俺ってホントに主人公なの?
プロローグ
人類は何人かの兵士を集め、それを軍と呼び、気に入らない人間を殺していった。その軍を滅ぼすために作られたチームの名は[正義軍・カイザー]、正義の名のもとに、皇帝から預かった20もの武器を使いこなし、正義軍のメンバーは軍という存在を倒し続けた。だが、その快進撃は長く続くことなく、そのチームも壊滅させられた。生き残ったメンバーで作り上げられた第2の正義軍、それがこの[正義軍・エンペラー]なのだ、その強さは計り知れず、前の正義軍を壊滅した軍を倒した後、数々の軍を滅ぼしていて、20の武器の中の3つを隊長、副隊長、総督で持っている。だが、何もかもがうまくいくはずはなく、生き残っていた正義軍の何人かが、新しい軍を作り上げたのだ、そのチームは、20の武器の中の7つを持ち、最近では、どこのチームでも立ち向かえば壊滅させられる最強の軍となってしまった―――――――エンペラーの総督も、それを壊滅させるために今は努力しているらしい。・・・そんな話です。
Ⅰ 俺ってイケメン設定じゃないの?
「はぁ。」
俺は学校の屋上で、片手にポテトチップス、もう片手に週刊少年ダッシュを読みながら大きなため息をついた。
「どうした純。また何か考え事か?」
「・・・ふと思ったんだけど、この世界ってよくある小説みたいに『時は20XX年~』みたいな始まり方しないよな。」
「そんな某格闘アニメみたいな始まり方するわけねぇだろ、
・・・てかお前主人公なんだから、そんな深々と考え事してないで、ヒロイン的存在でも探して来いよ。」
俺の一番の友人、武は苦笑しながら俺に言ってくる。
「・・・あのさぁ、俺を見ればわかると思うけど、主人公補正が存在してないせいで、結構顔も平凡なんですよ、どっかのラノベみたいにイケメンじゃないんすよ。だから彼女もいないんだよ。」
最近、自動車にぶつかって骨折したり、連続通り魔に切り付けられたり、犬のフン踏んだりとか・・・いいことが無さすぎて俺って主人公じゃないんじゃないかとまで思っている。
「まぁとりあえず彼女できるように頑張れよ~じゃ、またな~。」
――――なんだかんだ言っているが、武は彼女がいる。あいつにいてなぜ俺にいないんだ。
「・・・作者のバカ野郎・・・。」
俺はとりあえず悲しくて泣いた。
俺が屋上で一人泣いているとき、プルルルルと、電話が来た。
「もしもし・・・。」
「おいおい、もしかして電話の相手が俺で泣いてんのかそれは、ひょっとして振られたか?」
「それは俺に彼女がいないことを知っていて言うんですかそうなんですか。」
「・・・まぁとりあえず純。仕事の時間だ、さっさと基地にこい。」
そう言った後、彼は電話を切った。
俺は学校を早退した後、急いで俺が所属しているチーム・エンペラーの基地へと向かった。
「さて、今回戦う相手軍は[チーム・サンクチュアリ]、正義の為だと言って何人もの人々を殺害している悪徳集団だ。戦闘としてもプロばかりが募っているため、大人数で挑まなければチーム壊滅は不可能だろう。だから今回はエンペラーの代表メンバーと、別のチームの派遣組とともにサンクチュアリの中心剣士たちを倒す!」
隊長はそう言って、握っている拳を空に向けた。俺たちも気合を入れ、手に持つ剣を空へと上げる。
「では、出陣だ!」
「おぉぉぉぉぉ!」
俺は、ほかのメンバーとともに叫びながら地を思い切り踏み、駆けた。
第1話から主人公補正がないことにショックを受ける主人公…
これが私の追い求めた主人公だ!と思えるものですね。