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春の章 合縁奇縁 4

現在で三世の()()姉であるたからが登場。

あまり反りが合わない二人だが

果たして宝の真の姿とは?

新千歳空港国内線到着ロ。

キャリーケース片手に足早に出口へと向かう蛇革のピンヒールを履いた女性。

モデルのようなスタイルで一際目を引く。

キャリーケースのネームタグには 『TAKARA IKURUMI』

ケースの上に積まれた袋からは美味しい揚げたての匂いがしていた。

三世のスマホが振動する。

「おっとマナーモードだった」

車内には疲れた表情の三世がいた。

「もしもし、三世?もう着いた?」

「ちょっと前に着いた。B駐車場の連絡橋のすぐ傍、B1にいるから」

「いつものBね。もう向かってる」

ヒールの音を立てながら迷わず空港ロビーから一番近い駐車場にいる三世の車を目指して足早に歩く。

「来た、来た」

三世が運転席から外を見るとたからがすぐそこまで来ていた。

車の近くに来たタイミングで三世は車を降りて簡潔にねぎらう。

「おつかれ」

「ほんっとあんたの車分かりやすくて助かるわ」

確かに動物病院のロゴが入っているので直ぐわかる。

それに言われなくても気を遣って、いつも出口から一番近いB駐車場にとめているのだ。

「なぁ、俺にしか電話かけてないだろう」

「ばれた?」

イラッとしたがいつもの事だと思って諦める。

せめて一言「ただいま」とか「お迎えありがとう」とか返して欲しいものだ。

「荷物はキャリーケース一つだけ?」

「うん、これだけ」

三世がキャリーケースを受取り、車の後部に積み込む。

「おっ、いい匂い」

「お土産に揚げたての蒲鉾買ってきたんだけど、食べる?」

「おう、食べる」

「その袋取って」

良かった…訳の分からないお菓子じゃなかった…空港土産で安心したぁ。

宝は蒲鉾の入った袋を手に持ち早々と助手席に座る。

三世も後部のスライドドアを閉め運転席へ。

「一枚」

「はい、あんたの好きな味噌南蛮」

「サンキュー。診察終ってからノンストップで走って来たから腹減ってたんだよ」

思いっきり一口頬張る。

「うまっ」

「あー私もお腹減った。一枚食べようかな」

「何か食べてこなかったのかよ」

「私一人でご飯食べれないのよね」

「はっ?」

「さっ早く帰ろ。疲れた疲れた。ほら車出して」

「チョイ待って。これ食べてから」

急いで食べ終わらせエンジンをかける。

「もう日没か…」

ヘッドライトを付け車を出す。

ドアウィンドウにもたれて夕陽を見る宝。

美しい横顔なのだが三世はこれっぽっちも興味なし。惜しくも()()姉なので…。

「燃料代はサービスだけど高速代ぐらい出せよ。往復2860円」

三世が宝を横目に愚痴る。

「ちょっと姉から徴収する気?」

「勿論」


読んでいただきありがとうございました。

北海道が舞台の小説ですが、今年の北海道(私の住んでいる地域)は雪が少なく、

花壇からは何やら花の芽らしきものが出現しています。雑草かもしれませんが。

このまま春になるのでしょうか…。

春の章はまだまだ続きます。中々進まないので完結するのは来春かも…。

段々文字数も少なくなってきた…。

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