7話
リル「ふぅん…でもまだ怖いなぁ…」
耕之助「別に無理強いはしないよ。僕は自分で体を良くするためにやっているだけだから」苦笑いで誤魔化す。
リル「それじゃご飯にしよ!」
耕之助「うん、今行くね」
―
リル「ずっと同じ食事で少し飽きてきたかも…」
耕之助「うーん…確かに3週間も焼き魚と木の実と焼きキノコだけだからね…栄養的にはそこまで酷いわけではないん
だろうけど、ずっとこれはね…」
リル「お肉が食べたい…」
耕之助「味変もできるといいよね」
リル「味変?」
耕之助「例えば、酸っぱいものとか辛いものとかがあると料理の種類が増えるんだ」
リル「酸っぱい?辛い?」
耕之助「うーん…口に入れると口がキューってなったり、口の中が痛くなるやつ?」
リル「コーノスケが言うものかわからないけど、同じようになったことならある!」
耕之助「それってこの辺にもあったりする?」
リル「毒だと思って採ってなかったからある!」
耕之助「明日2つずつくらい持ってきてもらってもいい?」
リル「わかった!」
耕之助「それじゃそろそろ寝ようか」
リル「おやすみー!」灰を火にかけ火を消す。
耕之助「おやすみ」
―
耕之助「うわぁ…血豆とかすごいなぁ…ツルハシ持つだけでも痛いや…」
身体もこの世界に来た時より少し大きくなった気がする。
血まみれのツルハシを持ってまた振り下ろす。
耕之助「ちょくちょく休んでいたからまだ15段か…あと何段必要なんだろうな…」
いまだに終わりがわからない階段づくりを行なっている。心が折れないように少しずつ休憩を取る。
でも、何故だかリルの顔を見るとやる気が湧いてくる。
耕之助「よし続きをやるか」
ツルハシが鳴らす音がリルへの生存確認でもある。
―
耕之助「ゴクリ…」見たことのない木の実を手に取り、口の中に入れ、咀嚼すると…
リル「どう…?」
耕之助「酸っぱーい!これだこ…ゴホゴホ」