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デモンズ・スミス-魔王の刀鍛治-  作者: ウッチーG
第2章─究極魔刀編 ─
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第四十三話 作業開始!(2)

 

 デルフが入った部屋には、何に使うのか色々な機械が数台並んでいる。


 この機械達はタリタアーリアの大戦時に人間の町や村から気集めた戦利品をガルシアが改良を加えた、工作機械(マザーマシーン)測定機器(メジャメント)

 

 デルフは冷凍庫(フリーザ)の前に来るとそこで立ち止まった。


「さて、シアン様が捕まえた人間は完全な冷凍保存がされているから最後に回すとして、まずは魔素中毒症(ディーパー)になった人間からかな? 時間が経ち過ぎると血が硬くなり上手く血抜き出来なく、またそれに伴って不純物の分解が出来なくなって素材として使えなくなるから……」


 ぶつぶつ呟きながら、冷凍庫の様な機械のドアを空けるデルフ。


「ん?アレ?あの人間がいない!えっ!?何で?」


「おい、お前!」


 デルフはその声に驚いて後ろを振り向いた。


「うわぁ!?ビックリした! 居たんですか!ランボーさん、角が抜けるかと思いましたよ。」


 ━━━━角が抜けるとは角を持つ魔族や悪魔が驚いた時に使う言い回しである。━━━━


「ずっとお前の後ろに付いて歩いてただろうが! 本当にお前は武器の事を考えていると何も見えてねぇのな……まぁ、いい!それよか、あの人間ならもう血抜きして、プシュケルターラーにかけてある。 もう魂塊(プシュケー)が出来てるんじゃないか?」


「えっ?、ランボーさん!あの機械の使い方、知っていたんですか?」


「昔、ガルシアさんが使っている所を見せて貰った事がある、まぁそこに説明書もあるしな! なんだ!勝手に使ったらいけねぇか!!」


 ガルシア製の工作機械や測定機器はガルシアしか使う事がなかったので、説明書など必要ないが几帳面なガルシアは事細かく作業内容をメモして置いてあった。


 ドヤ顔で腰に手をやり上機嫌に胸を張るランボー、だが直ぐにいつも通り怒り出す。


「えっ、いや、血を抜くのも手間がかかり面倒くさいですし、魂塊(プシュケー)の精製には五時間以上はかかるので、今日も徹夜かなと思っていたので助かりますが……(いつもガサツなランボーさんの作った魂塊(プシュケー)……大丈夫なのだろうか?)」


 デルフは一念の悩みを抱えながら冷蔵庫の前から離れ、ランボーと一緒にフラスコの様なモノが4つ付いた機械の前に立ち、赤黒い汚れがこびりついたフラスコの中を覗く。


「すっ、凄い!スゴいですよランボーさん!! 完璧です!完璧な魂塊(プシュケー)です♪」


 デルフは一つのフラスコを機械から取り外すと透明な皿の上でフラスコを傾けた。 黒々とした砂の様なものがキラキラと輝き透明な皿の上に落ちていく。


「そっ、そうか……当たり前だろ!! 俺だって生半可な覚悟でガルシアさんを追って来たんじゃねぇんだ!」


 口調は終始キレているものの、ランボーを表情はその逆を示している。


「でも、魔素が分解しない様に血を抜く事も、魔素が抜けないように、この容器の中を真空にする事もかなり繊細で難しい作業な筈なので、ガサツなランボーさんに繊細な魂塊(プシュケー)が作れるのか?と疑っていましたが、凄く驚きました!」


「おい!ガサツ(・・・)がなんだって!!」


「あわわ、すみません! いて」


 デルフはこれでもかと言うほどランボーを素でヨイショして直ぐ、これもまた素で失礼な事を言い、ランボーの鉄拳制裁が飛ぶ日常の光景の後、デルフは急に真面目な顔になり魂塊(プシュケー)を人差し指と親指で一摘まみして、別の皿に移し替える。


「それでは、この人間の加護を診ますね━━━━」


 デルフは皿ごと印刷機の様な機械に嵌め込むと、ガシャガシャガシャと音なって数分後、機械の後ろから羊皮紙(スクロール)が飛び出て来た。


「やった!ゴーレムを動かしてから、おそらくそうだろうと思ってました!! 支配系統の加護『誘導操作(マネジメント)』これが有れば自動照準がおそらく可能に……あとは銃身(バレル)全体に取り込むか、銃口(マズル)に集中して砲撃を制御するかだけど……」


「おい、ブツブツ言ってねぇで他に手伝うことはねぇのか?」


 デルフはランボーに冷凍保存されている人間の魂塊(プシュケー)もお願いする事にして、次の作業に移って行った。



 ~3日後~


「よし、いけるきっと上手くいく!集めてもらった魔鉱、魂塊(プシュケー)にした誘導操作(マネジメント)鉄血(ブルートガング)さえあれば、銃口(マズル)にマネジメントを集中して威力を殺さず自動照準を可能に!更に撃った相手の血を硬め自動装填を可能に!! うん♪これなら最強の武器と言って良い筈! 後は型の完成を待つだけ、えっへへへ♪」


 デルフは自分の考えた魔銃(リーガン)を思い不適な笑みを浮かべている。


「おいおい!かなりキモいぞ、デルフの旦那」


「うわぁ、オカシラさん!? あっ!皆さんも、っということは……」


「おうよ!準備は出来てるぜ!」


 それから、デルフ達の魔銃(リーガン)作製は三週間を要するに事になった、何に時間がかかったのかと言うと、フレームとシリンダーの研磨だった。


 それは、アダマンタイトはとにかく硬いので削る量は最小限にした筈だが、凹凸の関係でムラもあり、更に加工の際に発する熱により約0,0005mmの誤差が生まれる為に1日0,03mmしか削ることが出来なかったためだった。

 

 わかる方もみえると思いますが、本当は作業開始!(3)までの構成でしたが最後の文章でかなりまとめました。 


 本当は砂型にアダマンタイトを流し込む所や、何故1日0,03mmしか削ることが出来ないかの理由をデルフが楽しそうに呟く所などがありましたが申し訳ないですm(__)m


 さあ!次回は魔銃(リーガン)の完成、ここからはかなり話が広がって行きます……書くの大変だなぁ~(。>д<)

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