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デモンズ・スミス-魔王の刀鍛治-  作者: ウッチーG
第1章─魔刀作成編 ─
34/56

第三十四話 インデルバル終焉

 デモスミは最初から最強を中心にしたストーリー展開にしました。


 ただ、ガルディオンやウィルザードに加え、後もう一人だけ強キャラを二章『究極魔刀編』の何処から入れて、三章『六大宝剣編』で活躍する予定です。


 キャラクターの容姿や装備、スタンリーが死に際に得た加護スキルとか、王妃フィオレンティーナとカンザスは姉弟(きょうだい)とか、スタンリーが王国騎士団の時の隊長がリングス侯爵だったとか、魔法騎士(ソーサルナイト)とライオットの闘いとか、リフ・ラーイングの魔導機兵の操作方法とメリューサとの闘いとか、ハショり過ぎてもう上手く修正する自信はありませんので、エンディングまでこんな感じで書ききってから修正するか考えます。


━━━━インデルバル正門前━━━━━




 魔王が放った斬戟は砂塵となり、まるで掌の様に広がりインデルバルを包み込んだ。


「これは一体、あの魔力を浴びてワシはまだ生きているのか?」


 リングス侯爵は砂埃が舞い視界が悪い中、自らの身体に異常が無いかを確認する。


「まだ、身体も動く! 化け物がぁっ、速く民達を避難させねば、一先ずマグナの元へ! リポぉっお、うっぐぅぅと、ぐっはぁああ」


 リングス侯爵の身体が突如激しい痙攣にみまわれ、リポートの魔法も口が上手く動かずに使え無くなる。


(何だ、これは!?毒なのか、まさかスコルピオンマスクを貫通したとでもいうのか!! 嫌これは皮膚からなのか、ウィリアムが手掛けた神聖属性を宿す王国騎士のミスリルメイルをか!?更にワシのは特別製、この鎧を貫通するなどあり得ん!)


 リングス侯爵はガクガクと震えて、最早立つことさえままならない、次第に口から泡を吹き視界も見えてはいない。


「そっ~りしゅ、るぅぅうえ、おぉ、ずまなぃ(ソリューシャ、ルエル、すまない)」


 リングス侯爵は最後に娘の名を呼び、息を引き取った。 同時にインデルバル全体で同じ症状が現れていた。家や店の中で眠っていた国民達も同様、マグナ、アルスも息を絶えた。


「何だ?何が起こった?(リングス)は死んだのか?むっ!これは!?」


 ガルディオンはリングスが急に悶え苦しむ様子を見ていた、そして砂塵は徐々にインデルバルを中心に周り始め何時しか巨大な砂嵐と化した。


「おっ、おぉぉぉ!何が起こっているのか分からんが、これがイルガディスの斬戟、砂一粒一粒が毒!呪詛(カースド)の力か!!」


 砂嵐はインデルバルの建築物を削り取り、インデルバルはほんの数分で見る影すら無くなった、その砂嵐からは次第にスパークも弾け飛び更に巨大になって行く。


「これは、俺も此処にいては不味いな!フッ、フハハハハー、さすがはデルフ! フィンクスの『砂圧の雷渦(スィングル・トゥルビオン)』に似ているか?何というサプライズ!!俺の創造(イメージ)をも超える魔刀を造るとは! そして、何よりイルガディス、ハッハハハー、砕けいない!砕けていないぞぉおおーー♪」


 ガルディオンは両腕を大きく広げ、又しても一振りで一国を飲み込んだ今までに無い爽快感に酔しれる。 そして、何より悲願であった『自分の武器(イルガディス)』を手にしたという紛れもない事実に歓喜し笑いながら、皆が待つタリタアーリア大平原の地へ飛び立った。



