5話
「・・て、・・・・・・きて」
耕之助「う〜ん…」寝返りをうつ。
リル「起きて!」鳩尾に握り拳が入る。
耕之助「グフッ…」体をくの字に曲げもがく。
リル「あ…ごめん…」しゅんとして尻尾と耳が垂れる。
耕之助「リルどうしたの?」鳩尾を摩りながら伺う。
リル「…お腹空いた」両人差し指を突き合わせる。
耕之助「魚でいいかな?」
リル「うん!」目がキラキラしている。火が消えているため、火をつけリルに見ておくように頼んでおく。
耕之助「この魚食べたら木の実とか茸を取ってきてもらってもいい?」
リル「わかった!おいしいものたくさんとってくる!」魚を三匹食べている。
耕之助「ま、いっか。それじゃこれ使って」
木で編まれた籠を出す。
リル「これコーノスケが作ったの?」
耕之助「うん、これ背負えるから。ただ入れすぎると重くなるから気をつけてね」
リル「わかったー!」
耕之助「さて、僕も…っと」起立性の低血圧によりふらつく。
木を使いすぎたせいで肝の動きが弱まっているみたいだ。
鍼を取り出し、太衝、気海、膻中、百会の順に鍼を刺す。
耕之助「あー…気持ちがいい…」ゆっくり雀啄をする。
気の流れを感じる。
耕之助「ふーっ…よし、行くかな」気力に満ち溢れ、体が軽く感じる。
川に行き、魚をとり焼いて食べる。
そのあと、他のところへ探しに行く。
耕之助「なんだろ、ここ崖の下なのかな…」
崖を触りながら回っていく。どうやら円柱に凹んでいるみたいだ。
耕之助「捨てられた土地みたいな感じなのかな」川の先は滝のようになっている。
陽が傾き始めてきたので拠点に帰る。
リル「たくさん取れたよ!」目をキラキラさせながら籠の中身を見せてくる。
耕之助「お、すごいね僕も魚とってきたよ」
焼いた魚をリルに渡す。
耕之助「リルに聞きたいんだけど、ここってやっぱり崖の下だったりする?」
リルが食べていた魚を下ろす。
リル「そう、ここに落ちたら戻れないって言われてるの」
耕之助「それじゃ時間はかかるだろうけど外見に行こうか」とびっきりの笑顔でいう。