好きなもの語り「実力をひけらかさないヤツら編」
タイトルで挙げた要素について、いくつかの実例を上げながら語っていこうと思います。
①傾奇者タイプ
まあぶっちゃけ花の〇次の前田〇次タイプです。
最初はこの手のタイプについて語ろうかと思ったんですが、思ったより該当キャラやそういう個性が活きている状況が思い浮かばなくてですね(最近だとウ〇娘のゴ〇ルドシップくらい?)。
実力はあるけど無闇に力をひけらかさない(力を振るうこと自体には躊躇しない)所が魅力の一つだと思っているのですが、この「ひけらかさない」という点について考えると他にも色々バリエーションがあるに気付いたので、こうして色々まとめてみることにしました。
前置きが長くなりました。
で、個人的にこの手のキャラで魅力的に感じている所は「教養と破天荒の共存」と「信念に基づいた振る舞い」ですね。
一般常識や礼儀作法といった知識はもとより、人の心や情といったものも深く解している。しかしその上で好きなように振る舞う。
空気が読めないのではなく、読んだ上でどの程度まで配慮するべきかをその都度判断出来る。
真面目さも破天荒さもどちらも本気だから、本気でふざけるし命を懸けてでも自分の信念を裏切らない。
「強いからこそ自分の好きに振る舞える」というのはそうなのですが、この手のタイプはそれによる責任もキッチリ背負っているのが特徴だと思います。
あと最初は無茶苦茶な言動や行動で「なんだコイツ」と感じがちだけど、振る舞いの理由やキャラの信念が判明すると一気に好感度が増す系のキャラにもなりがちな気がしますね。
ボ〇ボボ(狂い過ぎ)、ゴ〇ゴ(おふざけが無さ過ぎ)等、能力の高さや破天荒や信念など個々の要素としては似たキャラが多いタイプでもある気がします。
やはり全て兼ね備えたキャラは少ないのかもしれない。
②昼行燈タイプ
京〇隊長とか後〇隊長とかシ〇マルみたいに、普段は頼りなさそうだけどやる時はやるタイプですね。
この手のタイプの魅力は「手抜きと本気の緩急の差」ですね。
何か事情があって無能を装っているのか、単に面倒で必要な時しか動きたくないのかはキャラや状況によるでしょうが、やはり全てお見通しとばかりに問題に対処&解決していく姿は魅力的です。
あとこの手のキャラって上層部や有力勢力に謎のコネがありがちな気もします。
この辺は過去にすごい人だった(偉かったとか特殊部隊に所属してた)とか、それに関連した縁があるみたいな設定の有無にもよりますね。
周囲の人がそれ(やる時はやる)ことを知ってるか知らないか(本当に無能だと思っている)かで有事の際の反応が違うのも良いですね。
知ってる人が「これがあの人なんだ」とか「普段もあれくらいやってくれれば」みたいになってる一方、知らない人が「あれが普段無能な人……!?」ってなってたり。
キャラクター自体の緩急は周囲のキャラの側面も引き出すものかもしれませんね。
③人格者タイプ
手塚〇光とかリヴ〇イ兵長あたりの自分にも他者にも厳しいタイプでしょうか。
この手のタイプの魅力は「圧倒的実力&人格者という完璧さ」ですね。
「普通に成長しつつずっとついて来てくれる序盤のお助けキャラ感」とも言えそう。つよい。
とはいえこの手のキャラは指揮官など人の上に立つ立場が多かったりして、それが良い感じに動きを縛ってくれる(活躍を制限してくれる)のがよく出来てるよなあと感じますね。
あと真面目過ぎて色々背負い込むタイプなこともあり、作品によってはアメコミヒーローばりに辛い思いをし続けるキャラもいますね。つまり曇らせが似合うタイプ。
④求道者タイプ
DBの悟〇とかス〇Ⅱのリ〇ウとか、主にバトル系やスポーツ系においてその作品のテーマとなっている競技などに打ち込むことにしか興味が無いタイプですね。
