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〈静寂の魔女〉〜天才は極度の人見知り〜  作者: クロ
第一章 エリンツィア学園潜入編
3/7

いざ、学園へ…?

「エニア…エニア!」

「むかしむかしあるところにおうじさまがいました…」

「物語を音読されてもわかりませんよ。」

あれからルイス様に飛行魔法を強制で発動させられ、学園へ向かうべく私達は空を飛んでいた。

「無理ですよぉ…私に護衛なんて、潜入なんて!」

「信じています。」

「棒読みじゃ信じられませんよ!」

あんまりだ。身につけている制服ですら眩しい。

「うう…世界が眩しい…」

「それはあなたが普段引き込もっているからですよ。インドア魔女殿。」

反論できない。別に外に出ていないわけではない。外に出る必要がないのだ。最低限に抑えているだけで、決して日差しが眩しいとか、本を読んでいたいとかそういうのではない。

「ほら、見えてきましたよ。あれが、セレンディア学園です。」

「ほわ…」

白い壁。薔薇の生垣。そして何より…

「に、に、人間がいる!?な、なんかキラキラしてませんか、るい…ルイス様!?」

後ろをバッと振り向いたらルイス様がいなかった。

結構遠くで手を振っている。

「な、なななんで私がこんな目にぃぃぃぃ…!」

そうだ。なんでこんな目にあっているかといえば、王子が刺客に狙われているからだ。

ならば、その刺客が悪い。

ということは。

「絶対、許さないんだから…全員、抹殺してやるぅぅぅ!」

うわああああああああん、と泣き叫ぶ声がどこまでも広い広い空へと吸い込まれていった。


***


『いいですか、エニア。国王陛下の名により、気づかれないよう護衛しなければなりません。なので、当然貴女のその名前も使えず、〈七賢人〉という肩書も使えません。なので、私の遠い親戚にお願いして、貴女を隣国の辺境伯であるフロンティーア伯爵の養女としておきました。いいですね?くれぐれも、くれぐれも、余計なことはしないように。ああ、あと、貴女の名前はアリスですから。では、頑張ってください。』


「私は伯爵の養女…私は伯爵の養女、私は伯爵の養女、私は…」


「大丈夫?緊張しないで。きっと大丈夫だから。」

「あ、あ、は、ははははい…」

この人は所謂担任、というものらしい。

(は、話しかけてこないで…)

今にも失神しそうなのだ。胃がひっくり返る。

(うえ…吐く…プレッシャーで吐く…)

「みなさーん、今日は留学生を紹介します!さ、入って。」

「…」

視線、が。

浴びせられる視線が怖い。

興味の目。ものを見る目。嫌い、嫌い。

「今日から留学生としてくるアリス・フロンティーアさんです。自己紹介をどうぞ?」

「あ、えと、あの、私、私っ…」

視界がぐるぐると回る。気持ち悪い。


無理、だ。


「アリスちゃん!?」


こうして、何やら体を揺さぶられながら、私、エニア・レイン改め、アリス・フロンティーアは、留学初日ち多大なるプレッシャーとストレスによってぶっ倒れた。

遅くなって申し訳ない…

明日はもう一話更新できそうです…!

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