表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
デモンズ・スミス-魔王の刀鍛治-  作者: ウッチーG
第2章─究極魔刀編 ─
39/56

第三十九話 紅き地獄


「あっいえ、ヴァンパイアロード様の魔武器につきましては構想中の段階でしてどのような武器にするかは決めましたが、まだ素材の確認と、集めた素材にどの様な力があるか把握が出来ていないので暫く完成まで日がかかるかと、また足りない素材があれば回収に行かないと……ライオット様の武器の作成はもちろんヴァンパイアロード様の武器が仕上がってからにしたいと思っています。」


 ふ~ん、という感じで工房内を見渡しヴァンパイアロードが口を開く。


「それは当然ね、少しからかっただけよ♪ 私も百年もの長い間ずっと思い悩んで来た事がそんな簡単に解決するとは思っていないわ。 でも、アレを観ていた者が全員押し掛けて来ていても可笑しく無いとは思っていたから、ちょっと拍子抜けね。 小悪魔(インプ)に頭を下げることが許せなかったのかしら? そう考えられば、あのボス猫はまだ見所があるわね。 今度、アイツで遊んでみようかしら、ねぇデルフ?」


 ゆっくりとデルフに近づき、心の無い微笑みを浮かべるヴァンパイアロードにデルフの背筋がゾッとする。


「さあ、それじゃあ行くわよデルフ。」


 そう言うと、ヴァンパイアロードがデルフの手を握る。


「えっ!?行くって何処にですか?」


「決まっているじゃない、私の館よ? 私の得意な属性を聞きたいのでしょう? それに私の為に作ろうとしている武器の事とか聞きたいし。 ほら、行くわよ!」


「ちょっ!ちょっと!待って下さい! 魔王様に一言、言わないと、後オーガの皆さんにも!」


 見た目は、6才くらいの美少年と12才くらいの美少女が何処へ行くかでケンカをしている微笑ましい絵だが、そのパワーバランスは歴然でデルフは外へと引き摺られて行った。


「私は元々魔王よ。 もう、魔王に何の魅力も感じ無いけど。 デルフ、貴方は魔王(・・)鍛冶士(スミス)なのでしょう? では貴方は私のモノでもあるのじゃない?」


「ヴァンパイアロード様が元魔王!? いいや、それとこれとは関係無いかと、魔王様に聞いてみないとそれは……(魔王様以外に魔王がいた何て知らなかった!)」


「私が魔王だった時の事は北の大陸(ノースデルム)では童話にもなってるみたいね。 確か、『水晶と吸血鬼』って題名でね。 ハァーでも、あれは駄作ね。 爺の話だと大分都合の良いように歪められていようね。」


 ヴァンパイアロードはデルフの話など耳にせず、かってに話を進めている。


「え?あっ!それは読んだことあります! 水晶の聖剣を持った勇者が強大な力を持って人間を支配しようとする吸血鬼、紅き地獄(スカーレットヘル)を倒す物語ですね!」


「そう、そんな話みたいね。 でも、私は人間などにこれっぽっちも興味は無かったわ、そして何より勇者は男では無く女よ! クゥーは私が半壊した北の大陸のオルディルーエ帝国、その第三王女にして、私の愛しい真の勇者、 彼女こそその加護(スキル)により私を半身を消し飛ばした唯一の存在……」


「っと言うと、吸血鬼のモデルはヴァンパイアロード様で、水晶の勇者は女の人だったのですか?(そう言えば、魔王様がヴァンパイアロード様の事を紅き地獄(スカーレットヘル)と呼んでいたっけ。)」


「続きが気になるだろぅ?っと!いうわけで連れて行くわ。 リポートを使用するとあの上位悪魔(デーモン)に気がつかれそうだから歩いて行くわね。」


「えっ?どういうわけで、ですか?ちょっと困り━━━」


 その速度は高速、いや音速、あるいは更に速いのかもしれない。 デルフはヴァンパイアロードに抱えられて、景色すら追い越しそれに伴う強風により口をあわあわさせながら、目も瞑りたくても開いて来る気を抜けば頭ごと持って行かれそうな状態におかれていた。


「フフッ着いたわよ、デルフ。 爺、客人よ!、魔茶(リーティ)でも出してあげて。」


 魔茶とはオーバーケイルで取れる魔素を多く含む、お茶に適した葉を煎って淹れられるお茶、その甘くて強い香りと深みのある味わいは紅茶と良く似ているとされる。


 デルフは館の前に着くなり、ドサッと雑に地べたに降ろされる。 その目は強風により乾いて暫く開く事が出来ず、口も開き続けたままだったので喉が渇いてカラッカラだ。


 そんなデルフを置いてヴァンパイアロードは館の中に入って行くと、爺と呼ばれているヴァンパイアが出て来てデルフを担ぎ上げ館の中に連れて行った。


「御客様、貴方は運がいいですな。 今日の魔茶(リーティ)はとても薫り高い『リーズナの新茶』で淹れたものです。 御嬢様の為に(わたくし)が摘んで来たものですが是非味わって頂きたい。 小悪魔(インプ)でこれを口にするのは貴方が最初でまず間違い無いでしょう。」


 デルフでも分かるその殺気、それはデルフ担ぐ執事だけからでは無く、館の中にいる悪魔貴族(イービレット)達からも感じられる。 もう、目を開ける事が出来る筈だがデルフは開けた瞬間殺されそうでヴァンパイアロードが待つ部屋入るまで目を開ける事が出来なかった。


「さあ、デルフよ! お前の作ろうとしている魔武器について聞かせ貰おうかしら?」


 執事にソファーへ降ろされると、ヴァンパイアロードの声がしてデルフは目を開ける。



 50話になったら、キャラのまとめでもしょうと思います。


 地図とかも描きたいな~とか思いつつ、絵心無いので諦め気味です。 とりあえず、この世界の大陸は、世界地図でいうとアメ○カ大陸が無い状態で縦長の大陸が広がり、ちょうどど真ん中が暗黒大陸で北の大陸と南の大陸に分断されている感じです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