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前日

レイです

初めて小説を書きます。頑張って書きますので、感想などたくさん聞かせてください。


では楽しんで読んでいただけると嬉しいです。

ここは、伊勢崎町。山や海に囲まれた町だ。

都会って程でもないが、それでもまぁまぁの町である。



今は6月。6月と言えば春風と夏風が吹く、過ごしやすい季節である・・・・・・・はずなのだか・・・





ミーンミーンミーン……

「・・・・暑ちぃ・・」


そう言って翼はラムネを片手に扇風機の横で寝転がっていた。




「なんだよこの暑さは…、まだ6月だっつーの」

そう、毎年ならばこの時期はまだ扇風機も必要ないのだが、今年は違う。扇風機がなければ干物になってしまうくらいに暑い。




「翼〜?翼〜?・・・翼!? もう!休みだからってダラダラしすぎよ! ほら!暇ならちょっと買い物行ってきて。」

おぅ、何を言ってるんだうちの母さんは。どうやら俺を干物にしたいらしいな。


「嫌だ。俺を干物にする気か?父さんか姉ぇちゃんに頼めよ。」

「父さんは今どっか行ってる。椿(つばき)は友達と遊びに行ってるわ。」

椿とは俺の姉のことだ。

高校3年生で俺と同じ伊勢崎高校に通っている。

弟の俺が見ても、とてつもない美人だと思う。だが問題はその性格だ。

昔空手をやっていたせいか、今の俺では喧嘩になったら1分でKOされてしまう。


「はぁ、なら母さん自分で行けばいいじゃん。」

「何言ってんの!今日は家の片付けをしなきゃいけないの! ほら!さっさと準備しなさい! じゃないと・・・・」

母さんはそれ以上言わなかったが大体の予想はつく。


なんで我が家の女どもはこんなに凶悪なんだ……


そう実は姉に空手を教えたのは、ほかでもない我が母なのだ。

つまり姉ぇちゃん以上に強い。=俺死亡・・・・


「分かった!!分かったから、それ以上は止めてくれ!!」

「よろしい。」


翼も喧嘩は弱い方ではない。むしろかなり強い。

だが母さん達は次元が違う。


「はい、これメモとお金。後帰りに谷口さんの所で饅頭を買ってきてちょうだい。」

母さんはそう言って俺にメモと2000円を渡してきた。

「行ってきま〜す」


翼は自転車に乗ってスーパーに向かっていた。スーパーは20分ほど行った伊勢崎町の中心にある。

「やっと着いた……。 えっと…大根・豚肉・人参・玉ねぎ、それから・・・・トイレットペーパー!?」


っておぃ!これじゃ帰り道かなりきついじゃねーか!





「よぉ!翼!」

「ん?……おぉ!一輝!」

そう言って声をかけてきたのは俺の親友の佐藤一輝(さとうかずき)だ。


「何してんだよ、こんなとこで?」

「うちの殺人兵器に買い物頼まれたんだよ」

「あははは!まぁ、あの人が相手じゃさすがの翼でも勝てないよな!」

「笑い事じゃねぇよ……」




うん。本当に笑い事じゃない。



「何買うんだ?」

「まぁ色々とな」


そう言って一輝はメモを見てきた。


「へぇ、結構あるな、 なぁ翼?帰りお前んち遊びに行ってもいい?」

「ん〜いいけど何で?」

「今俺んち母さんが友達と旅行中で、親父がお前の父さんとゴルフ行ってて暇なんだよ!。」


何!?ゴルフだと?

