表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/93

「戦い終わって」

 ロレッタ嬢の放った凄まじい水流に押し流されたディアナは、なんともひどい有り様になった。

 魔法の杖は半ばから折れ、ドレスは泥まみれ、髪には葉っぱなどが挟まっている。


「待ちなさい……。わたくしはまだ戦えますわ……。だから今すぐ下ろしなさい……」


 担架に乗せて医務室へ運ばれて行きながらもなお負け惜しみを述べる根性はすごいが、もう勝負は決している。


 ──勝者はロレッタ様よ!

 ──すげえ、まさかの逆転劇!


 観客が総立ちになって歓声を上げる中を、僕はひた走った。

 勝者であるロレッタ嬢の元へ駆け寄ると、その細い肩に手を置いた。 


「やった……やったな! ロレッタ嬢!」


「アリア様……」


「良かった! 見事だ! 素晴らしい一撃だった!」


 僕が心の底からの賛辞を贈ると、ロレッタ嬢は頬を紅潮させて喜んだ。


「ありがとうございます、アリア様に褒めていただいて、本当に嬉しいっ。あのっ、わたし、アリア様のアドバイスのおかげで勝てたんですっ。『勝てるぞ』って、『思い切りぶっ放せ』ってっ。あのお言葉のおかげで急に力が湧いて来て……っ」


「あれが聞こえていたのか。すごいな、ロレッタ嬢はずいぶんと冷静だったんだな」

 

 戦場において、自分を見失わないというのは大事なことだ。

 相手からのプレッシャー、リスクや恐怖に支配されず普段通りの力を出すというのは簡単そうでいてなかなか出来るものではない。

 しかもセコンドのアドバイスを聞いてそれを実行出来るなんて、よほど冷静でなければ出来ないことだ。


「冷静というか……ただ必死だっただけです。わたし、とにかくアリア様のためになりたくて……」


「僕の?」


「ええ、でも今回はダメでしたけど……。実技で勝っても筆記で負けているから、これでもまだ同点で……。推薦人の立場は維持できますけど、ただそれだけで……」


 先ほどまでの興奮はどこへやら、急にしょんぼりとするロレッタ嬢。


「そんなことはない。君の頑張りは十分僕のためになっている。君は……」


「お姉さまー! ロレッター!」


 僕がフォローしようと口を開いたところへ、バタバタとレイミアが駆けて来た。

 片手に何か書類のようなものを持ち、それを左右にぶんぶん振りながら。


「レイミアか。いったいどうしたんだ? そんなに急いで……」


 そう言えば朝からいなかったな。

 ロレッタ嬢の決闘を一緒に応援するものだとばかり思っていたのに……。


「あのね? あのね? 見つけたの、しょーこっ!」


しょーこ(・ ・ ・ ・)?」


 よくわからぬと首を傾げる僕に、レイミアはぴょんぴょん跳びはねながらこう言った。


「ふせいの、しょーこっ! 見つけたの!」


「………………は?」


 あまりの驚きに、僕はしばし言葉を失った。

おーっほほほほほ! みなさまご機嫌よう!

西園寺・ドンクリスティ・龍子よ!


まさかのレイミア(ジョブ:探偵)発動!?


まさかの展開が気になる方は、下の☆☆☆☆☆で応援よろしくお願いしますね!

ブクマや感想もお待ちしておりますわ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