお前の武器から見せてもらうか。」
「分かりました。…っよっと。」
ユエは肩にはめてあった指輪を取り出し、自分の指にはめた。
(?指輪?こいつの武器は「大刀カルバトロス」じゃないのか?)
ユエは指輪をはめている指で空中を四角くなぞった。
すると空間が裂け、中から剣の柄が出てきた。
ユエはその柄を掴み、引きずり出した。
「なるほど、その指輪は異空間収納の魔法指輪か。」
ギンタが腕組みをして思わず頷いた。
「はい。これ、背中にずっとしょってると、うっとうしいんですよ。」
ユエは剣を引っ張りだして構えた。
「これが俺の武器『大刀カルバトロス』です。」
大きさは大体大人の体くらいである。ユエの1.5倍はある。
(コイツ、本当に片手で持ってやがる……。)
「ちなみに重さは何kgだ?」
ギンタは冷や汗をかいていた。
「?何kgなんてモンじゃないですよ。100tはあります。」
「!!!?!!???!?」
「?そんなに驚く事ですか?」
「驚くに決まってんだろ!…これがか!?ホントに100t?」
「疑うなら持ってみますか?」
「い…いや遠慮しとくぜ。」
「…。じゃあギンタさんの武器も見せてください。」
ユエはギンタの背中の鞘を指差した。
「ああ、俺のは『月刀=三日月』だ。」
ギンタは背中にさしてある大きな刀を取り出した。
刀と言っても、ブーメランのような形をしており、先端には持ち手がついてある。
それ以外は全て刃になっていて、その気になれば人を容易に切り刻めそうだ。
「…お…恐ろしいッスね…。」
「まーな。ブーメランみたいに投げて、
帰ってきた物を取り損ねたら自分の手がもげるからな。」
ギンタは真顔で言っていたが、ユエは内心ひいていた。
(…想像しただけで……グ…グロイ……。)
「さて、武器紹介が終わった所で、お前の実力を見せてもらいたい。」
ギンタはそういうと、砦を出て、野原へとやってきた。
「『ベリモン』あたりならいけるか?」
ギンタは頭をかきながら言った。
『ベリモン』とは悪魔で、『バラモ』が作り出した最弱のモンスターである。
野原や荒れ地に生息していて、その数は無限大とも言われている。
最弱とは言っても、普通の人間ならひとたまりもない。
そのため、少年団の入団実技テストでは、
『ベリモン』を相手に戦うのが主流になっているのである。
「ええ、『ベリモン』ぐらいなら楽勝ッス。」
ユエは『大刀カルバトロス』を構えた。
「言ったな。制限時間はねーから、自由に狩ってくれ。」
ギンタはそういうと、笛を吹いた。
その笛の音を聞いて、一匹のベリモンが、森林からやってきた。
(…お手並み拝見といきますか…。)
ギンタは笛を懐にしまってその場を離れた。
えー。SHONEN-少年-第一話、どうだったでしょうか。
グダグダになっちゃってて正直読みにくいですね(汗)すいません。
第二話は、現在製作中です。
多分最低でも十話くらいまで行くんじゃないかな。
それでは、今後のユエの活躍に、乞うご期待!