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ファンタズム戦旅記  作者: 沫輝星
第一章「呼び声」
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第7話「転生」

長くなった為分割投稿します~

グダってるよね……ごめんなさい。


だけど、いよいよ次回から異世界へ……………?


私は異世界へ渡る決意をし、その意を伝えようと口を開きかけたところへクシナさんから声を掛けられた。


「久遠寺陽香様、此れからの事について幾つかの補足をさせていただきます。

まず1つ目は、こちらの世界…地球ですね、を離れる事についてですが…離れる際に生じる魔術効果で陽香様の存在したと言う全記憶や記録、強いては久遠寺家そのものが消失します。

2つ目は、久遠の血についてですが…幻想世界ファンタズムにおいて伝承血統ロストブラッドと云われております。これについては向こうへ着いてから詳細をノエル様より教えられるでしょう。

最後に、ファンタズムでは地球に適応した身体ですと生きれません、ですので適応させる為に1度死んで頂きます。その後再構成し聖霊樹の恩恵を得られる身体にします。

……ここまで一気に申しましたが、質問は御座いますか?」



クシナさんの補足した内容を聞いた私は、気になった所をあえて悠久に聞いた。

そこで補完された事と言えば、伝承血統とは久遠の血のみが使えた刀…刹那之悠久が関係している事。

聖霊樹の恩恵が所謂ファンタジー小説とかで言う『マナ』にあたるとの事で、これは理解出来た。

それでもいきなり理解を示すと不自然に取られるので質問をする事にした。

これは刹那之悠久が自分の存在はどの世界でも知られるとマズイとの意見だった。



「じゃあ、幾つか聞きたいのですが。地球から消失って事ですが、今のこの家はどうなりますか?

あと、とうさん達の灰は?」


「家は、無くなりますね。世界の違和感を無くす為に、空き地か何か別の物が出来るでしょう。

また、宗勝様達の遺灰は陽香様が望む物へ変える事が出来ますが?」


「…………そう、ですか……なら、ペンダントに出来ますか?」


「かしこまりました。宗勝様達なら魔術補助のある聖霊石になると思います。」


そう言い、クシナは手を体の前に出した瞬間淡い光を放ち出し遺灰だけが吸い込まれる様に集まり、一瞬強い光を放ちすぐ収まった。

するとクシナの手に角度を変える度に色を変える透明な小さい石の付いたペンダントがあった。

それをゆっくりと私の首に掛けられ…私はそれを軽く握った。


(………とうさん…かあさん……わたし……復讐心を持つなって言われたけど………けど……っ)

(…マスター………宗勝ノ言う通リでス……復讐心を持たナイで下サい……私ハ…陽香マデ失いタク無いデす)

(…えっ?……あなた言葉が……)

(……はぃ…?………わタしは………?…………これは、何?……………………………………………………………私。は。ハ。わ。)

(……悠久? 悠久!?)

(………………………………………………………………………。)


カチリ。


その時頭の中に、ある何かが噛み合わさる音が聞こえた。

その途端、手に持った刀と頭の中に居た刹那之悠久に変化が起きた。

急に黙った陽香を心配そうに見ていたノエルとクシナ、そして陽香自身その変化に目を見開き驚いた。

刀自体の変化は大したことは無い、ただ数秒強い光を放っただけで終わった。

…問題は頭の中……悠久の意識のほうだった……



(………陽香。)

(悠久! ……あなたに、何が起きたの?)

(……分かりません。今までこんな事はありませんでした。……ただ…わたしが私を持ちましたとしか…)

(…………自我を持ったの?)

(………はい。陽香を失いたく無いと…そう想った……それすら異常な事でした。…そして、私になりました。)


「陽香!!どうしたの!?大丈夫!?」

「陽香様!」


その時、未だ黙ったままの陽香を見ていた二人の焦った声が聞こえた。

二人は陽香がペンダントを握って黙った時はまだ気持ちの整理がついていないのだろうと思っていた、だが数分後に起きた強烈な発光に驚き、焦り、陽香に危険が起きたのではと心配した。



「すみません。大丈夫です、ご心配を…っ!?」

大丈夫だと伝えようとした瞬間ノエルにかかえられた。


「…よかった……心配したわ……私達のせいで貴女の大事な人を失わせてしまったから……」

とても優しい口調で懺悔を聞き、ノエルの温かさに私は不意に涙が溢れ……そのままノエルの身体に腕を回し泣いた。

「…うっく…………ひぅ…………なんで……………と、さん…………かあ、ん……………うぅ…………わた…わたし……!」

「……ごめんなさい………陽香…ごめんなさいね ……私の力不足で………こうなる予測もあったのに……!」


そのまま数十分、二人で泣いた。

泣いて泣いて泣き晴らす…そうすれば、また、歩けるから……

そして私は改めて決意する。無力で何も出来なかった私を忘れない事を。私でも守れるものを守る事を。全部は無理な事は分かってる、でも目の前にある悲劇は起こさせない事を。もっと強くなる事を。




