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ロマンチック

 私はきっと「ロマンチスト」と言われる人なのだろう。

今もこうやって夜に一人、窓の外を眺めている。こんな時に「星が降っている」とかそんな少し臭いセリフすらも吐いてしまう。そんな私が私は好きだった。

今日は少し外に出てみよう。そう咄嗟に思った私は静かな夜を一人で歩いた。

ただ夜というだけなのに見え方はだいぶ違い、私だけ異世界にでも飛ばされたんじゃないかと言う錯覚に陥る。煌めく夜景を少し高台から眺めてみた。そこから見える景色は全て人口のもの。だと言うのに自然に劣らない輝きを放っている。その上、ここから見える景色全てに家庭や思い出が詰まっていると思うと自然と笑みが溢れてしまうものだ。

上を見上げれば星たちが踊っているような光を放っている。長い年月をかけてやって辿り着いた星をみていると手を伸ばせば届いてしまうのではないか?とまで思ってしまう。

 そんなロマンチストな私にも好きな人ができたんだ。

背がすらっと高く、爽やかな笑顔で声をかけてくれる。そんな彼に私はのめり込んでいた。彼を思えば思うほどこの夜が、それをみている私が好きになる。恋ってこんな気持ちになるのだと初めて知った。

私はすぐにでも付き合いたかった。付き合ってイルミネーションをみに行きたかった。海辺を二人で歩いてみたかった。寒いねと言いながらマフラーをかけて欲しかった。そんな妄想ばかりが膨らんでいく。これもきっと私がロマンチストだと言うことが理由なのだろう。

彼の全てが欲しかった。彼との時間が欲しかった。彼が私の心のど真ん中を占領した。ただ、、

ただそんな彼にも私と同様好きな人がいた。

私より可愛く、人気者。バスケ部でエースを勤め、身長も高くさらには頭までいい。私の付け入る隙なんてたったの一つとしてなかった。

私は嫉妬をするどころか簡単に彼から手を引いた。

彼女には勝てないと強く理解しているからだ。

あ、、あれ?

諦めたはずなのに、手を引いたはずなのに。なんでこんなことを一人で思っているの?

私がそう自惚れてる自分に気づいたその瞬間に、景色が変わった。

見えているものが変わったように見えた。

そして気づいたんだ。こんなに好きだった静かな夜が。この私の時間が。こんなに寂しかったと。


あぁ、静寂ってこんなにうるさかったんだ。


ふと頬を何かがたどり地面に衝突した。

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