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ファンタズム戦旅記  作者: 沫輝星
第一章「呼び声」
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第5話「介入」

ここまで、だいぶグダリましたが一気に展開しましたね(汗


一方、私は頭の中に聞こえた声と強制認証の代償で身体が全く動かないで居た。


(……何がおきてるのよ…………なんで、とうさんとかあさんが………あの人達は誰なのよ!?)


(マスター『陽香』ワタシノ声ガ聞コエテマスネ?)


(………聞こえてるわ…………あなたはこの刀じゃないの?)


(…イエス。ワタシハ悠久ト刹那ヲ管理スル者デス。前マスター『宗勝』ノ意向ニヨリ緊急認証シマシタ。ソレニヨリマスターノ身体ハ危険保護ノ為一時的ニ停止シテイマス。)


(…管理する者?)


(イエス。コレヨリマスターへ私ノ記憶ヲ流シマス。コレニハマスターガ悠久ト刹那ヲ使ウノニ必要性ヲ確認シタ為ノ処置デス。)


(……………………………………………………………………………………………………っっ!?)

瞬間、今までのマスターになった人達の記憶が一気に流れ込んできた。

流れ込む内容は使われず一生を過ごすマスターから凄惨な戦いに身をおくマスターまで数百人分の記憶だった。


(流入作業終了。……マスターノ心身低下ヲ確認。…………処置不能。…………経過観測開始。)


(……や、めて…………もう…………嫌。いや。イヤ。いやああぁぁぁぁあ!!)


私は息を飲んだ……持っているだけで処刑された人や戦場で無惨に殺された人達、さらには研究で薬漬けされる人生きたまま解剖される人。その感情が一気に止めどなく見せられ…………涙した。


(………あなたは誰なの?)


(ワタシハタダノ道具デス。ソレ以下デモ以上デモアリマセン。)


(………でも!)


(…全テハ人間ガ起コシタ事。人間ハ自分ノ持ッテイナイ物ヲ持ツ者ヲ排除スル傾向ガアリマス。ソレデモ久遠ノ血ハ私ヲ護ッテ来テクレマシタ。)


(………………………そう。そうね。……記憶の中でもあなたへの後悔や怨みは無かった。)


(………久遠ノ血ハ優シイ。ワタシハタダノ道具ナノニ。)


(…………………あなたは…心を持っているのね?)


(…………ココロ?…………イエ、ワタシハ道具デス。ココロナド不確定ナ物ハアリマセン。)


(いいえ持ってるわ。そうじゃなきゃ優しいなんて感じる事もないもの。)


(………ワカリマセン。理解不能。)




途端、意識の隅で感じていた外の状況に大きな変化が起きた。

(!!………とうさんとかあさんが!!)


(マスターノ覚醒意識上昇。……強制認証ニヨル影響低下。……心身状態正常。……………………覚醒シマス。)


「とうさん!かあさん!」


「目覚めましたか!……ですが、もう!……焼け。炎熱大剣フレイムソード!」


目覚めた瞬間、目の前で祖父と祖母が炎の剣で斬られ燃え灰と化した。


「とうさん!!!かあさん!!!……いや、そんな!いやああぁぁぁぁああぁぁぁぁぁ!!!!!!!」



〈くっ!……遅かった!!……クシナ!〉

「もうお出ましですか!……退きますよ!」

「でもよ!ガキが残って…」

「分かっています!ですが不利は否めません。」

〈逃がしません!〉

「……チィッ!……しょうがねぇか!」

〈クシナ! 保護が最優先よ!〉

〈…かしこまりました。〉


襲撃してきた二人と入れ替わる様に新たな二人が侵入してきた。


「……と、うさん?……………かあ、さん?」


(…マスターノ意識レベル再度低下。危険域突入。マスターノ意識へ強制介入開始シマス。…………エラー発生。)


「…………なんで、とうさんとかあさんが……なんで!!あなた達は何なのよぉ!!」


(……注意。意識暴走ノ危険アリ。……再度強制介入ヲ開始。…………………エラー。)


「…まずいわ………落ち着きなさい!私を覚えてますか?陽香さん!!」



「………ゆるさない。……許さない。……許さない!」


「……ノエル様…このままでは危険です。」

「…分かってるわ………でも、この子まで失う訳には…いかないの。」


〈…眠れ…眠れ…眠らぬ子達…母なる息吹きに抱かれて眠れ………星之揺籠スリーピング


(…マスターノ意識、外部干渉ニヨル睡眠状態へ強制移行シマシタ。……暴走ノ危険回避。……マスターノ睡眠ニ伴イコノママ待機シマス。)


「……どうにか、なったかしら……ね」


「ノエル様…ご無理をなさらず」


「…ありがとう。……こうなる前に助けたかったわね」


「……………ノエル様………この後は如何致しますか?」


「…目覚めるまで待つわ。……クシナは向こうへ報告を……」


「…かしこまりました。」





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