最近観た映画 「ゴールデンカムイ(実写)」
「ゴールデンカムイ(実写)」
いやあ良かったです。期待通りのものを見せてもらいました。
こう書くと「期待以上じゃなかったんかい!」とツッコまれるかもしれませんが、そもそも原作が最高に面白い作品ですからね。この場合の「期待通り」は映画への賛辞として使っています。
以前語ったゲゲゲやゴジマイは(物語的な意味での)原作が無い作品なので「期待以上に面白かった」となりましたが、こっちは原作という「期待」が強すぎますからね。そこを裏切らなかったのがまず凄かったです。
とはいえ観始めた段階では今までの数々の実写化が脳裏をよぎりつつ「本当に大丈夫かな……」と一抹の不安を抱いてましたが、初っ端の二〇三高地で大暴れする杉元で一気に引き込まれた&これは大丈夫だな? と安心しましたね。
原作既読勢としてはむしろ「うわ、初期杉元のこの感じ懐かしい!」「うわー杉元とアシㇼパさんのやり取りぎこちねぇ!」みたいな、原作初期と最終時点での各キャラの状態や関係性の差で混乱しちゃって、実写による違和感なんて気にしてるヒマが無かったですね。
というか各キャストがハマりすぎでした。
杉元は原作初期の気の良い兄ちゃんな状態がよく再現されてたし、アシㇼパさんはもともと歳不相応に男前過ぎたからか顔の良さと相まって全然違和感無いし、現在のイメージ通りのビジュアルな尾形が初期尾形の構えを取った時は思わずフフッとしちゃったし、谷垣は初期の細いビジュアルが再現されてるみたいでフフッとしちゃったし、鶴見中尉が見た目から言動から動きまで全部カッコ良すぎるし、まだ顔見せ程度の土方もカッコ良すぎるし、白石は白石だし。
金塊を巡る原作に沿ったシリアスな描写はもちろんコメディ描写やグルメ描写もしっかりあって、ゴールデンカムイの特徴的な部分や良い部分をちゃんと理解しつつ表現されているのも好印象でした。
そんな風に大小さまざまな部分に気を遣い丁寧に作られたであろうことが察せられる、続編を望む人が多いのも納得な素晴らしい作品でありました。
しかし(構図などで直接見せないといった工夫はあったにせよ)初期はその後に比べるとまだ健全な(?)内容だったんだなあと思いましたね。
仮に続編が製作される場合、この後加速度的に実写では表現しづらかったりレーティングが上がったりしそうな表現が増えていくけど大丈夫なんだろうか……といらぬ心配もしてしまうのでありました。




