第1話 出会い
第1話 あらすじ
学校で昼食を食べようとしていると、一輝の幼馴染みの林田佳奈が学年No.1人気かつ翼のあこがれの人物である岡本瑞希を連れて一緒に食べたいと言ってきた。
そして、学校帰りに一輝と一緒にマクドナルドに入ったが、そこで……
・・・・・・・やばいです・・・・・
我が家の魔王から遊ばれて非常に寝不足です
――キーンコーンカーンコーン――――
「山口!!また遅刻だ!!廊下に立ってろ」
「いや先生!チャイムギリギリじゃないですか!セーフでしょ!」
「うるさい!つべこべ言わずに立ってろ!」
先生のこの一言で翼は廊下に立つはめになった
そして教室では笑いの渦が起こっている
遅刻じゃないのに…
「山口、教室に入れ、次に遅刻したら保護者呼ぶからな」
「はい、すみませんでした。」
保護者を呼ぶ?
冗談じゃない!
「翼〜昨日はどうだった?」
「一輝!てめぇのせいで殺されかけるわ、遅刻するわ最悪だぜ! これは高くつくからな!」
「あははは、分かったよ!何か考えといてやるよ」
そう言ってる間に1時間目の授業の数学が始まった。
言っておくが、翼は大の数学嫌いである
英語は得意なのだが、数学のように考えるものはどうも苦手なのだ。
―――ス〜…ス〜…
「山口!起きろ!」
「…ん……はい?……」
「お前、この問題を解いてみろ!」
は?
無理無理無理無理!
何?この問題?
えっと………………
「X=15です」
「……」
「山口」
「はい」
「廊下に立ってるか?」
「いえすいませんでした」
「ちゃんと起きてろ」
危ねぇ
ここで立ってたりしたら終わってたな
先生ありがとよ♪
キーンコーンカーンコーン―――
「やっと飯か〜!」
「一輝!どこで食う?」
「ん〜……あれ?」
一輝の顔がいきなりニヤけ出した。
だがその理由はすぐに分かった。
「ねぇ、山口と一輝?よかったら私達も一緒にお昼食べていい?」
なんとクラスメイトの林田佳奈が一緒に弁当を食べようといいだしてきた。
いや、問題はそこではない。林田とは中学からの馴染みだし、一輝とは幼馴染みだからまだいい。こいつが現学年No1人気かつ翼のあこがれの人である岡本瑞希を連れてきたことが問題なのだ
「よかったな翼」
耳元で一輝がささやく。
こいつ……まさか…
「えっと……3組の中島瑞希です……よろしくね」
おぉ、軽い合コンみたいな感じになってますなぁ
ちなみに伊勢崎高校は1学年200人程度で5クラスあり、一輝と翼は1組、佳奈と瑞希は3組である。
「あっ!佐藤一輝です。よろしく。」
「やっ、山口翼です。よろしく。」
何人かの周りの男子生徒の視線を感じるのは気のせいではないだろう…
「とりあえず飯食おうぜ!腹減って死にそう」
一輝が口を開くと、
「そういえば一輝達飲み物あるの?」
「いや、ないよ………あっ!じゃあ俺適当に4人分買ってくる」
一輝は頑張れ、と言葉を残して行ってしまった
そして林田はと言うと……
「ごめ〜ん、瑞希に山口。ちょっと電話かかってきたからトイレ行ってくるわね〜♪」
「おい、林田」
行ってしまった…
こいつら……狙ったな
・・・・・・・・・
何だ?
この気まずい雰囲気は
みんなの視線が痛いぞ
学年、いや、もしかしたら学校No.1かもしれない女の子と昼食なんてこの上ない幸せなのだが……
初会話、男どもの視線、これらの試練を越えられるか?
「えっと………飯食おうぜ」
小さく頷いて瑞希は弁当を開けた
「……佳奈達遅いね」
「あ〜そうだな〜」
やべぇ…緊張する…
「あはは、まるで二人にするためにしてるみたいだね!」
あはは、ホントにそのとおりかもしれませんな…………ってか、この子天然か?
「まぁあいつらは昔っから時間にはルーズだったからな〜」
「へ〜、そうなんだ…」
「ねぇ…山口君ってさ、中学どこだった?」
「俺?伊勢崎中学だったよ。何で?」
「テニス部………じゃなかった?」
「そうだよ。えっ?何で知ってんの?」
「やっぱり!!私、北伊勢崎中学でテニス部だったの。中学最後の大会のシングルス決勝戦、すごい試合だったから後でトーナメント表見たら、山口翼と佐藤一輝って書いてあったから。……あっ!佐藤一輝ってもしかして……」
「そう、今ジュース買いに行ってる奴だよ」
嬉しい……
俺の事知ってたのか
嬉しすぎるぞコノヤロー
登場人物を紹介していきます。
山口翼
伊勢崎高校の1年生。
まぁまぁかっこよく、モテるのだが、本人は気づいておらず、彼女もなし。
佐藤一輝
伊勢崎高校の1年生。
翼とは中学からの親友で、顔もよく勉強もスポーツも何でもできる完璧人間。女の子からも人気があるが、こちらも彼女はいない。