第四話 競争
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1881年 (明治14年) 2月
親父は北海道へと渡った。これで我が世の春が来た!っと言いたいが、残念ながらそんな事は言ってられない。瀬戸内海は今、西南戦争時に増えた中、小の海運会社の経営が傾き出している。ある会社では船舶の燃料費も捻出出来なくなっているらしい。それを知った住友財閥の総理人である広瀬宰平氏が、自らを長とする海運会社の大連合を設立しようとしている。
我らが摂津海運は、西南戦争時程の利益こそ上げていないものの、それなりに儲かっているが、もしその大連合が成立したら経営が危ういと俺は考えている。何故なら、史実でもこの動きがあり、最終的にはその大連合が大連合に参加しなかった会社との競争に勝利しているからだ。
なんとかして、阻止又は大連合との競争に勝てる体制を作らねばならない。
今、俺がいる摂津海運の会議室は重い空気に包まれていた。
重役の1人である松田が手を挙げて発言した。
「副社長は何故、大連合に入りたがらないのですか?」
「簡単な事だ、大連合は暫くの内は上手くいくだろう。…だが、大連合はその組織の構造上、株主の力が強すぎる。いずれ、経営陣と株主は対立する事になってしまう。そうなれば、経営陣が何度も短期間に入れ替わる可能性がある。そんな会社は簡単に潰れてしまう。」
「なるほど、理解致しました。」
松田は俺の回答に納得したようだった。
すると次は、山上が手を挙げて発言した。
「副社長、ならば大連合に加盟しようとしている会社同士を対立させるのは如何でしょうか?」
「詳しく話してくれ。」
「はい、どんな会社でも利害というのはあるものです。なので、個々の会社の利害が対立する様に煽るのは如何でしょうか?」
「だが、それは一時的な対策にしかならんぞ?」
「ええ、なので彼らを仲間内で対立している間に幾つかの会社を買収してしまうのは如何でしょう?」
「…よし、それで行こう。経営がある程度まともな会社から買収して行くぞ。経営が酷い会社は放置しているだけで倒産するし、時が経てば経つほど安く買収できるからな。」
そうして、摂津海運は動き出した。
暫くして、市太郎達の目論見は成功し、いくつもの海運会社が倒産したり、摂津海運により買収されたりした。大連合もとい大阪商船は史実の規模よりかなり小規模な会社として誕生した。逆に摂津海運は、海運業界ではギリ大手に入る規模に成長する事ができた。
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