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23話

リル「それじゃおじいちゃんの村へ一緒に行っていい?」


「ああ、いいぞ。気にいるかはわからないがな」


耕之助「ついて行こう」


リル「お願いします!」


「こっちじゃ」


おじいさんは歩く。それも少し辿々しく。


リル「大丈夫かな」


耕之助「大丈夫…じゃないかな」


おじいさんはさらに森の奥へ行く。


それについていく二人。


リルはおじいさんと耕之助の中継役として活躍した。


耕之助は最初ただ遊ばれているのだと思っていた。だが、どうやら本当に見えていないらしい。


どうしてこちらからは見えて、向こうからは見えないのか。


そして何故、リルは見えているのだろうか。


そうこう考えているうちに、違う川に当たる。


そこに小さな木製の船が停泊している。


「この川の向こう側じゃ。気にいるといいんじゃがの」


耕之助「なんか…石が積まれている…ここってまさか…」


リル「コーノスケ?乗らないの?」


耕之助「乗っちゃいけない気がする」


リル「どうして?」


耕之助「この森…何かおかしい。おじいさん…まさか死人だったりするんじゃ」


リル「え…?」


耕之助「おじいさん、記憶ある?」


リル「おじいちゃん、死んでないよね?」


「何を言っておる、わしはこうしてここにおろう」


耕之助「リル、そのまま伝えてくれ」リルは小さく頷き、言葉は紡ぐ。


リル「おじいさん、魚釣る前は何をしていたの?」


「何をしていたって…儂は…あ…私…?俺…僕…?」


リル「色んな人の記憶が混在しているんだね。そして自分が何者かもわからなくなっている。あなたは生き人ではない。死人の記憶で形成されたものにすぎない。僕が見えていないことが証拠だ…って?リルは見えていいの?」


耕之助「ごめんね…。多分リルは僕より感覚も何も超越しているんだ、凡人の僕は見えないんだよ」


リル「嘘…それじゃこの人は一体誰なの…?」


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