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2話

 僕は先週から四人の女の子と付き合うことになりました。そして登校時はいつも四人と一緒に登校しています。登校中ずっと手を繋いでいるのは守山鈴だ。鈴は少し照れくさそうに手を繋いでいる。つなぎ方はいわゆる恋人つなぎ、お互いのそれぞれの指の間に、指を入れる繋ぎ方である。毎回のことだが恥ずかしい。周りの目が気になってしょうがない。後ろには学校のアイドルの柏倉あや、生徒会長の西園寺紫苑、風紀委員長の大谷沙織が歩いている。目立たない筈がない。学校に着いた鈴は手の甲にキスをして急いでどこかに行ってしまった。


「はいはーい、悠希くん。いつものお願いね」


 あやが手を広げてきた。しぶしぶ僕はあやをギュっと抱きしめた。周りはいつもながらざわついていた。しかし周りからは分からないだろうがこの時あやはクンクンと僕のことを嗅いでいる。それがなければ嬉しいのだけど。満足したのかあやは僕の頬にキスを落としその場から去っていった。

ざわついている人々の中を抜け僕は教室に着き席につくといきなり後ろから誰かに首を絞められた。その人物は親友の文哉だった。


「うらやましいぞぉおおお!! どういうことだぁああ!! いい加減にしろよぉおおお!!」

「く、苦しい、ギブギブ!!」

「なんでお前みたいな奴があやちゃんと付き合っているんだよぉお!! というかお前守山さんとも付き合っているだろう。他にも生徒会長や風紀委員長とも付き合っているって噂だぞ。どういう事だ説明しろ、この四股野郎がぁあああ!!」

「い、いったんコレを解いてよ」


 文哉の腕を何度かタップしてようやく解いてくれた。


「いろいろありまして…」

「あん!! いろいろって何だよ。いろいろってよぉ!!」


 文哉はそこいらのヤンキーのような話し方になっていた。他の生徒もこちらに耳を傾けているのが分かる。


「実は…」


 言おうとした時突然校内放送が流れた。


『え~、1年1組の神山悠希君。神山悠希君。いつも通り生徒会室に来てくださ~い』


 放送はが終わってその場に少しの沈黙の後文哉はそっと僕の肩に手を乗っけた。


「…悠希よ」

「…はい」

「シネ」


 笑顔で僕に吐き捨てて自分の席に戻る親友の背中を見送るのはとても辛かった。僕は心の中で土下座し急いで生徒会室へと向かった。僕は生徒会室に入ると紫苑と沙織先輩がいた。すると来客用のソファに座っていた沙織先輩が僕を手招きする。僕は内心ため息をしながらそちらに向かい座った。そしたら沙織先輩は僕を使い膝枕をしてきた。その際僕の足を触っている。


「うむ、やはり悠希の足は最高だな」

「アハハハ、ソウデスカ」

「この手触りも良い。特にこの太ももが良い」

「アハハッ、アリガトウゴザイマス」


 そんな会話をしていると紫苑が話に割って入ってきた。


「もう、そんな事より勉強でしょう。沙織も邪魔しちゃダメだからね」

「そうであったな。なるべく邪魔はしないようひと眠りしているぞ」


 この人は本当に僕を枕にするつもりだな。その間に紫苑はホワイトボードを用意してきた。そして教科書を取り出して


「さあ、悠希君。授業をしましょう」

「あっ、はい」


 あれ以来、生徒会室で授業をするようになった。生徒会長をしているからか分からないが悔しいが先生のやる授業より分かりやすい。しかしその授業が終わると僕の隣に座り機械を用意しマイクをこちらに向け、紫苑はヘッドホンを装着し


「ねえねえ、いつものお願い」

「いつもありがとう、紫苑。大好きだ、紫苑」

「きゃーーー。そんなことないわよ」


 この通り僕は紫苑のオウムとなっている。紫苑が言う言葉を僕が繰り返し言うのだ。これが中々恥ずかしい時もある。


「今度は、『紫苑、お前は俺のものだ』って言ってみてよ」

「紫苑、お前は俺のものだ」

「はあああん。お前だなんて…良いわねぇ」


 本当に辛いです。正面では紫苑には恥ずかしい台詞を言うようにせかされ、その横では僕の足の付け根からつま先まで撫でている沙織先輩がいた。この場から逃げ出したくなっていた。

 そして心待ちしていたお昼休みになりこの場から解放された僕は生徒会室を抜け出した。意気揚々と歩いて購買に向かおうとすると鈴が生徒会室の前で待っていた。


「あれ、どうしたの、鈴?」

「…お弁当作ってきたの」

「えぇ、本当に!?」

「…一緒に中庭で食べましょう」

「う、うん。そうだね」


 鈴は僕の手をひきつれて中庭に向かった。鈴は気にしてはいなさそうだったけど周りの目が痛いのは僕だけでしょうか。鈴は生徒の目も気にせず僕を引き連れ中庭に向かった。中庭のベンチに座った。


