「突入!」
「な、な、なんだてめえらは!?」
「こちとら正式に許可を得たギリ=ハン諸国の商船だぞ! これは国際問題になるぞ!?」
「責任者を出せ責任者を……ってうああああー!?」
ジャンプ一番、敵船に飛び移った僕は、口々に叫びながら集まって来た船員3人を殴って気絶させた。
同じようにして飛び移ったジェーンは、手に持っていた縄梯子を下ろすと、皆に登って来るよう促した。
「さあここからは手筈通りに行くわよ! レザードとロレッタ、アレクとディアナはそれぞれ船員たちと一緒になって船尾から船首、操舵室までを抑えてちょうだい! わたしとアリアは船内を一掃しつつレイミアを捜索するから! 何かわかったことがあれば、船内の伝声管を使って知らせること! いいわね!?」
レザードが用立てた船に乗っていた船員たちは、すべて王国の海兵だ。
海戦にも慣れていて、武装もしている。レザードたちを任せても問題ないだろう。
「皆、なるべく怪我をしないようにな!」
それだけ言い残すと、僕は先頭を切って走り出した。
敵船員が血相を変えて駆け寄って来るのを、海兵から借りたサーベルを鈍器として扱って殴り倒していく。
「アリア様ー! こちらは大丈夫ですからご心配なさらずー!」
「アリア嬢、武運を祈るぞ!」
「どっちが多く倒すか勝負だぜ師匠! うおおおおーっ!」
「あああーもうっ! アレク! ひとりで先走るんじゃないわよ!」
応援や、僕の無事を祈る声。一分勝手に盛り上がっている奴もいるが、ともかく皆大丈夫そうだ。
「ちょっとアリア! わたしを置いて行くんじゃないわよ!」
階段を駆け下り船内へと突入したところで、ジェーンが追いついて来た。
「こんな広い船内で、あんたひとりで敵は倒せても、レイミアを探すのは大変でしょ!?」
「探す? わざわざそんなことする必要ないだろう」
「は? それってどういう……」
不思議そうに眉をひそめるジェーンに、僕は行動で答えを示すことにした。
「簡単だ。こうすればいい」
通路の角から襲いかかって来た敵船員をカウンターで殴りつけると、手を後ろに捻り上げて壁へと押し付けた。
「おいおまえ、誘拐した子供たちをどこへやった? 居場所まで案内するなら生かしておいてやる。だがもし嘘をついたり、仲間の所へ誘導しようとしたならば、その瞬間に即座に殺す。考えられるかぎり最も残酷な殺し方でな。──さあ、答えは?」
脅迫すると、敵船員は「案内する! 案内するから許してくれ!」と必死の形相で懇願して来た。
「あんたって……」
呆れ顔のジェーンだが、なあに大丈夫だ。
本当に殺さなければ、レザードとの約束を破ったことにはならないだろう。
おーっほほほほほ! みなさまご機嫌よう!
西園寺・ドンクリスティ・龍子よ!
さて、船内に突入したアリアの今後が気になる方は、下の☆☆☆☆☆で応援よろしくお願いしますね!
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