━━━━タリタアーリア大平原━━━━━



 皆がインデルバルに釘付けになり、急に起こった砂嵐は強大な魔力を帯び大きくなる。


「何よ!アレはどんどん魔素が吸い寄せられて巨大化しているじゃ無いの……フッフフフ、認めるは確かにこんなモノは今まで見たことは無い。」


 ヴァンパイアロードの殺気が消えていく。


「御嬢様、アレは些か危険に思えます。 直ぐに館へ御戻り下さい。」


「爺か、良い! 水を指すな、お前は影にでも入っておれ。」


 何処から途もなく現れた、白髪銀目のタキシードの様な装いヴァンパイアは爺と呼ばれるには見るからに若く、主の言葉に軽く会釈をして影に消えて行った。


「ガッハハハ、コイツは凄い、凄いぞ!あの金と黒の斑なブレードの力もあるだろうが、アークデーモンにこのような創造力があったとは少し驚いだぞ!」


 タイタニスは上機嫌にその光景を称賛する。


 魔王軍や魔軍将達は片時もインデルバルから目を離さず立ち尽くす、それは最初砂遊びと皮肉っていたメリューサも、そこにはいない離れた場所で見ているヴィーナスやウルスズも同様に。


 っと、ガルディオンが皆の元へ現れる。 すると、デルフは仕分けの手を止めて直ぐに振り向きイルガディスに目を向ける。


「イルガディス、お前、まさか……」


 デルフはイルガディスの声を感じ取った。その顔色は悪く額には汗が滲み出る。 


「ハッハハハハー、どうだ!観たか!!最初は俺も全くイメージ(・・・・)と違ったから不発かと焦ったが、この力!お前達を呼んだ理由がわかったか! ハッハハハハーーー♪」


「ええ、私も危うくガルディオンの手下を皆殺しにするところだったわ。 まあ、一時間耐えることが出来るかも興味があったけど、アレに付いての説明の方が興味があるわ。 っで、それは私にも使えるかしら?」


 ヴァンパイアロードは魔刀について興味が湧いたようだった。


「イメージと違う?あり得ん!? この世の魔素は全て揺るぎのない創造(イメージ)によって構成される! イメージとは、つまり術や技の基盤!土台であり柱である!! 大気中の魔素の濃度により威力や範囲が広がることは稀に起こるが、それが全くの別物になるなど決してあり得ない!! 小悪魔!お前は一体何を造った!!!」


 さっきまでの上機嫌は何処へやらタイタニスは怒り、デルフは指を差し叫ばれ、一瞬イルガディスの声を忘れてビクッとする。


「そう、焦るなスカーレットヘル!そして、ジジイは何をそんなにキレている? まずはデルフに感謝を伝えねばな! そして、この景色を観ながら聞こうじゃないかデルフの話を!」


 ガルディオンはデルフにこちらへ来いと手招きをする。


「あっ、あのぅ……魔王さまぁ……」


「何をモジモジしている!ほれ、スカーレットヘルがお前の話を聞きたがっているぞ!」


「えっ!ああ……そう、そうですか?」


 デルフはイルガディスについてガルディオンに話がしたいが、急に振られた話に中々切り出せない。


「おい、小悪魔、デルフと言ったか? どうやって魔刀(アレ)を作った?」


 ヴァンパイアロードの問いに憤怒していたタイタニスも耳を傾ける。


「はっ、はい、まず、名前は金剛哭刀イルガディスと言います。刀とは極東の島国『ホムラ』発祥の剣で金剛とは硬い、哭は鳴き叫ぶと言う意味です。イルガディスはそのままの意味で全て合わせると『鳴き叫びひれ伏すは真なる魔王の硬き剣』という意味でつけました。 魔軍将フィンクス様の素材を生かして土属性(アースド)に特化して仕上げました。 なので恐らくフィンクス様が得意としたといわれる砂塵系統の斬戟になったのかと、後もう一つ手を加えたことがありまして、上手くいっていれば砂塵を浴びた者は何かしらの毒を━━━」


