22話
匂いの元を辿っていく。
リルの鼻は確かなのだが、正しいかどうかはまた別だ…。
森の中に入って数分すると、魚が焼ける匂いがしてきた。
どうやらリルの鼻は正しかったらしい。
初めての人と出会う。
耕之助「すみません」
「…」
耕之助「あの…」
「…」
見るからにご老人の方に急に驚かしてしまったら心臓に悪いかなぁなどと思いつつ思慮していたら、お腹が鳴る。
リル「すみません!」
「おん、なんじゃ」
耕之助「すみません、魚が焼ける匂いがして、この近くに村とかあったりしますか?」
「…」
リル「おじいちゃん!近くに村ある?」
「そうじゃなぁ、近くにはないがあるぞ」
耕之助「どの辺にあるか教えてもらってもいいですか?」
「…」
リル「おじいちゃん、コーノスケの声聞こえてない?」
「コーノスケ?わしにはお嬢ちゃんの声しか聞こえんが」
リル「おじいちゃん…目も見えてない?」
「そうだなぁ…生まれつき、耳と目は患っておってな」
耕之助「リル、村の場所聞いてもらえないかな」
リル「おじいちゃん村どこにあるか教えてもらえる?」
「教えたいのは山々なんじゃがなぁ…魚が釣れんくて帰れんのじゃ」
耕之助「僕たちも魚を釣るの手伝おう」
リル「おじいちゃん、お魚釣るの手伝ったら一緒に村まで連れて行ってもらってもいい?」
「いいが…できるのか?」
リル「任せてよ!」
―
リル「10匹取れたよ!」
「おお、お嬢ちゃんすごいなぁ」
リル「半分はコーノスケが釣ってくれたんだけどね」
「そのコーノスケとやらにもお礼を言っておいてもらえんか。音は聞こえている故、誰かがいるのはわかるんじゃが…どうしてもそのコーノスケという方の声が聞こえんのじゃ」




