14話
リル「コーノスケ、おはよう」
耕之助「あ、起こしちゃったかな」
リル「いい匂い。ご飯?」
耕之助「今できたところ。呼ぼうと思っていたんだ。食べようか」
リル「うん!」
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耕之助「それじゃ昨日リルが見つけたっていうところに行こうか」
―
リル「ここなんだけど…見たことのないものばっかりで」
耕之助「これ…見た目は少し違うけど、お米と小麦…かな?季節は違うけど…これは大発見かもしれない」
リル「えらい?」
耕之助「凄いえらいよ」頭を差し出すのは撫でてもらいたい証拠だと気づき、頭を撫でる。
そうするとリルの耳と尻尾が荒ぶる。
耕之助「辺りを散策すればもっと他のものが見つかるかもしれないな…ちょっと見に行こうか」
リル「うん!」
村があった場所の半径1kmくらいを探してみた。
耕之助「りんご、葡萄、蜜柑と…もしかしたら僕以外にも異世界人がいたのかもしれない…味はほぼ一緒
だ。植物学者の人でもいたのかな…」
リル「コーノスケ」
耕之助「ん?ああ、いいよ食べても」
リル「いただきます!」
耕之助「どう?美味しい?」
リルは激しく頭を振る。どうやらりんごがお気に入りのようだ。種までは食べないように。
耕之助「放置されていてあの状態ならあんまり害獣だったりはいないのかな?」
リル「がいじゅー?」
耕之助「こういう果物とかを作った人じゃなくて勝手に野良の獣とか食べることがあるんだ」
リル「リルもがいじゅー?」
耕之助「うーん…そうなると僕もなのかな。でも荒らされてなくって良かったってこと」
リル「荒らされる?」
耕之助「うーん…例えばリルが獲った魚を知らない人が獲ったら怒るだろ?」
リル「コーノスケは怒らなかった。だからリルも怒らない」
耕之助「あー…そうか。うーん…ま、いいか。リルはその心を忘れないでね」
リル「?」