「…どうぞ」

「うん。ありがとうね」


 僕はお弁当を渡されそれを食べ始めた。鈴のお弁当は栄養も考えられていてとてもおいしいです。その様子を鈴はジーっと見ていた。


「・・・・・・」

「えっと、美味しいよ」

「…気にせず食べていて」


どうやら食べている姿より僕の『手』を見ているみたいだ。僕が食べ終わると鈴は自分のお弁当を渡してきて口を開けて待っていた。


「・・・・・・」

「あっ、分かりました」


僕は察してお箸でおかずを取り鈴の口に運んだ俗にいう『アーン』ですね。こういうのは女性が男性にするものだと思うのだが…。しかし鈴は喜んでいる。まぁ鈴が喜んでいるんだから良いかな。すると後ろから誰かが抱きついてきた。あやみたいだ


「あ、あや」

「ふふん、悠希くんみっけ」


 背後であやは僕の髪を嗅いでいた。鈴はそれにも気にせず口を開けて待っていた。はたから見たら鈴にアーンをしながらあやが後ろから抱きついているというそんな状態だ。バカップルと見られているのか、うらやましそうに見ている。ちらほら殺気立っている生徒がいる。僕は悪くないのになぁ。そんなこんなで昼食も食べ終わった。その後鈴は僕の両手を見たり触ったりはたまた舐めたりしていた。触るのは良いが舐めるのは止めて欲しい。あやも移動して僕の膝の上に乗り正面から抱きついてきた。この光景は他人から見たらどうなんだろうか。女の子達をはべらしている感じなのかな。

お昼休みも終わり午後の授業だがいつも通り僕は生徒会室に移動です。文哉からは


「オマエ、サッサト、シンデコイ」


 などの有難い暴言をいただき生徒会室に向かった。午前と同じで紫苑の授業である。それが終わると僕は着替えて体操着になり運動場にきた。あやと沙織先輩も体操着に身をつつんでおり僕は準備体操をし始めた。終わると短距離走のレーンに行き走る体勢になり、そして沙織先輩が合図をする。


「位置について。よーい、ドン!!」


 その合図と共に駆け出す。中学の時の感覚で全力で駆け、そしてゴールした。その後も何度も走った。もはや部活並みに走っていた。終わるころには汗だくで足の筋肉が悲鳴を上げていた。


「お疲れ様ぁ、悠希くん」


 あやがタオルと飲み物を渡してくれた。それを受け取って汗を拭って喉を潤していた。一息ついているとあやは僕が使ったタオルを受け取りにおいを嗅ぎはじめた。


「うひょー。やっぱり何とも言えないいいニオイだなぁ」

「………」


 少し、いやかなり引いていると沙織先輩がマッサージをしてく…。


「うおぉ。運動後のふくらはぎと太ももの筋肉がまた良い感触だな」


 沙織先輩がマッサージをしてくれています。これはマッサージです。決して沙織先輩は下心があるわけがありません。鼻血も出ていません。沙織先輩はねっとりとマッサージをしていた。途中からあやが背後に回り僕のにおいを嗅ぎはじめた。なんだろうこの状況は…。

 一通り彼女達は堪能して満足したのか僕を解放してくれた。僕は更衣室で着替えた。更衣室を出てくるとあやがニコニコしながら待っていた。そして手を出して


「はい、悠希くん。体操着を頂戴な」


 僕は無表情で体操着を渡した。あやは嬉しそうに受け取りニオイを堪能し始めた。あやが嬉しいなら良かったよ。うん、この頃は良かったと思うことにしています。そして僕達は生徒会室に向かった。

 生徒会室に紫苑と鈴が待っていた。鈴は少しソワソワして僕の方を見ていた。そして僕は鈴の隣に座り鈴の頬を触り始めた。頬から耳、唇、オデコ、髪、と顔全体を触っていた。それを鈴が満足するまでやり続ける。その際あやが背後で僕のことを嗅ぎ、沙織先輩は僕の両足に挟まれた状態で足を撫でたりしていたり、紫苑がフリップで書かれている台詞を僕が喋るというとてつもなく変な状況でもう色々と疲れる。四人全員が満足する頃には僕の精神はボロボロである。これが大体の一日となっており平日はだいたいこんな感じだ。なんてこったい。