あのヤロォ、息子がこんなひどい目にあってるというのに。


「じゃあこの荷物半分持ってくれよな!?」

「オッケー。んじゃさっさ済ませよーぜ!」


一輝はそう言うと買い物を手伝ってくれた。

そこまではいいのだか…………


「・・・一輝てめぇ・・」

一輝はずっとニヤニヤしている。


10分前・・・―――


「翼!清算俺がしといてやるから自転車持って来いよ!」

「そうか?悪いな!じゃあ頼むぜ。」

俺は一輝に2000円を渡し、自転車をとりに行った。

これこそが最大の過ちだった。


「一輝〜?悪いな清算頼んじゃって。」

「いいって!さぁ、行こうぜ!」


そして俺達が歩き出して

「なぁ一輝、そのサイダーどうしたの?」

「これ? 買った!」


翼は少し嫌な予感が頭をよぎった。



まさかな・・・・




翼は恐る恐る聞いてみた。

「どこで?」


すると


「スーパーに決まっつんじゃん! はい、レシート。」


そのレシートを見るなり翼の頭の中は真っ白になってしまった。

そして、そんな様子を一輝は横で爆笑していた。

「あはははは!、やべぇ、翼、その顔ウケル!」

こいつ・・・

今すぐ殴りたい。


だが、そんなことよりも帰ってからの言い訳と、それが通じなかった場合のことを考えると、恐ろしくて、そんな考えすぐに消えてしまった。



そして今に至る―――


「なぁ…一輝・・・お前はうちの殺人兵器の破壊力を知らないのか?」

「知ってるに決まってんじゃん!」


こいつ……確信犯か


こうなった以上、黙って帰すわけにはいかない。家に来て説明をしてもらわねば。じゃないと命に関わる……


「大丈夫だって。ちゃんと俺が説明してやっからさ!」

前にも一度こういうことがあったのだが、その時はコイツは何も説明せずにとんずらしやがって、母さんにプロレス技を掛けられて死にかけた。


「今回はとんずらさせないからな」









「あっ!やべ!饅頭買うの忘れてた」

「饅頭って谷口のばあちゃんのとこか?あそこの美味いもんな〜。急がねぇと売り切れんぞ?」


谷口とは俺のクラスメイトだ。そのばあちゃんが饅頭を作っていて、母さんの大好物なわけだ。

つまり、ここで買いそびれたら帰った瞬間にジ・エンドなわけだ。


「一輝!!ここで待ってろ!!すぐに帰ってくる!」

翼はそう言うと、一輝買い物袋を渡し自転車で飛んで行った。

5分後、饅頭屋に着いた。


「おばちゃーん!!いる〜?」



「あらあら、翼君じゃないかい。どうしんだい血相かえて?」

「おばちゃん、まだ饅頭ある?30個入りのやつ」

「ついさっき売れちまったよ。残念だったねぇ」


マジか………終わった




「分かった。ありがとうおばちゃん」




「あっ翼君。ちょっとお待ち。 ……はい、饅頭の代わりにこれをあげるよ。」


おばちゃんは翼におはぎを2つとみたらし団子を4つ入れた袋を渡した。

「おばちゃんありがとう! また今度来るよ!」

「はいよ、じゃあね翼君」



…………これで許してもらえるのだろうか………



翼は一輝のとこに向けて自転車を走らせた。


「どうだった?買えたか?」

「いや、無理だった。代わりにおはぎとかもらってきた」

「そっか、まぁ帰ってから頑張るんだな。」


この頑張るには色々な意味がありそうだな



こんな話をしている間に家着いてしまった。









・・・・・・俺は未だかつて、これほどまでに玄関が凶悪に見えたことはない・・・・・



神様どうかお守り下さい


翼は家に入る前に神に祈りを捧げた




「ただいま〜」

「おじゃましま〜す」


声を聞いた母がリビングからやってきた。


「あら、一輝君いらっしゃい。ゆっくりしていってね」

「はい、おじゃまします」


翼は母さんに買い物とおはぎが入った袋を渡し、逃げるように一輝を連れて部屋に戻った。





――――――ガチャ


部屋に入るなり、一輝は遠慮なくテレビを、俺はベッドで絶望に触れていた。