「…………あぅ……ごめんなさい。ノエルさん…服が」

私は照れた……顔から出るありとあらゆる液体で服を汚してしまったから。

「……ぐすっ……ふふ…良いのよ、このくらい……私こそ…陽香の髪を涙で濡らしてしまったわ…」

そう言ったノエルは頬を紅くし照れていた。

それを見た私は可愛い人だなぁと、最初に会った高圧的な印象を改めた。


「………コホン。……宜しいですか?」


その時泣いた二人を見守っていたクシナが、泣き終わり抱き合ったまま照れだした二人にいい加減声をかけた。

それを聞いた二人は、未だ抱き合ったままなのを思い出しそそくさと離れた……顔は紅いままだが。


「あぁうぅ……く、クシナさん…すみません…」

「クシナっ……これは、その……あの……」


「……。……陽香様、先ほど何が起きたのか聞いても宜しいですか?」


「…あ、いえ……私にもさっぱり……」

私は誤魔化した。悠久の事、そしてその悠久に自我が生まれた事を。

だが、そこにノエルが異を唱えた。

「…いえ。陽香あなたは分かっている筈です…その刀に何が起きたのかを」

「……えっ?!」


「私達は宗勝に面識がありますから。その刀、刹那之悠久…通称『終わりなき瞬間』…それに聖霊が宿っている事も知っています。私達世界、ファンタズム唯一の伝承血統ロストブラッドの久遠の血のみにつかえる聖霊……時空間を司る唯一の存在、故に世界を越えてまで襲われたのですから」


その時、悠久に話掛けられた。

(陽香。私その人、知ってる。さっき触れた時思い出した。…だから平気だよ。……だからまずは陽香の身体を適応させて、私が生まれたから陽香と恩恵マナを共有し出した。このままは危険なの…)

(う、うん。わかった!)


「分かりました、説明します。けど、その前に私の適応?を先にしてください。このままだと危ないそうで」

「…? 危ないって……っ!?」


それを聞いたノエルとクシナは再度驚いた。

聖霊の絶えたこの地球で異常な量の恩恵を陽香が保有し出したのだから。

適応していない身体では何時存在が消し飛ぶか分からない。

それに気付いた二人の動きは迅速だった……クシナがナイフで陽香の心臓を刺し、ノエルは魔術陣を展開した。


私はと言えばクシナの動きが全く見えず、いつの間にか胸に刺さったナイフとクシナを見ていた。

けど、特に痛みを感じず血も出ていなかった…身体は指1本動かせないが。

そしてクシナが離れて行くと同時に私を中心に何かの陣と文字の壁が生まれ、せばまってくる

そのまま陣と壁に包まれ………何事も無かったかの如く私はそこに立ったままだった、胸に刺さったナイフも消え傷どころか服も切れて無い。



「…………………え?………あれ?」

「終わったわよ?」

「…………え?…もっと、こう…なんか………」

「……何を想像したのかしら?」

「だって、死んでもらうって…? 私、意識あったし、死んでませんよ?」


それを聞いたノエルは笑い、クシナは自分の説明が大袈裟だったのかと軽く落ち込んだ。クシナも顔は笑っていたけど。

ノエルが言うには、心臓を刺された瞬間1度死に

…直後発生した魔術陣により生き返った為意識は失わないとの事だった。

余談だが、悠久にも笑われていたので恥ずかし過ぎて顔から湯気が出そうな位真っ赤になった。



「陽香って私とたいして年変わらないのに、随分可愛いのね!

…さてと、可愛い姿を見るのは好きだけど……教えて貰えるかしら? あなたと聖霊の現状を。」

「……はぃ。……分かりました。」


からかわれて軽く不貞腐れたけど説明をする事にした。

と言っても、私には何が起きたのか分からなかった為基本悠久の言葉をそのまま伝えるだけだが。


概要は、ノエルが悠久を知っていたのは宗勝の前の持ち主つまり曾祖父の時に見たと…その時はもう地球に居たのでノエルが地球に来たらしい…それを聞いてノエルの年を聞いたら221才だと言った。

ノエル=ヴァレンタインは吸血鬼、鬼の一族だと言い人間の年で言えば20才とのこと…

そして先ほど起きた事は悠久が擬似聖霊から神格化し自我を持ったと。そして時間や空間が在る限り自ら恩恵を生み出せる事-これにはノエル達は絶句していた-……でも、その恩恵を受けれるのは久遠の血のみだと言う事。

久遠の血は、陽香が最後の生き残りだと言う事。



そんな情報交換をしていたところへ、聞き慣れた声が聞こえてきた…幼なじみの愛花まなかだ。

だけど、ノエル達はそれに驚いた。どうやら魔術結界を張っており恩恵を受けれない人間-地球人-には、現在久遠寺家は認識出来ないらしい。それなのに愛花はやって来たのだから。


「……はる姉?…ナニコレ?…お家壊れてる、よ?」

私は随分懐かしい呼び名で呼ばれたなぁなんて思った、愛花が中学に上がるまでは言っていたっけ……けど、私は冷静に愛花には悪いと思ったけど彼女の首へ手刀を当て眠らせた。





百合要素は無いよ?

プロットでも女子率高いけど…無いよ?むしろ恋愛要素自体無いかなぁ……

…………あった方が良いかね??

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