 解放され僕が家に帰るころにはもうへとへとだ。


「…ただいま」

「あっ、お兄ちゃんおかえりなさーい」


 出迎えてくれたのは妹の未希だ。中学2年生で吹奏楽部に所属している。僕の可愛い妹だ。妹の為ならなんだって出来るさ。


「ただいま、未希。今日の夕飯はなに?」

「えへへっ、今日はお母さんと一緒にカレーをつくったんだよぉ」

「へえ、すごいな、未希。楽しみだな」


 僕は先にお風呂に入ることにした。なんかもういろいろあって汗でべとべとだから早くさっぱりしたい。

 入浴後さっぱりとしていい気分で出てきた。食卓に行くと夕食が並ばれていた。お父さんは今日は夜勤みたいでまだ帰ってきていない。先にいただくことにした。


「「「いただきます」」」


 カレーが美味しくてご飯が進む進む。今日も色々あったが夕食の時間が癒されます。僕が噛み締めていると未希が


「どう? お兄ちゃん?」

「うん、本当に美味しいよ」

「良かったぁ。ねぇ、お母さん」


 そんな家族の会話で学校であったことは吹き飛んで……いて欲しいです。僕は食べ終わり洗い場に食器を置き僕は自分の部屋に戻って宿題をすることにした。宿題は紫苑から出されたものだ。やらないと紫苑が望む台詞をずっっと言う事になる。それだけは避けたい。僕は黙々と宿題を終わらせていった。その時僕の電話が鳴った。誰だろう?


「はい、もしもし。悠希です」

「もしもし~。紫苑です」

「…あぁ、何でしょうか?」

「もう、私達恋人同士なんだから連絡を取るに決まっているじゃない」

「ソウデスネー」

「ところで宿題分からないとこはないかしら?」

「それなら大丈夫です。紫苑のおかげで……」

「きゃ~~、耳元で『紫苑』だなんて反則よ~~」

「あっはい。さいですか」

「でも分からない問題がなくて良かったわぁ。あとでPCとかの機材を渡してワンツーマンでオンラインで家庭教師みたいなこともしたいなぁ。あぁ、でもそれだと耳元で紫苑をずっと聞くことになるわね。私の身が持たないわぁ」

「…はぁ、そうですか」

「それじゃあ、また明日ねぇ。おやすみなさい」

「おやすみなさい、紫苑」

「きゃ~~」


 僕は電話を切って宿題の続きを始めた。いろいろあったがようやく宿題が終わった。背伸びをしてやっと一息ついた。終わったのでベッドに寝ころんで漫画を読んでいると扉のノックの音が聞こえた。


「はーい?」

「お兄ちゃん、入って良い?」

「あぁ、未希? 入って良いよ」

「わーい」


 本当に自慢の可愛い妹だな。入ってきた未希の姿は可愛らしいパジャマ姿でそれも良い。未希はニコニコ笑いながら僕の横に座ってきた。本当に可愛いなぁもう。


「お兄ちゃん『いつもの』良いかな?」

「もちろん良いよ。可愛い妹の為だ」


 僕はお腹を出して準備をした。未希はお腹めがけて抱きついてきた。僕のお腹を触ってきている


「はぁあ~。お兄ちゃんのお腹は最高だよ」

「そうかそうか。少し照れるな」


 未希は昔から僕のお腹を触ってくる。それこそ未希が幼稚園のときからだ。泣き出した未希も僕のお腹を見せれば泣き止んで抱きついてくるぐらいだ。それぐらいなら僕は喜んでお腹を出そう。未希の手つきにだんだんとくすぐったくなっていた。


「ふ、ふふっ」

「どうしたの、お兄ちゃん?」

「少しくすぐったくてな。未希はお兄ちゃんのお腹のどの辺が良いんだ?」

「触り心地がいいよねぇ。特にへそが良いよね。可愛い」

「そうかそうか。未希が喜んでくれて良かったよ」


 未希は僕のへそのしわまで見て触って堪能している。恥ずかしいという気持ちは起きないなぜなら兄妹だからね。未希は満足したみたいで離れる際僕のへそにキスをした。これも恒例となっている。


「ふうっ、今日もありがとうね、お兄ちゃん」

「はっはっはっ、妹の為ならこれぐらいどうってことないよ」

「それじゃあ、おやすみ、お兄ちゃん」

「おやすみ、未希」


未希は部屋から出て行った。時間的にも就寝しても悪くはないだろう。僕は鼻歌交じりに歯磨き等をする為一階に降りていった。明日も憂うつだが頑張っていこう。

*****

今日もお兄ちゃんのへそを中心にお腹を味わうことが出来た。お兄ちゃんは私には甘いからどんなことをしても許してくれる。…でもこの頃お兄ちゃんのお腹回りがシュッとして少し筋肉がついてきたのかな。それはそれで触り心地がいいけどね。でもまぁ、なにがどうあれお兄ちゃんのお腹は私のものに変わりないけどね。


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