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デモンズ・スミス-魔王の刀鍛治-  作者: ウッチーG
第2章─究極魔刀編 ─
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第五十五話 旅立ち

ファ○キルとタ○タメもやり始めたら、全く書けなくなってしまった!?

まぁ、そういう事もあるよねー 

でも、ガチャ運が大爆発してヤバいんだなコレが!

 キハーダが飛び去った後、デルフは悔恨し、自分の技術の至らなさを痛感する。

 そして、打ち拉がれ壊れた工房の残骸の中、禍々しい刀の前にちょこんと座り込む。


 馬鹿だった、本当に愚かだった、ただの小悪魔が魔王様に認められた事で慢心していたのかもしれないと、それはほんの数分だが、デルフには何年もの歳月を経たかの様な感覚、何よりも欠落感を感じている。


『おい!デルフ聞いているのか? 俺は腹が減ったぞ!お前がそう(・・)仕上げたのだから、何とかせよ!』


 ずっと、聞こえる幻聴(・・)これは武器の声では無いと、そう思いたい何故ならこんなにも鮮明に耳に届く事など今まで無かった。

 いつもは脳に焼き付く様な感じだった……でも……これでは本当に、この魔刀は、そしてこの声は━━━━━


「なぁデルフさん、一体何がいけないだ? オレは、今、途轍もない代物を目の当たりにしてるこれは間違い無い事実の筈、なのにアンタのその面は今にも死にそうだ……」


 ランボーの声により、はっとデルフは現実に引き戻される。 そこには不安そうな顔でデルフを見つめるオカシラの姿もあった。


「あ、お二人には聞こえ無い……ですよね。見た目は完璧ですよ。それはもう確かに二度と作る事の出来ない究極の刀です。 でも、空腹だと……いや、この魔刀には必要な魔素(リソース)を貯めておく事が出来ていないのです! 魔王様が、この極位天魔刀を握れば直ぐに気付いてしまわれる筈です!!」


 デルフは今にも泣き出しそうな顔をして、オーガ達に説明すると何やら決心した様に、吹き飛んだ工房の残骸に転がるシルフィードの前に立つ。


「一緒に着いて来てくれるかい?」


『ふん、なによ、私を誰だと思っているの!お父様の最高傑作よ!私が側に居なきゃデルフは即死確定よ!』


「ははは、やっぱりはっきりと聞こえる綺麗な声だ……シルフィード、君にボクの命を預けるよ。」


『あ!またボクって言った!カッコ悪いから止めなさいって言ったわよソレ!!』


「ははは、ごめんよ。 え……この声は……良かった、其処に居たんだね!」


 デルフの向かった先、其処に転がるのは小さな短剣、デルフが最初に鍛えた短剣だった。


「アトレイユ!!魔剣でも無いのに君の声も聞こえるよ! お父さん何て止めてよ、へへへっそうだね! ボク、あっ!ごめんってばシルフィード、でも、もっと勉強して極位天魔刀を完全にしないといけないよね。」


 デルフはシルフィードを魔絹の紐で背に縛り、腰布に短剣を刺した。

 それを見た二人は、何かを悟ったかの様に暗い顔をしている。


「行くのかい?」オカシラが尋ねる。


「ええ……他のオーガの皆さんにも、よろしくお伝え下さい。あーあと、言いづらいのですが…………」


「何だ!早く言えよ。」口調は強いが、ランボーはどこか元気が無い。


「その~、ボクの、あっ!おっオレの戸棚に、これから作る予定だった魔武器の設計図が入っているので、その作製を皆さんに引き継ぎたいのですが……」


「やはり、長くなるのかい……」いつもデカい、オカシラの声が小さい。


「ええ、まず、ガルシア師匠の言ってた国『ホムラ』に行ってみたいと思います。 それでも、ダメならW・Wと言う人を探してみます。」


「おっ、おいおい! ホムラに行くのはともかくだ、W・Wってのは人間じゃねぇか!あっ、いや、何でもねぇ!こっちは任せて行って来な!!それで良いよなお前も」っと、オカシラはランボーの肩に手を置いた。


「……必ず帰って来いよ、教わりてぇ事はまだあるんだ!!」ランボーが怒鳴る。


「ハイ!必ず!」


 そう言うと、デルフはボロ布をフードの様に深く被って足早にヘルガルディオ城の外へ出て行った。


 それから、数時間の時が経ち、魔王軍の新たな拠点、赤々と輝く鮮血結晶城『ヴァンディダラム』似て合流したベリルが魔王共に帰還した。


 ベリルはデルフの様子を見に工房に訪れると、直ぐその変わり果てた姿についての説明をオーガ達に求めた。


「何!?デルフが出て行った!! イヤ、しかし今はすぐにその完成した魔剣、いや魔刀を持ち運べる様に支度をしろ。魔王が待ち兼ねている。(デルフが居ないだと、一体何をしておるのだルギナは!!)」


 ベリルは、視線の先で紫色に揺らめき殺気を放つ刀に、僅かに顔を引きつらせる。

 

 ベリルは謁見の間にて、魔王にソレを献上するがその息は何故か荒い。


 その魔刀はベリルでも魔絹を何重にも巻いてやっと持てる様な物だった。


 ガルディオンはベリルからデルフの話を聞くと「何!?」と声を上げたが、そのまま直ぐに魔刀に手をかけ、巻き布をほどいていった。


「そうだな、この屈折性はスピネル! そして、タンザナイトの様な多色性持ち、時折魅せる深淵を覗く様な濃紫色はアメジストよりも遥かに美しい……(アレから色々な魔晶石や魔鉱石を調べたからな!良い表現だろベリル)」


 ベリルはとても辛そうで魔王の話に反応できない。


「そして、何よりもこの計り知れない引き込まれる様な力、まるでこの俺の魔素を喰らう様だ。確実にこれまでの二振りとは違う……試すか?」


「試す、と言いますと?」息を荒く吐きながら言葉を振り絞る。


「ああ、とりあえずデルフを追うのは後にする。 確か、竜種を密猟している輩がいると報告が入っていたな! そいつらの居場所は調べ上げているのだろうな、ベリル!」


「は!ドラクヘルゼ王国という人間の国に御座います、如何致しましょう。」


「そうか!ドラクヘルゼか!あの怠け者の黒龍(ニーズヘッグ)から、剣を奪った奴の国、フッフハハハハ!丁度良い面白いじゃないか! 神話を超えるかどうか、なぁ、ベリルそう思うだろ。」


「は!直ぐに動かせる者を用意致します。」


「そうだな、それはお前に任せる。 それと、ルージュと爺さん今回は呼ばなくていい。 だが、ザナドゥは連れて来てくれ。」


 深く、頭を下げるとベリルは足早に謁見の間を出て行った。




 

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