この手のタイプの魅力は「ストイックさ」ですね。
一つのことに打ち込むという姿勢自体が魅力的だと思いますが、その作品のテーマを通してそれを存分に味わえるのが良いです。
地力を上げたり新技を習得したり。上手くなるためだったり強くなるためだけにひたすらに全霊を注ぐ。その姿がとても魅力的。
あと興味のあること以外に無頓着だったり興味が無いキャラも多いですね。
それによって周囲との温度差で面白いことになったりもしたり。
⑤好きこそものの上手なれタイプ
越前リョ〇マ……というか子供向けホビー漫画の主人公全般みたいにその作品のテーマとなっている競技などがとにかく好きなタイプですね。
この手のタイプの魅力は「とにかくそれを好きであること」。
④と重なりますがこちらは「強くなる、上手くなる」より「好き」の比重が高い印象ですね。
あまり大きな声では言えませんが、スポーツでもゲームでもそれを上手い人は「それを好きでもいて欲しい」という想いを個人的にこっそり持っていまして。
そういう姿勢を堂々と見せつけてくれるこの手のキャラには、なんというか「希望」のようなものを感じてしまうのですよ。
当たり前と思われるかもしれませんが、この辺「小説を書く人は書くのを好きでいて欲しい」とか「絵を描く人は描くのを好きでいて欲しい」と書くと色々複雑なのが分かるかも?
SNSや配信環境の手軽さもあり、単純に好きという以外にもそれによってもたらされる実利のために取り組むなど、趣味と実益の境界が曖昧になって久しい昨今。
それでもやっぱり。仕事でないならまず「好き」ありきで取り組んで欲しいなあと思ってしまうのであります。
少し話が逸れました。
あとこの手のキャラは「好き」に比重が傾きすぎてて空気読めないことを言っちゃうことも往々にしてある気がしますね。
若さゆえの青さみたいな感じでそれによって純粋だった頃を思い出したりと、周囲にいい影響を及ぼすことも往々にしてありますが。
⑥無自覚タイプ
「また何かやっちゃいましたか?」的なのを思い浮かべるかもしれませんが、イ〇Dの藤〇拓海のように「それが異常であることを自覚していない」ようなタイプになりますね。
その特性上「生活上必要だからやっていた(やらされていた)」とか「(プロを目指させられるなど)自分の意思とは無関係に強要されていた」みたいに、そのキャラ自体はむしろ実力があることを疎ましく思っているようなことも散見されます。
なので実力的には物語開始時点で既にチート級でも、物事に取り組むにあたってのモチベや態度などについては、今まで挙げて来たタイプの中で最低クラス……というよりマイナスと言える場合もあるかも。
この手のキャラの魅力は「無自覚に振るわれる圧倒的な力」と「(主に精神的な)成長」だと思いますが、個人的には実は後者の要素がデカいんじゃないかな? と思っています。
何かしらの切っ掛けで実力を見出され、チームや個人としてスカウトされるなどしてその世界に飛び込んでいく。そして好きだったり上手くなりたい&勝ちたいといった向上心などで元々その領域で活動していたキャラ達を圧倒していく。
その過程で関わることになるキャラ達の信念や矜持に触れることで、それまで仕方なく続けていたことに自分なりの理由を見出していく。これが熱いんですよね。
その後はそれまでとは別キャラと言っていい状態になることも。
序盤は他キャラとの温度差でギスったり衝突したりしつつ、熱さや真剣さに目覚めることで徐々に実力以外の面でも受け入れられていく。そんな成長型の物語が楽しめるのも特徴かもしれませんね。
「ひけらかさないヤツら」でパッと思いつくのはこんな所でしょうか。
この中だと④⑤⑥は、お互い全く違った属性という訳ではなく、いずれか複数の要素を兼ねていたり、物語の展開と共に他の属性に移り変わっていく場合もありそう。