4話
リル「なんかいい匂いするんだけど?」尻尾をふりふりしている。
耕之助「あ、木の実と茸を取ってきたんだけど、どれが食べていいかわからなくて」
リル「これは大丈夫、これも大丈夫。これはダメ、これは…」
耕之助「わかるんだ?」
リル「匂いで大体」
耕之助「そうなんだ?そういえば、なんで火が消えてるかわかる?」
リル「それは…」目先が川に向かう。少し地面もぬかるんでいる。
耕之助「あー…魚を獲ろうとしたら水をかけちゃったって感じかな?」
リルはしゅんと全体的に小さくなったように見える。
耕之助「そっか、別に怒ってるわけじゃないんだ。消えた理由さえわかっちゃえば」
耕之助は木と火を使い、また火を起こす。
リル「コーノスケ?」
耕之助「どうしたの?」
リル「何をしたの?」少し震えているみたいだ。
耕之助「ああ、これ?実は僕、一回死んでいてそれの代わりにもらった能力なんだ」
リル「え?」
耕之助「魚取ってくるからちょっと待っててね」
魚を三匹とって焼く。
耕之助「それでね、僕は…」前世の話を始めた。そして能力のことも。
―
リル「コーノスケェ…」なぜかリルが泣いていた。それにちょっと貰い泣きする。
耕之助「リルは優しいんだな」そういい頭を撫でる。
リルはなかなか泣き止まない。
耕之助はずっと撫で続けた。
―
リル「コーノスケありがとう…」どうにも消え入りそうな声を放つ。
耕之助「どういたしまして」手をどけ、魚を食べようとすると
リル「もうちょっと」そういい、手を掴み頭へ誘導する。
耕之助「いいよ」再び頭を撫でた。
―
撫でた後リルはお腹がいっぱいだったのもあるのだろうがすやすやと眠っていた。
冷めた魚を食べる。今度はしっかり火が通っていたようで塩味も効いて昼に食べた魚より美味しく感じた。
耕之助「ちょっと疲れるかもしれないけど、一時的に作っておこう」
土の壁と部屋を作り、鍼を刺す。
耕之助「やっぱり鍼っていいなぁ…」