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魔力ゼロの転生令嬢、現代科学で魔法を無双する  作者: 輝久実


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10/13

そして科学の結婚式へ

授与式の帰り道。王宮の影から現れたのは、奇妙な仮面をつけた集団だった。


彼らが掲げた黒い魔石から、国境の障壁と同じ「魔力干渉波」が放たれる。


「っ……がはっ……!?」


隣にいたノアが、苦悶の表情を浮かべて膝をついた。魔力保有量が多いノアにとって、魔力を無理やり乱される干渉波は、血管に毒を流されるも同等の苦痛だった。


「ノア! ……あなたたち、何者なの?」


「『真理の揺り籠』。……この世界の『魔法』を否定する貴殿の知恵、我々の神のために捧げてもらおう」


敵のリーダーが手を振ると、リーゼの周囲に特殊な重力場が展開される。


しかし、リーゼは慌てなかった。むしろ、その瞳にはエンジニア特有の「冷徹な観察眼」が宿っていた。


「……なるほど。特定の周波数の振動で、原子レベルの結合を阻害しようっていうわけね。でも、詰めが甘いわ」


リーゼは懐から、ノアと共同開発していた「対消滅型・振動相殺器ノイズキャンセリング・デバイス」を取り出した。


「ノア、聞こえる? あなたのその『乱れた魔力』を、逆位相の波形として私に投射して。私が計算で『打ち消して』あげる!」


「……っ、了解です、先輩……死ぬ気で、同調シンクロさせます!」


ノアが必死に絞り出した不規則な魔力を、リーゼが手元のデバイスで瞬時に計算・変換。


次の瞬間、リーゼを中心に「無音の衝撃波」が広がった。敵の干渉波とノアの逆位相波がぶつかり合い、相殺され、完全な静寂が訪れる。


「なっ……我が組織の秘術を無効化しただと……!?」


「秘術じゃないわ、ただの干渉現象よ。……さあ、ノア。お返しをしてあげて」


魔力の乱れから解放されたノアが立ち上がる。その瞳は、リーゼを傷つけようとした者への純粋な「殺意」で燃えていた。


「よくも、僕の先輩に触れようとしましたね……。――リーゼ、座標の提供を」


「敵の心臓部、北北西30度。今よ、『プラズマ収束砲』!」


リーゼが示した点に、ノアが圧縮した魔力を叩き込む。


空気中の分子がイオン化し、雷をも超える超高温のプラズマが敵の集団を呑み込んだ。魔法でも物理でもない、二人の共同作業コラボレーションによる「新時代の力」が、闇を焼き払った。


事件の後、研究所の屋上。


星空の下、ノアはリーゼの手を取り、震える声で告げた。


「先輩。……もう、どこへも行かせません。国家賢者なんて肩書きより、僕の『妻』という特等席に座っていてくれませんか?」


「……計算外ね。そんなに熱烈に請われたら、断る理由(論理)が見当たらないわ」


数ヶ月後。


王都の空には、リーゼが設計した「軽ガス(ヘリウム)」で浮かぶ巨大な飛行船が浮かんでいた。


魔法を使わず、科学の力で空を飛ぶその船の上で、二人の結婚式が行われる。


「見て、ノア。この高度からなら、世界の曲率が観測できるわ」


「……先輩、いえ、リーゼ。今は世界の形より、僕を見てください」


誓いのキスの瞬間、空には魔法の火花ではなく、リーゼが調合した「金属元素による色鮮やかな花火」が打ち上がった。


「科学の賢者」と「天才魔術師」の物語は、これからも新たな定理しあわせを証明し続けていくのだった。

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