悪役令嬢に大変身よ!(え? もとから? 失礼ね!)
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金髪の巻き髪のウィッグをつけ、モニカにお化粧してもらったわたくしは、まるで別人のような仕上がりだった。
「モニカ、侍女からスパイにジョブチェンジしたら? すごいわ。別人よ」
鏡に映るわたくしは、きりりとした知的美人。わたくし、美人より可愛いって言われたいタイプだけど、これはこれで悪くないわね。
ドレスはドレープが少なめのすっきりとしたデザイン。色は深紅よ。
このドレス、オリヴィア様にもらったものを手直ししたものなの。わたくしにはあんまり似合わないわねって思っていたんだけど、メイクを変えると似合うのね。いいことを知ったわ。
「うん、上出来よ。ちまたで流行りの悪役令嬢っぽいわ!」
「悪役令嬢?」
「ああ、ティアナは本を読まないから知らないでしょ。というか知らなくていいわ。行くわよ」
よくわからないけれど、わたくしの格好はモニカが気に入っている本に出て来る悪役令嬢とかいうのに似ているらしいわ。
モニカに連れられて、わたくしはパーティーが開かれているお城の大広間へ向かう。
シャンデリアが輝くきらびやかな大広間は、着飾った紳士淑女であふれかえっていた。
「じゃあ、任せたわよティアナ。わたくしは控室に戻るわ」
「任せといて。ヤギ女に目にもの見せてくれるわ」
テイラーも許可を出しているのなら、遠慮する必要なんてどこにもない。
わたくしはざっとパーティー会場を見渡した。
今日の参加者のうち、女性は伯爵家以上の令嬢と夫人。それから、伯爵家の人間の婚約者。
招待状が配られているのが伯爵家以上でも、婚約者が伯爵家の人間なら、子爵令嬢や男爵令嬢も参加できるってわけ。
ダルシーは子爵家や男爵家の令嬢に幅を利かせている。
ペネロペ・グリーン侯爵夫人を味方につけたから、取り巻きが少し増えたでしょうけど、ペネロペ・グリーン侯爵夫人ももとは子爵家出身。高位貴族にお仲間は少ない。
と、なると……。
わたくしは大広間の中の雰囲気と、令嬢たちの派閥の分布を確認し、ふふんと笑う。
……ダルシー。ぬるいわ。やっぱりあんたには、お山の大将は無理ね。
わたくしはまず、一人の伯爵夫人をターゲットに定めた。四十代のあの伯爵夫人は、とっても利に聡い方。ついでにおしゃべりが大好き。
……あの方、自分にメリットがある話はあっという間に広げるのよ。
モニカにしっかりメイクをしてもらったけれど、念には念をと、わたくしは扇を広げて口元を隠し、伯爵夫人に近づいてく。
「ごきげんよう」
にっこりと微笑むと、彼女は一瞬不思議そうな顔をして、それからにっこりと微笑んだ。
「ごきげんよう。見ない方ね。わたくしに何かご用かしら?」
わたくしは笑みを深めて、こくりと頷く。
「ええ。ちょっと、ここだけのお話が――」











