19話
シーク「本当だ!ちょっと渋みもあるけど食べられないほどじゃない!」
耕之助「これで僕たちのは取られなくて済むかな?」
シーク「これなら大丈夫です!すみませんでした…」
耕之助「いいんだ。これからは人のものを奪らないようにね」
シーク「気をつけます…」
耕之助「それで聞きたいことがあるんだけど」
シーク「何ですか?」
耕之助「あそこはやっぱり…村だったの?」
シーク「はい…」
耕之助「そうか…」
シーク「あれは一月前でしょうか…、突然の轟音。驚いて数日外に出られず、久しぶりに外に出たらあの有様
だったのです…」
耕之助「一月前?」
シーク「ええ、ひょっとして知らずに来たんですか?」
耕之助「そうだね、全く知らなかった」
シーク「そうですか…それでは何が起きたのかは分かりませんね」
耕之助「お互いに知らないんだね」
シーク「音がしたことしか…」
耕之助「どんな音かわかる?」
シーク「地が揺れるほどの轟音です。初めて聞いたのでどんなものかは…」
耕之助「わからないっってことか」
シーク「そうですね…」
耕之助「わかった、ありがとうね」
シーク「ありがとう、ですか?」
耕之助「感謝の言葉なんだけど…」
シーク「それは分かります。ものを奪った人から感謝の言葉が聞けるとは思わなくて」
耕之助「そういうことね、情報をくれたからさ」
シーク「大した情報は出してないと思うのですが…」
耕之助「いや、轟音っていうのは結構な問題だよ。それに初めて聞いたってことは自然災害じゃないんだろう
し。他の何かがあったってことはわかったから」
シーク「なるほど…」
耕之助「それじゃ僕たちは帰るから」
シーク「ありがとうございました」
耕之助「うん、もう少しあそこにいる予定だから何かあったら教えてね」
シーク「わかりました。ありがとうございます」
リル「お腹すいたー!」お腹の虫が鳴く。