 デルフの話の途中でガルディオンが間に入る。


「確かに!! インデルバルの人間は悶え苦しみ死んだ……ちょっと待て!俺が当てよう!!あの毒はナーバスのモノだな!どうだ!当たっているだろう♪」


 ガルディオンはとても弾んだ声でデルフに答えを問う。


「ちょっと、ガルディオン! クイズをするなら後にしなさい。デルフ!お前も話が長いぞ!!」


 ヴァンパイアロードは休止浮かれているガルディオンに苛立ちを覚え、デルフに当たる。


「ヒィ~、はっはい、毒は上位混合獣(アンフィスバエナ)のナーバス様の物で間違いありません。 そして、イルガディスは魔王様に合わせて反りや丈、束を作っています。 ヴァンパイアロード様がイルガディスを魔王様と同等の威力で使うのは不可能かと思われます。」


 デルフは答えると怯えて深く頭を下げる。


「そうか……なら本題に入ろうじゃないか! デルフよ!高火力で正確無比な七発ほぼ同時に魔力を放出出来る武器を造る事は可能か?」


「うん?何だ?お前、イルガディスの話をしているのでは無いのか?」


 ガルディオンは何の話だと、首を傾げる。


「えっ!あっはい、正確な照準をコントロールできる加護(スキル)があれば、後は火力を上げるなら得意な属性を教えて貰いたいです。 素材が足りるかも気になりますが、あと一つ聞いていいでしょうか?」


 ヴァンパイアロードは最上位である自分を前にして、いとも容易く出来ると口にした小悪魔に少し驚いている。


「ええ、良いでしょう。 造れると言うのであれば、デルフ!お前の望むモノ、必要とすること、全て私が何とかしよう。」


「いや、何かが欲しいとかではなくて、ヴァンパイアロード様は武器を使う事は出来るのでしょうか?」


「フッフフフッ、ええ、私はガルディオンとは違うはそこのザナドゥも剣を振るえているでしょう?」


「ほっ、それなら大丈夫だと思います。」


「おい、何を勝手に決めている!デルフは俺の鍛冶師(スミス)だ!確かにお前にもデルフの武器をくれてやると言ったが、まずは魔軍将達の装備を揃えてからだ!」


「そう、でも私がガルディオンの傘下に入るというのなら、その優先順位も変わるのではなくて?」


「何!? やることがあるとか何とか言って断り続けてきた、お前さんがこうも容易く軍門に下るか!どういう風の吹き回しかな?」


 ヴァンパイアロードが自ら魔王軍に入る、ガルディオンの軍門に下ると言ったことにザナドゥも驚きを隠せない。 


「おお、そうか!! これで暗黒大陸(グリムデルム)の統一にはジジイ!お前の火山と、黒龍の渓谷だけだぞ!ハッハハハハー」


「…………。」タイタニスは腕組み目を瞑る。


「ガルディオンまだ話は終わって無いわ、私が魔王軍の入る条件として今回集めた素材を全て私の武器の為に使いなさい!! 武器の作成に失敗すれば魔王軍は潰す。 デルフが私の望む武器を完成さしたのならオーバーケイルは魔王軍に明け渡し、悪魔貴族(イービレット)者共、私も含めガルディオンの傘下に入ろう。」


「今回の素材を全てだと……、少し考えさせろ! デルフ、今から魔王城へ帰るぞ!話がある謁見の間(ヒルデガルデ)に飛ぶぞ。」


「答えは早くしてね。じゃないとデルフを奪いに行くかも知れないわ。フフフッ」


 ヴァンパイアロードは不敵な笑みを溢し、ガルディオンはデルフと共にリポートで魔王城に帰った。


 魔王が帰宅したのを確認すると魔軍将達も皆自分の領地に帰った。 バイラスはウルスズとビィーナスに事を伝え、不死の軍勢(リーンデッツ)も暗黒大陸へと戻って行った。



━━ここインデルバル跡地は後に毒砂の嵐域(イオス・ル・ジャルダン)と呼ぶようになる。━━


 長いプロローグにお付き合い頂きありがとうございます。それでは第二章究極魔刀編へ移りたいと思います。


 さぁ!デルフが本格的に動き出すのかな?

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