―――トントン――


「おやつ持ってきたわよ〜」

母さんはさっき翼がもらってきたおはぎと団子を部屋に持ってきた。



「ありがとうございます」

「いいのよ〜ゆっくりしていってね〜」




翼は部屋を出る母をチラッと見たが、その顔は笑っていた。



翼の背中を冷たい汗が流れた。



「翼〜大乱闘しようぜ」





もういいや

なんとかなるだろう


やる、と返事をして翼はゲームキューブを繋ぎ、起動させた。





「翼!賭けようぜ! 勝ったら1つおやつを食べるってのはどうだ?」

一輝は賭け事が大好きなのだ。以前に学校で5人くらいで大富豪をやったら、一人で千円も儲けやがった。

「構わね〜けど手加減なしだぞ」

「当然!じゃあ始めようぜ」


翼はマリオを

一輝はフォックスを選んだ。





ドカーん!!

フォックスの強烈なキックがマリオを捉えた。



「よっしゃ!俺の勝ち!んじゃおはぎ貰うぜ」

一輝はおはぎを手に入れ上機嫌だ。

「うんめぇ〜さすがだなこの味は」

「うるせ〜さっさと食べて次やっぞ!」




ドカーん!

また翼が負けた。

「よっしゃ!また俺の勝ち!おはぎ2つ目頂きます」

「ちょっと待て!2つはいきすぎだ!団子を食え団子を!」

「知らね 俺勝ったし」

「あっ!待て…………くそぉ一輝覚えてろ…!」




結局・・・・・

「翼!ごちそうさん、うまかった!」

「黙れ……」

翼は団子一つしか食べることができずに、後は全て一輝に食べられてしまった。


「じゃあそろそろ俺帰るから」

「おぅおぅ、さっさと帰ってくれ!」







ん?

何か忘れてないか俺







!!しまった

気付いたときにはすでに遅く、一輝は外から親指を立てながらニヤニヤしている。



翼が現実を理解した瞬間だった



「翼〜ちょっといらっしゃ〜い」




そらきた




腹をくくって下に行った。そこには恐ろしい程に笑顔の殺人兵器が待ち構えていた。


「翼、何で呼ばれたのか分かってるわね?」


はじまった

これより本当の大乱闘がはじまった


「はい分かっておりますお母さま。」

「お饅頭はともかくとして、このレシートのサイダーって何かしら?」

「そっ!それは一輝が勝手に買ったんだって!!!俺が買うわけねーだろ!!」

「ふぅーん、一輝君がねぇ……あの子がそんな事するとは思えないしねぇ……。」


そんなことする子だよ母さん!母さんはあいつの正体を知らないんだよ!

「本当だって信じてくれよ」

「どうしようかね〜」


ダメだ、全く歯が立たない。

母さんはずっとニヤニヤして翼を支配している。

採決が下った



「翼!!夕飯抜きの刑と四字固めの刑どちらがいいかしら?」


一体何なんだこの母親は?

息子の生命な関わる事を平気で言い出すこの母親は何なんだ?



そして・・・・・「あっ!待ちなさい翼!!」


翼の答えは・・・逃げる!そのときだった


「ただいま〜」

「げっ!!姉ぇちゃん!!」


なんと第2殺人兵器が帰宅してきたのだ!


「椿!ちょっと翼取り押さえて!」

「どけ〜姉ぇちゃん!」



ドス!!

溝おちに見事な鉄拳が喰らった。


「な〜にしてんの翼!?」

「うっぅぐ……姉ぇちゃん……何てことを…」


??

椿は状況を理解してないようだ。なのにさっきの鉄拳………酷い…


「椿おかえりなさい。後ありがとう!」

「たっただいま。何してんのお母さん達?」

母さんが事情を話だし、さらに……


翼ったら椿の好きなお饅頭も買い忘れたのよ

とまで言いやがった。

















その瞬間姉ぇちゃんの目がハンターの目になったのは言うまでもない。


その後、我が家には翼の悲鳴が鳴り響き、夜も眠れなかったのだった。


明日に何が起こるかも知らずに・・・・

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